2015年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 |
熱力学Ⅱ
ノズル内の流れと相変化を伴う場合の熱力学
|
||
---|---|---|---|
設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 高橋・中根 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H31F |
クラス |
概要
学修到達目標 | 熱力学Ⅰで学習したことをさらに進め,噴流推進機関の基礎となる気体の流動および相変化 を伴う実在流体に関する熱力学を扱う.気体の流動の熱力学では,1次元等エントロピ流れとして流れの性質とノズル内流れを扱う.実在流体の熱力学では,まず蒸気の性質について理解し,その応用分野(パワープラント,冷凍工学)へ適用できるようにする.また,実際に使用できるエネルギの論議から,エクセルギと自由エネルギを導入する.さらに,実在の空気(乾燥空気と水蒸気の混合物)の取扱い方とその応用としての空気調和について理解する. |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
板書を中心とした講義形式で行う.演習を適宜実施する. |
履修条件 | 選択必修科目. |
授業計画
第1回 | 授業の目標と熱力学Ⅰで学習した事項の復習 気体の流動(1) 流れの基礎式,気体流れの性質 |
---|---|
第2回 | 気体の流動(2) 気体流れの性質,ノズル内の流れ |
第3回 | 気体の流動(3) ノズル内の流れ(続き) |
第4回 | 蒸気(1) 相変化,乾き度,飽和蒸気蒸,過熱蒸気 |
第5回 | 蒸気(2) 蒸気表と蒸気線図,状態変化 |
第6回 | 蒸気(3) 蒸気の状態変化(続き),パワープラント,ランキンサイクルとその熱効率・蒸気消費率・熱消費率,タービンの断熱効率 |
第7回 | 蒸気(4) 再生サイクルと再熱サイクル |
第8回 | 蒸気(5) 冷凍機とヒートポンプ,成績係数,冷媒の蒸気線図,冷凍サイクル,冷凍効果 |
第9回 | 湿り空気 湿度,湿り空気の性質の解説とその理論的導出 湿り空気線図とその利用法,空気調和 |
第10回 | エネルギの有効利用とエクセルギ・自由エネルギ(1) エクセルギとアネルギの導入,エクセルギの具体例 |
第11回 | エネルギの有効利用とエクセルギ・自由エネルギ(2) 閉鎖系と開放系のエクセルギ,理論熱効率とエクセルギ効率 |
第12回 | エネルギの有効利用とエクセルギ・自由エネルギ(3) ヘルムホルツエネルギとギブスエネルギ,系の安定状態と熱力学ポテンシャル |
第13回 | 熱力学の一般関係式(1) ギブスの相律とデュエムの定理,2変数関数の理論の復習,熱力学ポテンシャル間のルジャンドル変換 |
第14回 | 熱力学の一般関係式(2) ギブス・ヘルムホルツの式,マクスウェルの関係式,実在気体の比熱の体積・圧力依存性,マイヤーの関係式,実在気体における内部エネルギ・エンタルピの温度関数化 |
第15回 | 熱力学の一般関係式(3) 自由膨張・等エンタルピ膨張とジュール・トムソン効果,相平衡とクラペイロン-クラウジウスの式 |
その他
教科書 |
斎間 厚,江良 嘉信,増田 哲三,庄司 秀夫 『基礎熱力学』 産業図書
『熱力学問題集』 熱力学Ⅰの授業時に配付
「基礎熱力学」は「熱力学Ⅰ」で使用した教科書であり,具体的な工業装置と関連づけながら,機械系の工業熱力学を学べるようにした本である.
なお、授業の後半部(エクセルギ以降)ではCSTポータルを用いて教科書代わりの資料を公開する。
|
---|---|
参考書 |
谷下 市松 『大学演習 工業熱力学(3訂版)』 裳華房 1980年 第32版
谷下 市松 『工業熱力学 基礎編 (SIによる全訂版)』 裳華房 1984年 第30版
河野通方 他監修 『工業熱力学 基礎編』 東京大学出版会 2004年 第1版
「大学演習 工業熱力学」は古い本ではあるが,機械系の熱力学の要点と演習問題の詳しい解説からなる本である.「工業熱力学(基礎編)」は教科書や上記演習書よりも,各項目について詳しく説明されている.東京大学出版会の「工業熱力学 基礎編」は第7章「気体の流動」でノズル流れについて平易に著してある.JSMEテキストシリーズの2冊は,機械系熱力学の演習書として信頼のおけるものである.
|
成績評価の方法 及び基準 |
定期試験を90%,課題を10%程度として評価する. |
質問への対応 | 随時 |
研究室又は 連絡先 |
空気力学研究センター(風洞実験室)2階 (高橋) 3号館 3階 321室 (中根) |
オフィスアワー |
火曜 船橋 16:40 ~ 18:00 高橋
水曜 船橋 16:40 ~ 18:00 中根、設計製図の授業が終わり次第
|
学生への メッセージ |
扱う内容が多いので,必ず予習と復習をし,問題を自ら解いてもらいたい. |