2015年 理工学部 シラバス - 電子工学科
設置情報
科目名 | 電子化学基礎実験 | ||
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設置学科 | 電子工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 三五・村上 他 | 履修期 | 年間 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3・4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J53B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 様々な化学現象を通して、観察力を養うと共に、物質の変化や性質を原子、分子、イオン(ひいては電子状態)のミクロレベルで捉えられる思考力を涵養する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
毎回、実験の内容および操作を説明した後、1人または2人1組にて行う。 |
履修条件 | 年間隔週にて行う。 |
授業計画
第1回 | 履修内容の説明 実験内容の説明と諸注意 1)水溶液中に含まれる陽イオンの検出、2)香り成分(カルボン酸エステル)の合成 2テーマ |
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第2回 | 1)水溶液中に含まれる陽イオンの検出 試料溶液中に、どのような陽イオンが存在するかを確認する実験を陽イオンの定性分析という。多くの陽イオンを定性分析の体系にしたがって系統的に分離・処理し、検出・確認する方法である。 |
第3回 | 2)香り成分(カルボン酸エステル)の合成 酸の-OHを-OR(R:アルキル基)で置換した化合物はエステルと呼ばれ、自然界には、果実の香り成分、細胞組織、エネルギー物質などとして広く分布している。また、それぞれの用途に応じた合成品は、有機溶媒、加工食品中の油脂、香料成分、爆薬、高分子の可塑剤、帯電防止剤他、幅広く利用されており、この反応は重要な化学反応の一つである。ここでは、グリーンケミストリー的な観点から硫酸水素カリウムを触媒として、有機酸であるカルボン酸(R-COOH)とアルコール(R'-OH)から脱水縮合しカルボン酸エステル(R-COOR')を合成する。さらに、薄相クロマトグラフィー(TLC)を用いて香気性を示すエステル化合物を確認・同定する手法も取得する。 |
第4回 | 実験内容の説明と諸注意 3)有機化合物の抽出 ~ 5)反応速度の測定 3テーマ |
第5回 | 3)有機化合物の抽出 抽出、分離の目的は特定成分をいかに高収率に分離し、かつ高純度に精製することである。ここでは、カフェインを紅茶から高収率、かつ迅速に簡単な操作により分離精製する実験を行う。 |
第6回 | 4)容量分析(中和滴定) 試料中の成分の量を知るために、これと反応する濃度既知の溶液(標準溶液という)を用いてその量的関係から成分量を求める方法である。ここでは中和反応を利用して、以下の2種類の溶液を定量する。 a)水酸化ナトリウムの定量 b)水酸化ナトリウムおよび炭酸ナトリウム混合溶液の定量 |
第7回 | 5)反応速度の測定 反応速度と反応機構との間には密接な関係がある。ここでは、ヨウ素酸カリウム水溶液と亜硫酸水素ナトリウム水溶液との反応を行う。コンピュータを利用して反応速度と濃度との関係について解析し、反応機構を理解する。 |
第8回 | 実験内容の説明と諸注意 6)凝固点降下の測定 ~ 8)高分子の合成(付加重合と縮合重合) 3テーマ |
第9回 | 6)凝固点降下の測定 溶液の凝固点が溶媒の凝固点よりも低くなる現象を凝固点降下という。ここでは尿素水溶液(非電解質)と塩化ナトリウム水溶液(電解質)の凝固点を測定し、溶媒(水)の凝固点からそれぞれの凝固点降下度を求める。 |
第10回 | 7)金属の腐食とイオン化傾向 金属の化学的性質とイオン化傾向との間には密接な関係があり、材料学的な立場から見れば、イオン化傾向の小さな金属ほど腐食されにくい。この現象を鉄、銅、鉛、ニッケル、アルミニウムについて実際に実験し、観察する。 |
第11回 | 8)高分子の合成(付加重合と縮合重合) 有機材料として高分子化合物(プラスチック)は種類により様々の特徴を持ち、多方面に利用され我々の生活に深く関わっている。ここでは付加重合としてアクリルアミドの重合、さらに縮合重合としてナイロンの合成を行うことにより、それらの物性を観察する。 |
第12回 | 実験内容の説明と諸注意 9)無電解(化学)メッキ ~ 11)水の電気分解 3テーマ |
第13回 | 9)無電解(化学)メッキ 従来からメッキは、導電性基板上に析出させる方法が行われていた。ここではプラスチック、セラミックおよびガラスなどの不良導体基板上に化学的処理を施し、いわゆる無電解(化学)メッキ法を実際に試みる。 |
第14回 | 10)化学電池の作成(電池の原理) 電池(cell)とは、化学反応で放出される自由エネルギーを直接に電気エネルギーに変換する装置である。基本的な化学電池を作成し,その基本原理を理解する。 |
第15回 | 11)水の電気分解 我々はエネルギーの約半分を、石油を始めとする化石燃料に依存しているが、環境への負荷を考慮すると、エネルギー源としては石油からの脱却が急務である。この点、水素は環境への負荷が極めて小さく、熱エネルギーとしてだけでなく、燃料電池への利用も可能であり、理想的なエネルギー源である。ここでは、電気分解において水から水素を取り出す方法(すなわち水素の製造法)について体験すると共に、この実験を通して酸化還元反応とファラデーの法則を理解する。 |
第16回 | 以上、各実験はそれぞれの内容によって819、826、829の各実験室にて実施する。 |
第17回 | |
第18回 | |
第19回 | |
第20回 | |
第21回 | |
第22回 | |
第23回 | |
第24回 | |
第25回 | |
第26回 | |
第27回 | |
第28回 | |
第29回 | |
第30回 |
その他
教科書 |
実験テキストは4月第1週ガイダンス時に無償配布する。
安全メガネは貸与する。
白衣は各自で準備して下さい。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
実習(60%)およびレポート(40%)により評価する。 |
質問への対応 | 授業中および授業終了後 |
研究室又は 連絡先 |
前期:村上(821)・三五(822)・大宅(814),後期:大宅(814)・小泉(824)・伊藤(811). 連絡先:jikken2015@chem.ge.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
金曜 船橋 12:10 ~ 13:20 各担当者研究室
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学生への メッセージ |
第1回目の受講場所等は掲示にて指示しますので、掲示板[(船)14号館1階、(船)中央門、(船)西門、(駿)1号館1階]にて確認して下さい。 4月第1週に配布したテキストを初回時に持参して下さい。 |