2015年 理工学部 シラバス - 土木工学科
設置情報
科目名 | 海岸環境工学 | ||
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設置学科 | 土木工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 前野 賀彦 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A42T |
クラス |
概要
学修到達目標 | 四海に囲まれた我が国の国土の特殊性から、国民の多くが沿岸部に居住しており、沿岸域における環境保全や防災・減災問題と密接に関わっている。そこで、自然環境と調和した沿岸域利用の理念とその利用技術について学習する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
視聴覚機材(PC,VIDEO)を活用し、実際の施工例を用いて具体的な計画・調査・設計・施工の一連の流れが理解できるように講義を組み立てている。簡単な設計項目については実際に簡略な計算を科し、常識的な設計諸数値の範囲を認識させている。さらに、沿岸環境の修復・保全技術にも言及する。 |
履修条件 | 水理学、地盤力学、応用力学の基礎的知識があることが望ましい. |
授業計画
第1回 | 人間社会と沿岸域 沿岸域とは/人類の沿岸域との関わり/沿岸域利用 |
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第2回 | 沿岸域開発とその実例 米国における沿岸域開発/欧州における沿岸域開発/日本における沿岸域開発 開発理念と開発のプロセス 住民参加/環境アセスメント/ミチゲーション |
第3回 | 沿岸域管理と環境保全 沿岸域管理者/海岸法/漁港法/その他関連法規 オイルスピルと水質保全 油濁/汚濁/赤潮/青潮/環境保全関連法規 |
第4回 | 沿岸環境の修復と保全 ウエットランド/ベジテーション/バイオレメディエーション環境修復の実例 米国における干潟の造成 |
第5回 | 海岸地形 海岸の分類/海岸断面/沿岸砂州 沿岸災害の概要 護岸の決壊/海岸侵食/高潮/津波 |
第6回 | 海岸侵食とその対策 侵食と堆積/河口埋没/漁港・港湾埋没/浚渫/漂砂/海岸護岸 海岸侵食対策工とその施工例 離岸堤/突堤/人工リーフ・潜堤/ヘッドランド工法/サンドバイパス工法 |
第7回 | 海岸工事と消波ブロック 消波ブロックの種類/消波ブロック工の設計/海岸護岸/被覆工法/混成堤 |
第8回 | 漁村整備と過疎化対策 日本の漁村/小規模漁村整備/沿岸整備事業 マリーナと漁港ネットワーク マリーナ/漁港整備/海洋性レクリエーション |
第9回 | 波の驚異 暴風波浪/波浪災害(ビデオ教材) 高潮・津波について 八代湾高潮/日本海秋田沖津波(ビデオ教材) |
第10回 | 海岸構造物の耐震設計 地震による海岸構造物の被害/震度法/地震応答解析 地震による海岸構造物の被災例 |
第11回 | 各種波の理論 規則波と不規則波/深海波/浅海波/長波/津波 波浪推算 波別解析法/ゼロダウンクロス法/代表波法/有義波/最大波/波浪スペクトル |
第12回 | 線形波理論の誘導 微小振幅波/水粒子速度/波速/波群/群速度/重複波/波圧/波のエネルギー 海岸構造物の耐波設計 重複波圧/砕波圧/広井公式/サンフルー式/合田式/ミニキン式 |
第13回 | 沿岸の流れ 沿岸流/離岸流/海浜流/底引き流れ/潮流/海浜流系統 波の変形I 波のエネルギー/波の浅水変形/砕波 |
第14回 | 波の変形II 屈折/回折/反射/海底摩擦 波・流れ解析 航跡図/深浅図/屈折図/波高分布 |
第15回 | 平常試験およびその解説 |
その他
教科書 |
特定の教科書を指定しないが、参考書を推薦する。教科書の代わりに授業出席者にプリントを配付する。
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参考書 |
合田良實・佐藤昭二 『海岸・港湾』 わかり易い土木講座17 彰国社 1981年 第2版
合田良實 『港湾構造物の耐波設計』 鹿島出版会 1991年 第2版
椹木亨 『波と漂砂と構造物』 技報堂出版 1991年 第1版
上記以外にも数多くの参考書があるので、図書館等で目的に応じて閲覧することを推賞します。
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成績評価の方法 及び基準 |
基本的に定期試験を重視します。定期試験の割合は90%以上で、適宜課す課題は10%程度の割合で総合評価します。複数の専門知識や資料に基づき設計諸数値を求める力を問います。 |
質問への対応 | 質問は授業終了後に受け付けます。それ以外はメールにて事前にアポイントを取ることを条件に研究室で対応します。電話による問い合わせには応じられません。 |
研究室又は 連絡先 |
お茶の水校舎旧法科大学院709室 E-mail: maeno@civil.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:15 ~ 13:15 お茶の水校舎旧法科大学院709号室
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学生への メッセージ |
本講義は幅広い専門分野を総合して成立っています。したがって、事前に幅広く専門科目を受講していることは有意義です。また、逆に本講義を受講した後関連した専門科目を受講することも一つの方法です。単に専門用語や公式を暗記するようなことをせずに、それらの背景を理解することを求めます。授業中に適宜設計諸数値の計算を求めますので、電卓・定規を持参して下さい。定期試験においてもこれらは必要です。 |