2015年 理工学部 シラバス - 土木工学科
設置情報
科目名 |
砂防防災工学
土砂災害を防止軽減するための手法
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設置学科 | 土木工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 酒谷 幸彦 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A55P |
クラス |
概要
学修到達目標 | 日本では毎年1000件程度の土砂災害が発生しています。また、近年異常気象などによる豪雨、火山噴火により大規模な土砂災害が発生しています。このような災害を防止軽減するために行っている施設の整備、警戒避難体制の整備など、ハード対策、ソフト対策の基本を学習するとともに、これらの対策を実施する際の課題、問題点を把握します。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義:対策の基本的な考え方、実際を説明し、課題、問題点について意見交換するなど学生の積極的な参加による授業とします。 現場研修として、日帰りで近くの砂防工事現場を見学します。 |
履修条件 | 土砂災害を防止するための砂防や、災害時の住民避難の実態について関心があること。 防災に関する技術や行政に興味があること。 |
授業計画
第1回 | 土砂災害の実態 土石流、地すべり、がけ崩れ、天然ダム決壊等による災害の実態を写真、映像等により学習する。 |
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第2回 | 国土の利用と土砂災害 土砂災害の起こりやすい国土の条件、国土利用と土砂災害の変遷、各時代の社会要請とその対応について学習する。 |
第3回 | 砂防の歴史と役割 古代から近世までに行われてきた防災、砂防対策の歴史・役割、対策の考え方と技術の進展について学習する。 |
第4回 | 大河川流域における砂防対策 大流域における土砂流出による災害を防止するための調査、計画、砂防堰堤などの配置の考え方について学習する。 |
第5回 | 砂防対策の仕組み 国の計画、個別事業の評価、予算について、各施設の計画から完成するまでの進め方、事業の実施過程を学習する。 |
第6回 | 現地視察 大規模な土砂災害対策を実施している砂防現場を視察する。事業の背景、計画、施工について学習する。 |
第7回 | 小テスト これまで学習した内容、キーワード等を整理するとともに、小テストを実施する。 |
第8回 | 土石流対策 危険区域の設定手法、対策計画の作成、土石流対策砂防堰堤の設計の考え方を学習する。設計の演習。 |
第9回 | 地すべり対策・がけ崩れ対策 危険区域の設定手法、対策計画の考え方について学習する。地すべり安定解析の演習。 |
第10回 | 警戒避難体制の整備 土砂災害警戒警戒避難基準雨量の設定手法、警戒避難の実態等について学習する。 |
第11回 | 特別講義 講師 阿部宗平(砂防学会事務局、農学博士)予定 水理模型実験を用いた砂防施設の計画(仮題) |
第12回 | 天然ダムと危機管理 大規模災害が発生することを想定した事前の準備、災害発生中の対応について、実際の発生事例を基に学習する。 |
第13回 | 火山噴火と砂防対策 火山噴火による災害を軽減するための緊急対策、火山噴火計画について学習する。 |
第14回 | 近年の社会状況に対応した砂防対策 環境保全対策、地域活性化対策など近年の社会状況に応じて行っている様々な砂防対策について学習する。 |
第15回 | 期末試験及びその解説 |
その他
教科書 |
適宜、プリント等を配布します。
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参考書 |
幸田文 『崩れ』 講談社文庫
『吉友嘉久子』 巨石が来た道 北陸建設弘済会 1993年
砂防は自然と人間活動の調和を図るものです。それぞれの状況にあって、人間が土砂災害をどのように感じ、どのように行動したかを先人に学びます。
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成績評価の方法 及び基準 |
小テスト(50%)、期末試験(50%) |
質問への対応 | 講義終了後に受け付けます。それ以外であれば、下記宛てに質問事項を送付してください。後日返答します。 |
研究室又は 連絡先 |
yusakatani.57@gmail.com |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
砂防・防災対策は、人間活動と自然の付き合い方です。これまで行ってきた防災工事、警戒避難という対策の考え方、実態を知り、被害をできる限り少なくするために自然の力を上手に”いなす”方法を考える必要があります。地球温暖化による豪雨、大規模地震などに備え、防災について学習し、一緒に考えましょう。 |