2015年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 | 宇宙機設計 | ||
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設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 4年 |
担当者 | 山﨑 政彦 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H11M |
クラス |
概要
学修到達目標 | ・数kg級超小型衛星の概念設計から計画・解析・設計・製作・試験・打ち上げ・運用に至る一連の流れを理解すること ・超小型衛星の軌道解析・回線解析・電力解析・熱解析・振動解析・姿勢解析を体験することで,概念設計の感覚を養うこと |
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授業形態及び 授業方法 |
教科書に沿って,衛星開発の実例を交えた講義を行う.ただし,教科書には具体的な解析手法は記述していないので,講義ではそういった理論面を補足や実習による体験を行う. |
履修条件 | 工業力学Ⅰ・Ⅱ,材料力学Ⅰ・Ⅱ,熱力学Ⅰ・Ⅱ,伝熱工学,制御工学Ⅰを理解しているという前提で講義を進める. |
授業計画
第1回 | タイトル:「超小型衛星とは?」 準備学習:教科書の1章を読み,人工衛星ならびに超小型人工衛星がどのようなものであるかを確認しておく. 授業内容:超小型衛星の定義,超小型衛星で可能なミッション,超小型衛星工学の現状と今後について,最新の情報を含めて理解する. |
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第2回 | タイトル:「超小型衛星開発の概要と開発をするための準備」 準備学習:教科書の2章,3章を読み,超小型衛星のシステムの概要を確認しておくとともに,web検索等により,打ち上げられた,あるいは開発中の超小型衛星のシステム構成,開発に必要な装置について調べておく.また,教科書の4.1,4.2節を読み,衛星開発の流れについて確認しておく.特に,ここに書かれている専門用語の意味を調べておく. 授業内容:超小型衛星のシステム構成,開発する際の注意点,開発の流れ,スケジュール管理の考え方,開発に必要な装置や打ち上げに関連した法律について理解する.また,衛星開発に当たって,あらかじめ何を考えておくべきか解説するとともに,衛星システム全体を開発する流れについて,実例を含めて理解する. |
第3回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(電力)」 準備学習:教科書の4.6節を読み,数kg級超小型衛星の電源系設計の基礎について確認しておく.また,バッテリや太陽電池の特性についても確認しておく.超小型衛星の電源系について,web検索等により調べておく. 授業内容:超小型衛星の電源系の構成について,実例も含めて理解する. |
第4回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(コマンド&データ処理系)」 準備学習:Webページなどで予め,衛星コマンド&データ処理系の概要について確認しておく. 授業内容:実機を実例にして衛星のコマンド&データ処理系の役割・機能について解説し,電子機器同士の通信やアナログデジタル変換に関して理解する. |
第5回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(システムの組立・統合:その1)」 授業内容:実際に,衛星の地上実験モデルを用いて電源系のシステムの組立・統合を行う. |
第6回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(通信)」 準備学習:教科書の4.4節を読み,衛星通信の概要について確認しておく. 授業内容:衛星の運用について解説し,軌道計算プログラムを用いた可視時間の求め方について理解する.そして,回線解析の手順を確認する.また,超小型衛星用のアンテナや通信機の開発について実例を含めて理解する. |
第7回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(システムの組立・統合:その2)」 授業内容:実際に,衛星の地上実験モデルを用いて通信・データ処理系のシステムの組立・統合を行う. |
第8回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(軌道)」 準備学習:教科書の4.3節を読み,軌道要素について確認しておく. 授業内容:軌道要素について復習するとともに,衛星の軌道運動について理解する.特に,実際に衛星を運用する際の手順(NORADのTLEを利用したSGP4による軌道予測など)について理解する. |
第9回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(姿勢決定)」 準備学習:教科書の4.5節を読み,数kg級超小型衛星の姿勢決定の概要について確認しておく. 授業内容:数kg級超小型衛星の姿勢決定方法について理解する.また,姿勢決定センサや姿勢制御アクチュエータの開発について,軌道上での実測値等,実例を含めて理解する. |
第10回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(姿勢制御)」 準備学習:教科書の4.5節を読み,数kg級超小型衛星の姿勢制御の概要について確認しておく.磁気トルカを用いた姿勢制御方法についてwebを検索するなどして調べておく. 授業内容:数kg級超小型衛星の姿勢制御の考え方やを理解するとともに,実際に用いられている制御則について理解する. |
第11回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(システムの組立・統合:その3)」 授業内容:実際に,衛星の地上実験モデルを用いてミッション系のシステムの組立・統合を行う. |
第12回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(熱設計)」 準備学習:教科書の4.7節を読み,数kg級超小型衛星の熱設計の基礎について確認しておく.また,伝熱工学の内容を復習しておく. 授業内容:数kg級超小型衛星の熱設計の考え方について,軌道上の実測値など実例も含めて理解する.また計算による軌道上での温度予測方法について確認する. |
第13回 | タイトル:「超小型衛星の設計・開発の基礎(構造設計)」 準備学習:教科書の4.8節を読み,数kg級超小型衛星の構造設計の基礎について確認しておく.また,振動工学Ⅰの内容を復習しておく. 授業内容:数kg級超小型衛星の構造系の開発で重要となる耐打ち上げ環境試験(振動試験・衝撃試験)について理解するとともに,打ち上げ環境を考慮に入れた構造設計のポイントについて確認する. |
第14回 | タイトル:「超小型衛星の打ち上げまで」 準備学習:教科書の4.9,4.10節を読み,衛星がさらされる宇宙環境について確認しておくとともに,教科書の5章を読み,衛星を製作した後の試験内容やそれを踏まえた設計変更等の流れについて確認しておく. 授業内容:衛星を製作した後の環境試験や長期運用試験について,実例を含めて確認する.特に,長期運用試験の考え方や試験の重要性について理解する. |
第15回 | タイトル:まとめ 準備学習:これまでの授業内容を復習しておく. 授業内容:大学における超小型衛星開発の意義や課題について議論する. |
その他
教科書 |
宮崎康行 『 人工衛星をつくる -設計から打ち上げまで- 』 オーム社 2011年
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参考書 |
小林繁雄 『宇宙工学概論』 丸善 2001年
大学宇宙工学コンソーシアム 『CanSat-超小型模擬人工衛星-』 オーム社 2014年
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成績評価の方法 及び基準 |
軌道解析・回線解析・電力解析・熱解析・振動解析・姿勢解析・超小型衛星開発に関する レポートを通じて,超小型衛星の概念設計方法の理解を評価する. |
質問への対応 | 研究室に質問に来てください. |
研究室又は 連絡先 |
323室 yamazaki.masahiko@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 船橋 17:00 ~ 19:00
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学生への メッセージ |