2015年 理工学部 シラバス - 電気工学科
設置情報
科目名 | 物性の基礎 | ||
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設置学科 | 電気工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 松田 健一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | I53B |
クラス | A・B |
概要
学修到達目標 | 私たちの日常は、様々な物質・材料に囲まれています。これらの物質の様々な特性のことを「物性」といい、物性の基礎を理解することを目標とします。具体的には、物質の「電気的特性」「熱特性」「光特性」「磁気特性」等について理解し、電気電子材料工学の基盤となる力をつけることを目指します。 |
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授業形態及び 授業方法 |
板書を中心とした講義形式で行います。 |
履修条件 | なし。物理学Iや電磁気の基礎、初等的な数学の知識があることが望ましい。高校の物理学の授業を受けているほうが理解はしやすい. |
授業計画
第1回 | 物性の基礎における概略と体系的な特徴を歴史的な経緯や理論的な考え方などについてまとめ、物性の基礎と応用に関する導入として講義する。 |
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第2回 | 長い宇宙の歴史を概観し、その中での「物質の起源」について概略を解説する。その後、エネルギーと光の関係について講義する。 |
第3回 | 物性を決める大きな要素である電子について、歴史的にどのような経緯で発見されたのか外観する。その過程で明らかになってきた電子の特徴について講義する。 |
第4回 | 物質を構成する原子の構造について講義する。電子が古典的な周回軌道を回るモデルから考察をはじめ、実験事実との対比における矛盾点などを整理する。 |
第5回 | 物質波とドブロイの関係式について解説し、電子が波動的な性質を示すことを理解する。その後、ボーアの原子模型について講義し、電子の軌道の概念と原子からの発光スペクトルの関係を理解する。 |
第6回 | 原子と原子を結びつける結合力の期限とその種類について解説する。また、原子の規則的配列からなる「結晶」の構造について講義する。 |
第7回 | 結晶構造を理解するうえで必要な「格子点」や「ブラベー格子」などの概念について講義する。 |
第8回 | 具体的な結晶構造の例を紹介し、代表的な物質を取り上げて、その性質との関連を講義する。 |
第9回 | 結晶の中を伝播する格子振動=フォノンについて講義する。特に、簡単な力学的モデルによる解析を示し、「分散関係」や「ブリルアンゾーン」の概念について講義する。 |
第10回 | 「金属」について講義する。金属とは何か、金属の持つ性質を整理し、それらの特性が原子や結晶構造との関連でどのように理解できるか説明する。「光電効果」についても講義する。 |
第11回 | 金属の電気伝導特性について講義する。特に、「緩和時間近似」について解説する。その中で「有効質量」などの概念についても説明する。 |
第12回 | 物質の波動的な性質と、結晶格子の周期構造に基づいて、物質中の電子の「エネルギーバンド」の形成について講義する。 |
第13回 | 電子の「エネルギーバンド」に基づき、半導体や絶縁体の性質の起源について講義する。それらの物質の光学的な特性についても講義する。 |
第14回 | 物質の「磁気的な性質」や「超伝導現象」についての概論について解説する。多数の電子が織り成す巨視的な現象の多様性を紹介する。 |
第15回 | 平常試験と授業全体のまとめを行う。 |
その他
教科書 |
教科書は用いない。
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参考書 |
伊達宗行 『新しい物性物理―物質の起源からナノ・極限物性まで』 ブルーバックス 講談社
近角聡信 『物性科学入門』 裳華房
下村武 『電子物性の基礎とその応用』 コロナ社
「電子物性の基礎とその応用」は、材料応用の観点で豊富な記述がなされている。「新しい物性物理」は、比較的に新しい話題を含んでわかりやすく解説されている。「物性科学入門」は、入門者向けの比較的にわかりやすい教科書。
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成績評価の方法 及び基準 |
平常試験(60%)、課題・レポート(40%) |
質問への対応 | 授業中も可。CSTポータルを通じた質問や電子メールによる質問も可。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎4号館429A室。 TEL:03-3259-0772 email: matsuda.kenichi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 10:40 ~ 12:10
木曜 駿河台 16:40 ~ 18:10
土曜 駿河台 10:40 ~ 12:10
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学生への メッセージ |