2015年 理工学部 シラバス - 海洋建築工学科
設置情報
科目名 | 海洋流体力学Ⅱ | ||
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設置学科 | 海洋建築工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 近藤 典夫 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D32F |
クラス |
概要
学修到達目標 | 風や海流のような実在の流体の運動をより正確に理解するためには、粘性流体力学の知識が必要になってくる。そこで、運動により生じる流体の変形とそれに伴って生じる応力、運動方程式について学習し、粘性流体の性質について理解を深める。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義は、原理と理論を習得する部分と、それを工学に応用したときの知識を養う部分からなる。応用面では建築学、海洋工学に則して行う。 |
履修条件 | 微分・積分、微分方程式、力学(力の釣り合い等) |
授業計画
第1回 | ガイダンス 数学の基礎:ベクトル代数、微分、微分演算子 (流体方程式を記述するためには、ベクトル、編微分を多用するので、これらの基礎的なことを学習する) |
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第2回 | 流体の分類、ニュートン流体、ニュートンの粘性法則、慣性項 流体の連続方程式 (流体は、その数学的性質に応じて様々な流体モデルに分類されている、その体系を理解する。その中で、ニュートン流体を対象に学習するので、ニュートン流体について理解する。さらに流体の連続性を記述する連続方程式の意味を理解する。) |
第3回 | 粘性流体(1) 2次元:粘性流体の圧力と粘性応力、変形速度勾配 (流体の運動方程式の2次元問題を学習する、粘性流体の応力・変形速度勾配の定義を理解し、流体の応力と流速の関係式を学習する。) |
第4回 | 粘性流体(2) 3次元:粘性流体の圧力と粘性応力、変形速度勾配 (流体の運動方程式の3次元問題を学習する、実空間は3次元なので、実現象を理解するための粘性流体の応力・変形速度勾配の定義を理解し、流体の応力と流速の関係式を学習する。) |
第5回 | 粘性流体(3) ナビエ・ストークス方程式 (水や空気などの流体を記述する方程式は、ナビエ・ストークス方程式である。ナビエ・ストークス方程式の誘導、ナビエ・ストークス方程式の性質、適用範囲について学習する。) |
第6回 | 粘性流体(4) 1)レイノルズ数 2)レイノルズの相似則 3)抗力と揚力、捩りモーメント (流体の性質を表すレイノルズ数とは何か、さらにその意味を理解する。また流体運動に係わる相似則、構造物に作用する抗力・揚力・捩りモーメントの計算の仕方を学び、構造解析にどのように係わるのかを理解する。) |
第7回 | 浅水長波流れ(1) 流れの近似化、粘性力項 (長波流れを考える場合には、水面上で2次元化した式を扱うと便利である事が多い。連続方程式の誘導、ナビエ・ストークス方程式からの誘導・モデル化の仕方、粘性力の扱いについて学習する。) |
第8回 | 浅水長波流れ(2) 浅水長波方程式 (浅水長波方程式を記述するために、保存系・非保存系の表示について理解する。) |
第9回 | 熱の流れ ブジネスク近似、熱輸送方程式 (大気の温度変化やヒートアイランドを数値的に計算するためには、熱移動効果を式の中に取り入れる必要がある。その中で、ブジネスク近似による熱輸送方程式を学ぶ。) |
第10回 | 乱流(1) 1)層流と乱流 2)平均化操作 3)レイノルズ応力 (風や海流の流れは一般に乱流と呼ばれる乱れの状態にある。層流と乱流の違い、平気的な流れ、乱れ成分及びそれによる応力効果を理解し、乱流を計算するための各種モデルを学ぶ。) |
第11回 | 乱流(2) 空間平均の乱流モデル1 LESモデル (乱流モデルの中で、空間平均操作を施すLESを学ぶ。LESに組み込まれる乱流粘性応力及びその性質を理解する。) |
第12回 | 乱流(3) 空間平均の乱流モデル 2 LESモデル (LESに組み込まれる乱流粘性応力及びその性質を理解する。) |
第13回 | 流体の数値計算法(1) 人工粘性の種類とその効果 (コンピュータを使って流体計算を行う場合、人工粘性の導入が必要になるので、人工粘性の種類・効果・性質を理解する。) |
第14回 | 流体の数値計算法(2) 離散化の方法及び時間積分法 (コンピュータを使って流体計算を行うときの空間の離散化の方法及び時間積分の方法を学ぶ。また、精度良く計算するための方法、数値誤差を学ぶ) |
第15回 | 平常試験及び解説 |
その他
教科書 |
笠原英司監修 清水正之、前田昌信 共著 『図解 流体力学の学び方』 オーム社 1986年 第1版
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参考書 |
日野幹雄 『流体力学』 朝倉書店 2003年 第1版
今井功 『流体力学(前編)』 岩波書店 1992年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験結果と課題の総合評価による。 |
質問への対応 | 随時 |
研究室又は 連絡先 |
近藤(典)研究室 (船橋校舎13号館5階1353室) kondo.norio@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 船橋 12:30 ~ 13:00
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学生への メッセージ |
意欲を持って取り組んでください。 |