2015年 理工学部 シラバス - 電気工学科
設置情報
科目名 | 放電プラズマ応用 | ||
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設置学科 | 電気工学科 | 学年 | 4年 |
担当者 | 鈴木 薫 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | I52R |
クラス | A・B |
概要
学修到達目標 | 絶縁物における電気伝導や衝突現象と金属からの電子放出といった、放電現象の前駆課程をまず理解する。次に火花放電・コロナ放電・グロー放電・アーク放電の機構について理解する。これによって発生したプラズマの特徴的な現象と応用について理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
板書を中心とした講義形式で行う。 |
履修条件 | なし。物性科学や電気材料の知識があれば授業の理解は早い。 |
授業計画
第1回 | 放電プラズマ応用の概略と体系的な特徴を歴史的な経緯や理論的な考え方などについてまとめ、放電プラズマの基礎と応用に関する導入として講義する。 |
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第2回 | 電気伝導(暗流): 放電現象はある電圧(電界)を境にして突然多量の荷電粒子(キャリヤ)が発生する現象であると考えることができ、このキャリヤの発生と消滅の平衡について講義する。 |
第3回 | 衝突現象: キャリヤの粒子同志が衝突したとき、どの様な結果を生じるかは衝突粒子の組合せ・衝突時のエネルギー等で異なるが、衝突現象の定義・電離・量的取扱として励再結合・拡散などについて講義する。 |
第4回 | 金属からの電子放出: 熱電子放出・光電子放出・電界放出・二次電子放出などの機構について講義する。 |
第5回 | 火花放電(タウンゼント理論とパッシェン則): 電極間に印加する電圧を零から徐々に上昇させていったとき、暗流領域では電流が電圧に対して増加特性となるが、ある電圧以上では減少特性となる様な過渡状態を火花放電という。タウンゼント理論と実験的に見いだされたパッシェンの法則について講義する。 |
第6回 | 火花放電(ストリーマ理論): 高気圧・長い間隙長における火花放電現象で、電子雪崩の分布や空間電荷電界の増強を加味し、副次的な電子雪崩が発生し放電路が進展すると考えたストリーマ理論について講義する。 |
第7回 | コロナ放電:不平等電界を形成する電極の組合せに電圧を印加した場合、電界の集中部分に発生するコロナ放電について、持続条件や種類について講義する。 |
第8回 | グロー放電: 火花放電は一種の過渡現象であり、普通の回路条件のもとでは不安定でわずかな電圧変動であっても電流は急変し、直ちに安定な放電状態が継続するグロー放電へ移行する。グロー放電の形式や構造用語について説明する。 |
第9回 | グロー放電の陽光柱と陰極降下の理論: 陽光柱と陰極降下層の理論について講義する。 |
第10回 | アーク放電: グロー放電状態からさらに電源電圧を上昇させると急激に電極間電圧が降下し、電流密度の非常に大きい放電形式であるアーク放電に変わる。この特徴と性質・構造などについて講義する。 |
第11回 | プラズマ: プラズマは「正・負荷電粒子がほぼ等量混在し、少なくともどちらか一方の荷電粒子は空間内を自由に運動できる状態にある」と定義される。電気的中性の維持・デバイ長・プラズマ振動・導電率などについて講義する。 |
第12回 | 火花放電・コロナ放電の応用: 火花放電とコロナ放電の応用例として帯電粒子の吸引や放電成形などについて講義する。 |
第13回 | グロープラズマの応用: グロー放電の応用例としてプラズマCVDによる半導体・酸化物の成膜や、薄膜の表面改質などについて講義する。 |
第14回 | アークプラズマの応用: アーク放電の応用例として放電加工やプラズマジェットなどについて講義する。 |
第15回 | 放電プラズマ応用の体系的な特徴や理論的な考え方および基礎と応用に関する演習や平常試験など を行い、講義の総括を行う。 |
その他
教科書 |
升谷 孝也、中田 順治 『高電圧工学』 コロナ社 1980年 第初版
入門書として適した本です。教科書のみで不足する部分はインターネットに「講義の資料」を掲示する。
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参考書 |
電気学会 『放電ハンドブック』 オーム社 1998年 第初版
高電圧や放電工学の参考書として最適です。
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成績評価の方法 及び基準 |
試験(70%)、課題・演習(30%) |
質問への対応 | 授業中も可能、講義の後は電子メール |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎8号館811号室, TEL : 03-3259-0770 E-mail : suzuki.kaoru@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 16:40 ~ 18:10
水曜 駿河台 16:40 ~ 18:10
金曜 駿河台 18:20 ~ 19:50
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学生への メッセージ |
板書を書き写し記憶するだけでなく、応用を含めた理解に努めて下さい。 |