2015年 理工学部 シラバス - 建築学科
設置情報
科目名 | 対地震構造 | ||
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設置学科 | 建築学科 | 学年 | 3年 2年 |
担当者 | 秦 一平 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C14P C14U |
クラス | 建築 |
概要
学修到達目標 | 免震構造や制震構造の構造設計の基本を学ぶ。構造物の対地震性能は地震動の特性と構造物が持つ特性の両者が絡み合って複雑な挙動をしている.これらの関係から構造計画をどのようにすすめるかを中心に学び、簡易なモデルを振動の基本である固有値解析を利用して,制震構造と免震構造の設計手法を理解することで、動的設計の勘所を習得する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
免震・制震構造物の設計で必要な知識を分かりやすく説明するとともに、授業で配布する解析プログラムと応答性能設計図表をコンピュータ演習室もしくはノートパソコンで利用し,免震・制震構造の動的設計の感性を高めていく。 |
履修条件 | 振動工学、構造力学、応用力学の単位を修得していることが望ましい。振動工学をとっていない学生は、線形代数と微分方程式を学んでいること。 |
授業計画
第1回 | 構造物のモデル化 |
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第2回 | 耐震構造物の地震性能 |
第3回 | 構造物の共振と地震動の周波数(周期)特性 |
第4回 | 構造物の減衰 |
第5回 | 時刻歴応答解析(解析プログラムの使用方法) |
第6回 | 多質点系モデルの固有値解析 |
第7回 | モーダル解析による応答スペクトル法 |
第8回 | 定点理論による最適設計と最適減衰式 |
第9回 | 制震構造物の設計方法(その1) |
第10回 | 制震構造物の設計方法(その2) |
第11回 | 地震動を受ける弾塑性構造物の振動特性と等価線形化法 |
第12回 | 免震建物の見学と地震体験 |
第13回 | 粘性減衰と履歴減衰を有する複合系の固有値解析 |
第14回 | 応答性能設計図表を用いた免震構造物の設計方法(その1) |
第15回 | 応答性能設計図表を用いた免震構造物の設計方法(その2) |
その他
教科書 |
石丸辰治 『応答性能に基づく「対震設計」入門』 彰国社 2004年 第1版
構造物の動的な設計に関する入門書であり、基本概念としての振動エネルギーの基礎解説から、振動方程式の物理的意味や振動現象の把握に加え、長寿命建築としての免震・制震構造の性能からみた構造設計法を提示、性能図表を駆使しながら、初心者でも、免震・制震の基本計画の立案に役立てることができる。
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参考書 |
石丸辰治 『対震設計の方法』 建築技術 2008年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
授業時に課される制震構造設計と免震構造設計のレポートと授業内で示す課題にて総合評価をする。制震構造設計と免震構造設計のレポートは、設計手順の理解と設計方針をレポートにまとめてもらう.設計方針は,応答性能である応答加速度、応答変形を入力地震動レベルの大きさに応じて目標クライテリアを設定し、必要な設計パラメータを算出するとともに、簡単な制震部材と免震部材の具体的設計を行う。地震動入力の大きさと応答性能により、多岐に亘るパラメータが算出されるが、それらの相互関連について考察することで、免震・制震設計の感性を高めることが目的なので、注意深い考察レポートから数学的、構造工学的センスの豊かなレポートが歓迎される。 |
質問への対応 | オフィスアワー:月曜日・15:00~16:00・駿河台校舎5号館564B室(秦) |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎5号館6階564B室(秦) |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 15:00 ~ 16:00 駿河台校舎5号館564B室(秦)
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学生への メッセージ |
構造設計や研究者を目指したいと思う学生には,ぜひ受講してほしい科目である.私は,実務設計で利用される設計法や新しい対地震構造システムを提案すること目的として,研究しているので,まだ誰も考えていないような観点から設計をすることを一緒に考えられればと思っている.レポートでも課題に対し,議論できるような学生がいてくれることを望んでいます. |