2015年 理工学部 シラバス - 建築学科
設置情報
科目名 | 建築史Ⅲ | ||
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設置学科 | 建築学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 大川 三雄 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 火曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C23Q C24R |
クラス | 建築1組、企画経営 、 建築2組 |
概要
学修到達目標 | 幕末明治期から昭和戦前期までを対象に、日本における建築の近代化過程を考察すること目的とした日本近代建築史は、歴史主義とモダニズムというふたつの潮流が生み出すダイナミズムによって特徴付けられる。そこから派生する様々な諸相の考察を通して、日本近代建築の特質を明らかにすることを目的とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義全体は大きく3つに分けられる。幕末明治期のお雇い外国人と日本人の大工職人たちによる建築活動、明治中期から本格化する近代建築教育を身に着けた建築家たちの活躍、そして1920年代から盛んとなるモダニズムの動向である。それぞれの流れと影響関係について論ずる。60分の講義の後、30分のスライド解説を行う。 |
履修条件 | 特になし。 |
授業計画
第1回 | 1.日本近代建築史の概要/欧米歴史主義の導入と消化の過程と、モダニズムの発生と展開という日本近代建築史の大きな見取り図を示す。 |
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第2回 | 2.西洋建築技術との出会い:お雇い外国人の活躍と、その下にあって洋風技術の習得に努めた日本人技術者の活動、そして大工棟梁たちが生み出した擬洋風建築について解説する。 |
第3回 | 3.日本人建築家の誕生:J・コンドルの来日によって初めてもたらされた体系的な西洋建築学の内容と、そこから誕生した第1世代の建築家の活動について論ずる。 |
第4回 | 4.ふたつの様式論争:明治20年代に展開された明治宮殿の様式を巡る論争、そして明治40年代の国会議事堂の様式を巡る論争、そのふたつを通して建築家の様式観と伝統意識を論じる。 |
第5回 | 5.新たな立脚点の模索:第2世代の建築家たちが直面した様々なテ-マに即して、日本における建築西欧化第2の波の様相を探る。 |
第6回 | 6.新思潮との出会い:欧米の様々な新思潮の影響下に、自覚的に新しい建築を求める動きが活発化する。その諸相を建築運動や建築論争を中心に論ずる。 |
第7回 | 7.都市と住宅の時代:資本主義社会が進展する中、街並みの変化やスラムの発生といった都市問題が発生する。そうした社会問題としての都市と住宅に取り組んだ社会派建築家の活動について触れる。 |
第8回 | 8.住まいの近代化:明治末から昭和戦前期における都市独立中流住宅(サラリ-マン住宅)の発生と展開の過程について論ずる。 |
第9回 | 9.住宅作家たちの活動:住まいの近代化が模索される中、建築家たちによる近代住宅創出のプロセスを解説する。 |
第10回 | 10.歴史主義建築の成熟:歴史主義建築からモダニズム建築への橋渡しの役割を担った建築家たちの活動を解説する。 |
第11回 | 11.3人の来日外国人建築家:FLライトとA・レ-モンド、そしてB・タウトの建築活動を建築作品と建築思想の両面より考察する。 |
第12回 | 12.日本趣味建築の誕生:建築家による“日本的独自性”を追求する過程を、日本趣味建築を軸として論ずる。 |
第13回 | 13.モダニズム建築の登場:1920年より展開されるモダニズム建築の諸相を、昭和戦前期を中心に論ずる。 |
第14回 | 14.戦後モダニズムの展開:第2次大戦後の建築界の動向をモダニズムの展開を軸として論ずる。 |
第15回 | 15.平常試験及びその解説 |
その他
教科書 |
大川三雄、川向正人、初田亨、吉田鋼市 『図説 近代建築の系譜』 彰国社 1997年 第1版
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参考書 |
藤森照信 『日本の近代建築 上下』 岩波書店(岩波新書)
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成績評価の方法 及び基準 |
レポ-ト課題(20パ-セント)及び平常試験(80パ-セント) |
質問への対応 | 授業終了時に対応します |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎5号館7階576室、電話/03(3259)0718 |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 10:00 ~ 17:00
火曜 駿河台 15:00 ~ 17:00
水曜 駿河台 10:00 ~ 17:00
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学生への メッセージ |
“歴史に定説はない”との認識にたって、必ず、複数の参考文献や図書に目を通して考察することを心がけること。 |