2015年 理工学部 シラバス - 機械工学科
設置情報
科目名 | 機械の材料 | ||
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設置学科 | 機械工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 星野 倫彦 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F52O |
クラス |
概要
学修到達目標 | 機械材料についてその本性の理解を主眼として材料の特性の由来を原子論的な立場から講述し、適材を適所に利用するための基礎知識と洞察力を養うことを目指す。「モノづくり」において材料は欠かせない要素であり、良い製品を生み出すために必要であるばかりでなく、この知識が欠如したために思わぬ問題を引き起こした事例は数え切れない。エンジニアの基礎として将来を見据えた履修意欲を持つようにする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義の形式を中心とする。各講義項目の中で実際に起きた問題事例を紹介し、洞察力の向上を図る時間も設ける。教科書の予習を必須として授業を進める。 |
履修条件 | 工作実習、機械工学実験Ⅰ、機械工作法を履修し、高校での指数関数・対数や製図で用いる材料記号を理解していること。1年次の「基礎化学」、2年次の「材料力学Ⅰ,Ⅱ」は基礎知識として必要。 |
授業計画
第1回 | 材料の果たす役割、エンジニアとして必要な基礎を概説し、ものづくりで材料がキーとなるトピックスを紹介する。 |
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第2回 | 材料の構造 応力とひずみ、原子間の結合力、結晶における原子のつまり方を再確認し、機械材料に関連する物性を理解する。この範囲の小テストを行う。 |
第3回 | 材料の強さと変形 弾性率の由来、塑性変形、破壊の仕組み、応力-ひずみ曲線、真応力、真ひずみを解説し、小テストを行う。 |
第4回 | 疲労破壊 疲労試験、急速破壊を解説し、疲労破壊に関する小テストを行う。 |
第5回 | 平衡状態図 状態図の読み方を説明し、鉄-セメンタイト系状態図、アルミニウム合金状態図を紹介する。状態図に関する小テストを行う。 |
第6回 | 拡散・高温変形 クリープ変形、クリープひずみ速度を講義し、高温で使用される材料の寿命計算を小テストする。 |
第7回 | 相変態と熱処理 焼入れ、焼戻し、金属組織を解説し、この分野の小テストを行う。 |
第8回 | 酸化と腐食 酸化速度、酸化の機構、湿食と電位、腐食速度を解説し、小テストを行う。 |
第9回 | 材料の製造 製鋼とアルミニウム精錬を解説し、製鉄所のプロセスを紹介する。 |
第10回 | 鉄鋼材料 炭素鋼、工具鋼、ステンレス鋼を紹介し、機械材料として広範囲に使われている事例を解説する。 |
第11回 | 非鉄金属(1) アルミニウム合金と銅合金の特性を講義し、利用事例を紹介する。 |
第12回 | 非鉄金属(2) ニッケル合金、チタン合金、マグネシウム合金を取り上げ、その特性と利用状況を解説する。 |
第13回 | 高分子とセラミックス 高分子材料やセラミックスの概説を行い、その特性を活かした利用事例を紹介する。 |
第14回 | 複合材料 複合則を理解し、様々な機能性材料の特徴を把握する。 |
第15回 | 平常試験及びその解説 |
その他
教科書 |
日本機械学会 『機械材料学』 JSMEテキストシリーズ 丸善 2008年 第初版
材料を使って設計する人が必要とする基礎知識を習得するのに適切な本であると思われる。
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参考書 |
M. Ashby, D. Jones著 ; 堀内良, 金子純一, 大塚正久訳 『材料工学入門』 内田老鶴圃 1999年 第増訂版
仁平宣弘・朝比奈奎一 『機械材料と加工技術 (機械加工者のためのマテリアル・ブックス)』 技術評論社 2003年 第初版
金子純一・須藤正俊・菅又 信 『基礎機械材料学』 朝倉書店 2004年 第初版
鈴村暁男・浅川基男 『基礎機械材料』 機械材料・材料加工学 教科書シリーズ:1 培風館 2005年 第初版
書店で自分が読みやすいと思ったものを選んでほしい。上記以外にも様々な書籍があるが、製品事例など最新のものが取り上げられているものが望ましい。
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成績評価の方法 及び基準 |
小テストを3割、平常試験7割で、60点以上を合格とする。 |
質問への対応 | メールでは随時返答し、授業後の質問も受付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台4号館5階459B室(hoshino@mech.cst.nihon-u.ac.jp) |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 16:40 ~ 19:00 星野研究室(459B室)
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学生への メッセージ |
設計において材料の選定は情報と判断力が問われる時であり、適切な材料を使って製品を生み出した喜びを想像してほしい。 |