2015年 理工学部 シラバス - 電気工学科
設置情報
科目名 | 電磁波工学 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 電気工学科 | 学年 | 3年 2年 |
担当者 | 山崎(恒)・大貫 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | I13T I13U |
クラス | A・B |
概要
学修到達目標 | 本科目では,電磁波の基礎で修得したMaxwellの方程式を基礎として,空洞共振器,マイクロ波回路,光ファイバ,アンテナ,散乱と回折などを理論的に解析し,電波応用技術を習得する。また複雑な系の問題に対して,理論的アプローチから工学的な応用を考察できるようにする。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
電磁波の高度な知識を学び新しい知識を創造するには,現象やデバイスの網羅的で概念的な説明では不十分である。本科目では,Maxwellの方程式を前提とした公理論的な方法により系統的に学習し,講義と演習,課題を通して理解を高める。 |
履修条件 | 「電磁波の基礎」を習得していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 講義の概要説明:「電磁波の基礎」を復習しながら,これから学ぶ電磁波工学の内容について説明する。 |
---|---|
第2回 | 空洞共振器(1次元の空洞共振器):1次元の空洞共振器を解析する。併せて固有値と固有関数について学ぶ。 |
第3回 | 空洞共振器(3次元の空洞共振器):3次元の空洞共振器を解析し,空洞共振器の固有値は共振周波数となることを説明する。また空洞共振器が微少変化した時の共振周波数について説明する。 |
第4回 | 伝送波の基本式:導波管や光ファイバなど伝送波の解析に便利な式を導出し,伝送波の分類(TEM波,TE波,TM波,混合波)について説明する。 |
第5回 | 方形導波管(TM波):方形導波管内をTM波が伝搬するときの電磁界を解析し,管内波長,遮断波長,遮断周波数について説明する。また伝送形態(モード)による導波管内の電磁界分布について学ぶ。 |
第6回 | 方形導波管(TE波):方形導波管内をTE波が伝搬するときの電磁界を解析し,管内波長,遮断波長,遮断周波数について説明する。また伝送形態(モード)による導波管内の電磁界分布について学ぶ。 |
第7回 | 円筒座標系とBessel関数:円形導波管内を伝搬するときの波動方程式を導き,この解がBesselの微分方程式から得られることを示す。また円柱関数(Bessel関数, Neumann関数, Hankel関数)について学ぶ。 |
第8回 | 円形導波管(TM波およびTE波):円形導波管内をTM波およびTE波が伝搬するときの電磁界を解析し,管内波長,遮断波長, 遮断周波数について説明する。また伝送形態(モード)による導波管内の電磁界分布について学ぶ。 |
第9回 | 誘電体シート(TM波):開放系の伝送路として,金属基盤を持つ誘電体シートをTM波が伝搬するときの特性方程式を境界条件より導出する。表面波,漏洩波,単一モード伝搬条件について説明する。 |
第10回 | 誘電体シート(TE波):開放系の伝送路として,金属基盤を持つ誘電体シートをTE波が伝搬するときの特性方程式を境界条件より導出する。表面波,漏洩波,単一モード伝搬条件について説明する。 |
第11回 | 誘電体円筒(光ファイバ):光ファイバの原理と構造について説明する。光ファイバの伝搬特性を求めるには,伝送波として混合波を用いなれればならないことを説明し,境界条件より特性方程式を導出する。 |
第12回 | 放射界:電荷が運動すると電荷の回りの電磁界が変動し,この変動が電磁波として伝わる。ここでは放射波の解析に便利な式を示す。 |
第13回 | ダイポールアンテナ:ダイポールアンテナについて復習し,線形アンテナの放射界を求め,指向性,利得関数について説明する。 |
第14回 | 線形アンテナ:複数の線形アンテナで構成されたアレーアンテナについて,放射界,指向特性,利得関数について説する。またレーダ方程式についても学ぶ。 |
第15回 | 講義した項目について総まとめを行う。 |
その他
教科書 |
細野 敏夫 著 『電磁波工学の基礎』 森北出版 2015年 第POD版
|
---|---|
参考書 |
本郷 廣平 著 『電磁波の基礎』 実教出版 1983年 第6版
主要な箇所は随時プリントで配布する。
|
成績評価の方法 及び基準 |
定期試験80% 演習・宿題 20% |
質問への対応 | 随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
お茶の水校舎6階C602号室(大貫),C604号室(山崎) |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 15:00 ~ 16:00 833A実験室
|
学生への メッセージ |
授業中に行う演習や与えられた宿題は,自分自身の力で解けるように復習すること。 |