2015年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
| 科目名 | 化学熱力学 | ||
|---|---|---|---|
| 設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 2年 |
| 担当者 | 須川 晃資 | 履修期 | 後期 |
| 単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 火曜2 |
| 校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L21O L22N |
| クラス | A 、 B | ||
概要
| 学修到達目標 | 化学熱力学は化学・生命科学・工学等の基礎をなし,太陽電池やナノテクノロジー等,最先端研究においても非常に重要な学問の一つである. 特に本講では,化学の分野における物質の状態変化や反応過程について熱力学の立場から論ずる. 化学熱力学の基礎となる熱力学第一法則,熱力学第二法則,化学熱力学第三法則,反応熱,自由エネルギー,相平衡を学び,演習によりそれらの取り扱いの理解を深める. |
|---|---|
| 授業形態及び 授業方法 |
講義形式 |
| 履修条件 | 物理化学系科目を修得していることが望ましい |
授業計画
| 第1回 | 評価法・講義内容の説明・化学熱力学の重要性に関する説明 熱・仕事・エネルギーなどの基礎的事項 |
|---|---|
| 第2回 | 熱・仕事・エネルギー 系,相,温度,熱など化学熱力学における基礎的な事項の説明 |
| 第3回 | 熱力学第一法則 内部エネルギーの考え方,熱力学第一法則の紹介 |
| 第4回 | 熱力学第一法則 可逆変化・不可逆変化の考え方,状態関数の考え方 |
| 第5回 | 熱力学第一法則 定積熱容量・定圧熱容量の説明,エンタルピーの考え方 |
| 第6回 | 反応熱とヘスの法則 化学反応における標準生成エンタルピーの算出 |
| 第7回 | 演習 化学熱力学の基礎,熱力学第一法則,反応熱などに関する演習 |
| 第8回 | 熱力学第二法則 熱力学第二法則の根本的理解,エントロピーの考え方 |
| 第9回 | カルノーサイクル カルノーサイクルを通した熱力学第二法則の実証・最大仕事効率の導出 |
| 第10回 | 物質のエントロピー 温度変化・相変化に伴うエントロピーの変化について |
| 第11回 | エントロピー変化の算出 熱力学第三法則について,様々な状態変化・反応におけるエントロピー変化の算出について |
| 第12回 | 演習 熱力学第二法則,カルノーサイクル,エントロピーに関する演習 |
| 第13回 | 自由エネルギー 自由エネルギーの理解,ヘルムホルツ自由エネルギー,ギブス自由エネルギー |
| 第14回 | 自由エネルギー マックスウェル方程式の導出,仕事関数,相平衡 |
| 第15回 | 化学ポテンシャル 化学ポテンシャルとは,理想気体の化学ポテンシャル,気相平衡,液相平衡 |
その他
| 教科書 |
渡邊 啓 『化学熱力学[新訂版]』 サイエンス社 2002年
化学熱力学の基礎が要領良くまとめられているので採用している.
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| 参考書 |
菅 宏 『はじめての化学熱力学』 岩波書店 1999年
原田 義也 『化学熱力学(修訂版)』 裳華房 2002年
「はじめての化学熱力学」は定義式の導出なども詳しく書かれているので,講義内容の理解の助けになる.
「化学熱力学」は,各事象・定義について詳しくまとめられているので,より深く化学熱力学を理解したい学生にとって良書である.
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| 成績評価の方法 及び基準 |
講義中に行う演習:20%,定期試験:80% |
| 質問への対応 | 講義終了時,もしくは研究室にて対応する. |
| 研究室又は 連絡先 |
超分子化学研究室(駿河台校舎2号館206B室) 電話:03-3259-0833 e-mail:sugawa.kosuke@nihon-u.ac.jp |
| オフィスアワー |
金曜 駿河台 11:00 ~ 12:00
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| 学生への メッセージ |
化学熱力学は化学反応や現象の根本的理解を助け,エネルギーの観点から現象の本質を突き詰める物理化学の一分野です.それ故,化学を志す者にとって非常に重要な学問です.特に本講義では,計算のみならず,この学問の根本的理解を深めるような深い内容にします.一緒に「現象を理解する」楽しさと難しさを学びましょう. |