2015年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 |
振動工学
線形振動の基礎
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設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 宮﨑 康行 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H21L |
クラス |
概要
学修到達目標 | 運動としての振動とその数学的な取扱い方を学ぶ.特に,①一自由度系および二自由度系の線形振動の理論,②振動の評価法を,宇宙機の振動試験結果を評価できるレベルまで理解することを目標とする. |
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授業形態及び 授業方法 |
15回の講義と期末試験.適宜,課題を出す. |
履修条件 | 「力と運動の物理学Ⅰ,Ⅱ」,「工業力学Ⅰ」,「材料力学Ⅰ」,「工業数学Ⅲ」の5科目を修得していることを前提に講義を行う. |
授業計画
第1回 | 「この講義全体の内容の解説と一自由度線形振動の復習」 バネ・マス・ダッシュポット系の運動についての復習する. |
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第2回 | 「一自由度線形振動の復習(その2)」 前回に引き続き,バネ・マス・ダッシュポット系の運動について復習する.特に,自由振動の計測データから固有振動数や減衰率を推定する方法について学ぶ. |
第3回 | 「一自由度線形振動方程式の状態方程式表現」 バネ・マス・ダッシュポット系の運動を状態方程式の形式で表現し,状態遷移関係を導く.そして,状態遷移行列の固有値と運動の安定性との関係や,任意の時系列外力が作用する場合の解を導く. |
第4回 | 「運動/振動の捉え方」 位相平面上でのバネ・マス・ダッシュポット系の運動の軌跡について調べる.また,位相平面による運動の評価の例題として,非線形振動のPoincareマップや,制御への応用などについて紹介する. |
第5回 | 「振動の例」 平衡点まわりの微小運動や,衛星の姿勢安定性,宇宙機の重力傾度振動,エンジンの振動,弾性体の振動,回転機械の振動などなど,航空宇宙関連で現れる振動/減衰/発散現象のいくつかを紹介する. |
第6回 | 「強制振動と共振」 バネ・マス・ダッシュポット系を強制振動させた場合の系の運動について調べ,共振現象について理解する.また,周波数応答,ボード線図,Q値といった,運動や振動現象の評価によく用いられるものの基礎を理解する. |
第7回 | 「二自由度系の振動(1)」 二自由度のバネ・マス・ダッシュポット系の運動方程式およびその解を導く |
第8回 | 「二自由度系の振動(2)」 二自由度のバネ・マス・ダッシュポット系を例に,モード解析の基礎を学ぶ. |
第9回 | 「二自由度系の振動(3)」 二自由度のバネ・マス・ダッシュポット系の周波数応答について調べる. |
第10回 | 「二自由度系の振動(4)」 二自由度のバネ・マス・ダッシュポット系を例に,振動伝達率や振動絶縁といった,振動低減設計に必要となる知識の基礎を学ぶ. |
第11回 | 「多自由度系のモード解析序論」 二自由度系の発展として,多自由度系のモード解析の基礎理論について学ぶ. |
第12回 | 「振動系の評価(1)」 振動の計測データの評価法の基礎となる,フーリエ解析について復習する. |
第13回 | 「振動系の評価(2)」 振動系の評価指標の一つであるパワースペクトル密度について学ぶ. |
第14回 | 「振動系の評価(3)」 振動現象が関連する設計・開発の例として,宇宙機の振動試験について学ぶ. |
第15回 | 「理解度の確認」 これまでの授業のまとめをおこなう. |
その他
教科書 | |
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参考書 |
Leonard Meirovitch (訳:砂川惠) 『振動解析の理論と応用(上)』 ブレイン図書出版
小松敬治 『機械構造振動学』 森北出版
近藤 恭平 『工学基礎 振動論』 培風館
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成績評価の方法 及び基準 |
①一自由度系および二自由度系の線形振動の理論,②振動の評価法を理解しているかどうかを,課題(40%)と期末試験(60%)で評価する. |
質問への対応 | 随時,研究室にて,またはメールで質問してください. |
研究室又は 連絡先 |
323室(miyazaki.yasuyuki@nihon-u.ac.jp) |
オフィスアワー |
月曜 船橋 17:00 ~ 19:00 323室
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学生への メッセージ |
振動工学は様々な分野で必要となる学問であり,特に,航空機や宇宙機の設計には必須の学問ですので,是非,履修して,しっかり理解してください. |