2015年 理工学部 シラバス - 機械工学科
設置情報
科目名 | ロボット工学 | ||
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設置学科 | 機械工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 渡辺 亨 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F35O |
クラス |
概要
学修到達目標 | ロボット工学の内容のうち、機械工学に関係の強い領域、すなわち機構学・ 運動学・動力学・計測制御工学の4つの領域に絞って講義を進める。この 講義での学習目標は以下の通りである。 (1)ロボット工学の全体像の概念的理解。 (2)上記4分野の基礎的な知識とロボット工学との関係の理解。 (3)(2)で学んだ内容をごく簡単なロボットの特性解析に適用 する能力の習得。 |
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授業形態及び 授業方法 |
主に板書を中心とした講義。理解を助けるために適宜簡単な演習・ レポート課題を行う。 |
履修条件 | 剛体力学、行列・ベクトルおよび微分に関する基礎的な知識を修得して いる事を前提とする(科目でいうと工業力学Ⅰ・Ⅱ、微分積分学、線形 代数学に相当)。なお、必須ではないが、メカニクスの基礎,エンジニ アリングアナリシス、ダイナミックシステム、フィードバック制御の基 礎,線形システム制御,計測工学などを受講しておくと理解が深まる。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス、ロボット工学の概要 授業の進め方などに関する説明、ロボットの定義、ロボット工学の領域 |
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第2回 | 機構学(1) 機構学で用いるリンク系の記号標記、リンク系の自由度 |
第3回 | 機構学(2) グリューブラ-の方程式、代表的なロボット機構の紹介 |
第4回 | 運動学(1) 座標系、座標変換(並進)、角度の定義、座標変換(回転) |
第5回 | 運動学(2) 「同次変換行列」の導入とその計算、順運動学 |
第6回 | 運動学(3) 順運動学(続)、逆運動学(『Pieperの方法』の概要紹介) |
第7回 | 運動学(4) 「ヤコビ行列」の導入.リンクパラメータの変化速度と手先位置の変化速度の関係 |
第8回 | 運動学(5) ヤコビ行列の応用(特異姿勢、静力学的解析) |
第9回 | 動力学(1) ロボットアームのモデリング、ラグランジュの方程式 |
第10回 | 動力学(2) ラグランジュの方程式による運動方程式の導出 |
第11回 | 動力学(3)/計測制御(1) ロボットアームの運動方程式の行列表現、逆動力学、フィードバック制御の基礎 |
第12回 | 計測制御(2) 関節空間制御、手先空間制御、ロボット用センサ・アクチュエータの紹介 |
第13回 | 問題演習 昨年度の平常試験問題の解説 |
第14回 | 平常試験 |
第15回 | 平常試験の解説 |
その他
教科書 |
松日楽、大明 『わかりやすいロボットシステム入門』 オーム社 1999年 第1版
分かりやすさと情報量のバランスが取れた好書で入門者に最適。ただし
内容的には必ずしも講義の内容をカバーしていないので、必要に応じて
適宜プリント等を配付する。講義では手薄な実際的な内容(要素論、設
計論など)が豊富なので、講義と合わせるとロボット工学のかなりの部
分をカバーできる。第2版が既に出版されているのでそちらも可.
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参考書 |
本多庸悟 『ロボット工学の基礎』 昭晃堂 2003年 第1版
ロボット工学の参考書は世上多々出版されているので、各人吟味の上
自分に合った書籍を参照されたい。ここに掲げた参考書は一例である
が、コンパクトな割に内容がよく勘案されており使い易い。講義の内
容には(教科書より)むしろこちらのほうが近いので、「講義内容の
理解を深めたい」と思う向きには特にお奨めする。
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成績評価の方法 及び基準 |
基本的に平常試験の得点のみに基づく評価。ただし年度毎の問題の難 易度のばらつきを考慮し、解答者の平均点が低すぎた場合に限り、適 切な範囲に収まるよう適当な単調増加関数を用いての得点調整を行う。 |
質問への対応 | 授業時間中は授業の妨げにならない範囲で随時質問を受け付ける。講 義終了後は適宜空き時間に質問を受け付けるので、研究室に直接、または電話・メール等で予約した上で研究室で質問を受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
渡辺亨 駿河台校舎3号館4階345室 内線741 toruw@mech.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 10:40 ~ 12:10 3号館4階345室
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学生への メッセージ |
「ロボット工学」は対象領域が広いので理解するのが大変です。ですが 個々の技術領域で見ると機械工学の諸分野と深い関係があり、ロボット 工学を学ぶことでそれらの知識を深めることもできると思います。4年 後期は履修にはちょっと辛い時期ですが、大変さに見合うやりがいのあ る内容です。 |