2015年 理工学部 シラバス - 機械工学科
設置情報
科目名 | 線形システム制御 | ||
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設置学科 | 機械工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 渡辺 亨 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F52P |
クラス |
概要
学修到達目標 | いわゆる「現代制御」の基礎となる線形システム論の基礎(行列論、安定論、時 間応答)と、これを用いた状態空間モデルによるシステム制御の基礎(可制御性 ・可観測性、極配置法)などについて学習する。それらの学習を通じ,現代制御 の基礎を理解することが本科目の目標である. |
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授業形態及び 授業方法 |
板書を中心とする講義による。必要に応じ適宜演習やレポート課題などを行う。 |
履修条件 | 線形代数学を履修していることを前提とする。また、必須ではないがダイナミッ クシステム、フィードバック制御の基礎,エンジニアリングアナリシスⅠなどを 既習、あるいは平行して履修していると、より理解が深まる。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス 講義の進め方、「制御工学」の概況、「古典制御」と「現代制御」の違い |
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第2回 | 動的システムと状態方程式(1) 線形動的システムの定義、各種工学モデルの微分方程式表現 |
第3回 | 動的システムと状態方程式(2) 状態方程式とは何か,各種工学モデルの状態方程式表現 |
第4回 | 動的システムと状態方程式(3) 各種工学モデルの状態方程式表現(続)、状態方程式のブロック線図 |
第5回 | 行列論(1) 行列の演算、行列式、逆行列、行列のランク |
第6回 | 行列論(2) 固有値・固有ベクトルの定義とその算出方法 |
第7回 | 行列論(3) 行列関数、ノルムの定義とその算出方法 |
第8回 | 線形システム論(1) 線形時不変システムの状態推移行列の定義とその算出方法 |
第9回 | 線形システム論(2) 「たたみ込み」と線形時不変システムの時間応答、安定性と固有値の関係 |
第10回 | 線形システム論(3) 線形時不変システムの可制御性・可観測性 |
第11回 | フィードバック制御器設計(1) 極配置法による制御器設計(SISO系の状態フィードバック) |
第12回 | フィードバック制御器設計(2) 最適制御理論による制御器設計の概要(MIMO系の状態フィードバック) |
第13回 | 問題演習 前年度に実施された平常試験問題の解説 |
第14回 | 平常試験 |
第15回 | 平常試験の解説 |
その他
教科書 |
森泰親 『制御工学』 コロナ社 2001年 第1版
線形システム制御論の好著。内容的には本書第1章から第9章が講義内
容に相当する。第10~12章はより発展的な最適制御に関する内容で
本講義では教授しないが重要な内容である.これから現代制御を学んで
いこうという人には強く薦められる。
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参考書 |
古田勝久、川路茂保、美多勉、原辰次 『メカニカルシステム制御』 オーム社 1984年 第1版
理論と応用のバランスの取れた良書。表題の通り機械システムの制
御に焦点をあてて記述されているので、機械系の学習者には好適。
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成績評価の方法 及び基準 |
基本的に平常試験の得点のみに基づく評価。ただし年度毎の問題の 難易度のばらつきを考慮し、解答者の平均点が低すぎた場合に限り 適切な範囲に収まるように適当な単調増加関数を用いての得点調整 を行う。 |
質問への対応 | 講義に差し支えない範囲での講義中の質問、講義終了後の質問など 随時受け付けます。また講義以外の時間での質問も歓迎します。研 究室への直接訪問やメールでの質問も受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
渡辺亨 駿河台校舎3号館4階345室 内線741 E-mail:toruw@mech.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 10:40 ~ 12:10 3号館4階345室
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学生への メッセージ |
「フィードバック制御の基礎」で学ぶ「古典制御」と合わせ、「現代 制御」は制御工学における最も基本的な制御理論です。最新の制御理 論は皆両者を基礎として成立しておりますので、制御に関心のある人 は履修することを薦めます。また、ロボット工学では行列を多用する ので、後期に履修するつもりの諸君には特にお勧めです。 |