2015年 理工学部 シラバス - 電子工学科
設置情報
科目名 | 集積回路設計 | ||
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設置学科 | 電子工学科 | 学年 | 4年 |
担当者 | 鈴木 五郎 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J64A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 近年IT産業が注目を浴びているが,IT関連機器を構成する重要なキーコンポーネントとして集積回路つまりシステムLSIが位置付けられる.本講座では,実現したいシステムをいかにしてシリコンチップ上にインプリメントするかについて講義する.MOSトランジスタレベルでの回路動作の解説から始めて,設計言語を用いた論理回路設計手法までを説明するが,最新のプロセステクノロジを用いた場合に生じる,設計上の種種の問題点とその解決策についても触れる.企業第一線での研究・設計作業を可能にする基礎知識を身に付けさせることが,本講座のねらいである. |
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授業形態及び 授業方法 |
実際のシステムLSI設計現場で行われている豊富な例題を使い,演習を多く取り入れる. |
履修条件 | 「半導体」「論理回路」「アーキテクチャ」関連の科目を履修していることが望ましい. |
授業計画
第1回 | 講義概要: 本講座で何を学ぶのか説明する.また企業第一線での研究・設計作業に携わる上で,どのような知識が要求されるかについて述べる. |
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第2回 | LSIの種類と特徴: Gate Array,CBIC,FPGAなどハードウエア構造上からLSIを分類する.またMOSトランジスタの回路動作を解説すると同時に,システムLSIを設計する上で意識しなければならないいくつかの重要な項目を説明する. |
第3回 | LSIの設計フロー: 最新のプロセステクノロジを用いた場合に生じる設計上の種種の問題点とその解決方法を概説し,それを踏まえたシステムLSIの設計フローを解説する.プロセステクノロジ・論理規模・動作周波数・消費電力の変遷に関連して設計フローがどのように変化してきたかを述べ,最新の設計フローを説明する.さらに将来の設計フローを予想する. |
第4回 | ハードウエア記述言語: 論理設計での表現スタイルであるハードウエア記述言語に関して,その利点と特長,使用上の注意点を説明する.またハードウエア記述言語としてVerilogHDLを取り上げ,文法に関する基本を整理する. |
第5回 | VerilogHDLの演習(1): VerilogHDLを用いた記述方法を説明すると同時に,演習を行う. |
第6回 | VerilogHDLの演習(2): VerilogHDLを用いた記述方法を説明すると同時に,演習を行う. |
第7回 | 設計検証: VerilogHDLで記述された設計情報の妥当性を検証する手法を学ぶ.シミュレータを用いた機能レベルの検証手法について解説する. |
第8回 | 論理合成: VerilogHDLで記述された設計情報から,ゲート回路へ変換する論理合成に関して説明する.論理合成を制御する方法や,論理合成のアルゴリズムについても学習する. |
第9回 | 信号遅延: チップ上で信号が遅延するメカニズムと,その遅延を検証する手法について学ぶ.システムLSIの設計において,信号の遅延が与えるインパクトの大きさを説明する. |
第10回 | 低消費電力化: システムLSIの設計において重要な課題である低消費電力設計技術を解説する.電力が発生するメカニズムを解き明かし,消費電力を低減するための回路技術やデバイス技術を学ぶ. |
第11回 | 回路レイアウト: ゲート回路へ変換された論理をレイアウトする手法を説明する.フロアプランの役割と詳細配置・配線アルゴリズムを解説し,レイアウトに関する検証技術やそのもとになるアルゴリズムについても触れる. |
第12回 | LSIの問題点: IRドロップ,エレクトロマイグレーション,クロストークノイズ,信号の反射などsignal integrityに関する問題を学ぶ.問題発生のメカニズムを説明し,対策方法を述べる.また電磁波障害に関しても触れる. |
第13回 | 故障診断: システムLSI製造過程で生じる故障の有無を診断する技術を解説する.テスターに印加するテストパターンの自動生成アルゴリズムや診断を容易にする各種アーキテクチャに関して学ぶ. |
第14回 | 最新トピックス: 国内外での設計標準化の動向,設計資産の再利用,各種自動設計ツールの動向,半導体ビジネスの動向など,システムLSIに関連する最新のトピックスを紹介する. |
第15回 | 平常試験およびその解説 |
その他
教科書 |
鈴木 五郎 著 『システムLSI設計入門(ISBN4339007536)』 コロナ社 2004年 第1版
本教科書の内容に沿って授業を行う.本授業は夏季集中で行うので,教科書を使っての予習と復習を励行してもらいたい.教科書は,授業の最初にコロナ社が割引価格で出張販売します.
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参考書 |
桜井至 著 『HDL設計入門 (ISBN4924998249)』 (株)テクノプレス 2003年
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成績評価の方法 及び基準 |
最終試験(100%) |
質問への対応 | メールにて対応. suzuki-g@kitakyu-u.ac.jp |
研究室又は 連絡先 |
北九州市立大学大学院情報工学専攻教授 鈴木 五郎 suzuki-g@kitakyu-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
企業において,LSIの研究,設計,開発,検査,製造,営業などの業務に就く場合に必須となる知識のエッセンスを漏れなく教授する.必ず役に立ちます. |