2015年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 高分子材料物性 | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 伊掛 浩輝 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L31Q |
クラス | A 、 B |
概要
学修到達目標 | 高分子材料は,金属やセラミックスに並ぶ三大材料の一つである.高分子は,分子鎖が長い ために,粘性,弾性,塑性といった材料のすべての性質を持つ.これらの力学的性質のみに焦点を当て,概説する.そこで,弾性(エントロピー弾性については,前期の高分子物理化学参照)と粘性,特に高分子特有の非ニュートン性を概説した後に,粘弾性体の現象論と分子論について分かりやすく解説する.また,動的な測定から粘弾性体のエネルギー損失の計算も試みる. |
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授業形態及び 授業方法 |
板書で説明する. 区切り毎の理解度確認のために,不定期に30分程度の演習(5回)を行い,実力養成につとめる.従って,常時電卓を持参のこと. |
履修条件 | 基礎的な高分子の用語,性質等を理解して受講して欲しいので,高分子関連科目の高分子科学,高分子物理化学等を履修していることが望ましい. |
授業計画
第1回 | 固体の弾性1 等方体の弾性率(体積弾性率, Poisson比,ずり弾性率又は剛性率 ヤング率) |
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第2回 | 固体の弾性2 弾性の原因(エネルギー弾性,エントロピー弾性) |
第3回 | 液体の粘性1 Newton液体と非Newton液体(チキソトロピー,ダイラタンシー,べき乗則液体) |
第4回 | 液体の粘性2 非Newton液体(塑性流動,ビンガム流動,非ニュートン粘性率,Rabinowitsch式) |
第5回 | 液体の粘性3 粘性理論(アイリングの空孔理論,絶対反応速度論,アンドレードの粘度式) |
第6回 | 静的粘弾性1 粘弾性モデル(Maxwellモデル:応力緩和,Voigtモデル:クリープ) |
第7回 | 静的粘弾性2 4要素モデル |
第8回 | 静的粘弾性3 静的粘弾性一般論(一般的緩和論:緩和スペクトル,一般的クリープ論:遅延スペクトル) |
第9回 | 静的粘弾性4 粘弾性の分子論:Rouseモデル |
第10回 | ガラス転移温度1 ガラス転移は二次相転移か,等粘性理論,等自由体積理論 |
第11回 | ガラス転移温度2 相溶性ポリマーブレンド及び高分子ー可塑剤のTg,等自由体積理論による粘性率の温度依存性 |
第12回 | 重ね合わせの原理 Boltzmannの重ね合わせの原理,時間ー温度の重ね合わせ,Doolittleの粘度式,WLF式 |
第13回 | 動的粘弾性1 動的粘弾性の基礎,動的弾性率・コンプライアンス・粘性率の一般的関係 |
第14回 | 動的粘弾性2 粘弾性体のエネルギー損失,損失エネルギー,貯蔵エネルギー,粘弾性実例と解釈 |
第15回 | 平常試験及びその解説 これまでの内容の理解度を試験により確認し,解説する. |
その他
教科書 |
妹尾,栗田,矢野,澤口 『基礎高分子科学』 共立出版 2000年 第初版
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参考書 |
物質応用化学編集委員会 『物質応用化学 基礎と演習』 培風館 2000年 第初版
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成績評価の方法 及び基準 |
定期・平常試験60%,演習内容40%, |
質問への対応 | 下記オフィスアワーとe-mail |
研究室又は 連絡先 |
栗田:kurita@polymer.chem.cst.nihon-u.ac.jp 伊掛:駿河台校舎2号館214号室,ikake.hiroki@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 14:00 ~ 15:30 高分子工学研究室
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学生への メッセージ |