2015年 理工学部 シラバス - まちづくり工学科
設置情報
科目名 | まちづくり文学 | ||
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設置学科 | まちづくり工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 岸 規子 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | E25A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 文学作品を通して自然や歴史認識の変化が、人々の生活に与えた影響を考察する。対象は明 治から現代に至るまでの小説とする。 本科目は、まちづくり工学科の学習・教育到達目標A~IのうちH「歴史・文化・環境を活かす実践能力」の達成に主力的に関与する重要な科目である。また、C「専門基礎学力」の達成に補足的に関与する科目である。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業は講義を中心に行い、都市としての東京と地方の変化を合わせ鏡として捉える。東京なくして地方は成立しないし、地方なくして、東京は成立しない。過去の作品を通して、現代社会を探る手掛かりとしたい。 |
履修条件 | 2/3以上の出席。私語、遅刻は厳禁。授業時の課題は必ず提出すること。 |
授業計画
第1回 | 授業の進め方、及び講義内容について説明する。 |
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第2回 | 谷崎潤一郎『陰翳礼讃』について考察する。(1) 光と影の対比やその効果について考える。また東西の文化論にまで踏み込んでみたい。 (自己学習時間:復習30分 以下同じ) |
第3回 | 谷崎潤一郎『陰翳礼讃』について考察する。(2) 角田光代『空中庭園』や評論を読みながら、現代における課題を見出していく。 |
第4回 | 都市と地方の関係性について(1) 田山花袋『田舎教師』、立松和平『遠雷』、山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』などを取り上げる。 |
第5回 | 都市と地方の関係性について(2) 磯田光一『思想としての東京』や新聞記事などを読みながら、現代における課題を見出していく。 |
第6回 | タワー(1) 堀辰雄『水族館』、江戸川乱歩『押絵と旅する男』を取り上げ、浅草を中心とした繁華な都 市の様相を明らかにしていく。十二階(凌雲閣)の果たした役割についても考察を加える。 |
第7回 | タワー(2) リリー・フランキー『東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~』などを取り上げる。東京タワーや東京スカイスリー、通天閣などを考察の対象とする。 |
第8回 | デパート 伊藤整『M百貨店』、真保裕一『デパートへ行こう』などを取り上げる。新聞記事も併せて読みながら、デパートの今昔とこれまで果たしてきた役割などを紹介する。 |
第9回 | ショッピングモールなど 角田光代『空中庭園』、恩田陸『Q&A』などを取り上げる。また対照的な作品として、ねじめ正一『高円寺純情商店街』を取り上げ、現代における課題を見出し、考察を加えていく。 |
第10回 | 団地 安倍公房『燃えつきた地図』、立松和平『遠雷』などを取り上げる。また新聞記事を読みながら、団地の今昔について考えていく。 |
第11回 | 文学に描かれた風景(1) 徳冨蘆花『自然と人生』、国木田独歩『武蔵野』を対象に、風景がどのように発見されていったのかを考察する。 |
第12回 | 文学に描かれた風景(2) 梶井基次郎『闇の絵巻』、大岡昇平『武蔵野夫人』、中上健次『岬』などを考察の対象にする。 |
第13回 | 文学に描かれた風景(3) 日野啓三『夢の島』、立松和平『光線』などを取り上げる。都市と自然の関係を考える。 |
第14回 | 村上春樹や吉本ばななの作品を取り上げる。都市の感受性の変化を読み取っていく。 |
第15回 | まとめ 授業での疑問の解消につとめる。(レポート提出) |
その他
教科書 |
毎時間、プリントを配布する。
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参考書 |
必要に応じて、プリントを配布する。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業時の提出物(60%)とレポート(40%)による総合評価 課題をやらず、白紙で提出した場合は欠席と同じ扱いになるので注意すること。 |
質問への対応 | 講義時に受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎5号館3階532室 人文研究室 火曜日・水曜日 |
オフィスアワー |
水曜 船橋 11:00 ~ 12:00
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学生への メッセージ |
文学も文化現象の一つです。過去の人々の生活の痕跡が色濃く残されています。過去を知ることは現在を、そして未来を知る手掛かりとなります。読む前から毛嫌いせずに、積極的に授業に参加していくれることを望みます。 |