2015年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 専門化学実験Ⅵ | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 遠山・森田・梅垣 他 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜3・4・5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L43N |
クラス | A・B |
概要
学修到達目標 | 実験により化学工学・無機化学・高分子化学に関する理解を深めるとともに,物性の評価方法を習得する. 【�a実験】 身近で活躍する材料の物性を評価するために,無機材料として代表的なセラミックスであるセッコウ硬化体と,代表的な磁性材料である亜鉛置換型フェライトを合成し,微細構造,磁性,熱的性質,機械的特性の評価方法を習得する.高分子材料として,高分子フィルムのガラス転移温度の測定などから組成の決定,物性の評価方法を習得する. 【�b実験(化学工学分野)】 化学工学が取り扱う学問体系の中から,化学工学実験として,物質収支単位操作(化学プロセスに共通する物理操作の総称)を重点的に取り上げる.実験課題は単位操作の中から,蒸留,流体輸送操作を選択する.これに化学工学の基礎として,物質収支の考え方を実習するために単蒸留と,蒸留分離の基礎物性である気液平衡に関する課題を加える. |
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授業形態及び 授業方法 |
共通での安全講義のほか,�a(材料物性分野)6テーマ,�b(化学工学分野)4 テーマの実験を行う. 【�a実験】 各実験課題について1班2~3人で実験を行う.各実験前に予習レポートを作成すること. 【�b実験(化学工学分野)】 各実験課題について1班2~3人で実験を行う.各実験前に予習レポートを作成すること. �aおよび�bとも実験課題の進行順序は班により必ずしも上記通りではないので ,あらかじめ実験ガイダンスにおいて詳細は告知する.また班分けは両実験で異なる. |
履修条件 | 【�a実験】 無機化学系・高分子化学系の講義内容を十分に理解していること. 【�b実験(化学工学分野)】 基礎化学工学�・�を履修済みで,物質分離工学と流動・伝熱操作も履修してい ることが望ましい. |
授業計画
第1回 | 実験を行うにあたっての注意ならびに実験の安全についての講義 |
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第2回 | �a実験(材料物性系) 実験内容および操作などについて講義する. |
第3回 | 【セラミックスの作製 -セッコウ硬化体の凝結-】 簡便に作製できるセラミックスであるセッコウ硬化体を作製し,混水量と凝結時間の関係について理解する. |
第4回 | 【磁性材料の作製 -フェライトの合成-】 身近な磁性材料である亜鉛置換型フェライトを合成し,結晶構造と磁性発現機構について理解する. |
第5回 | 【材料の物性評価 -機械的強度測定および走査型電子顕微鏡観察-】 セラミックスの機械的性質を曲げ強さ試験から評価し,微細構造について走査型電子顕微鏡により観察する. |
第6回 | 【熱重量分析(TGA) -水酸化亜鉛の熱分解-】 簡易熱重量分析装置を組み,既知試料および未知試料を測定することで,熱重量分析の原理および基礎を学ぶ. |
第7回 | 【熱機械測定(TMA)-高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)測定-】 簡易熱機械測定装置を組むことで,熱機械測定の原理を学ぶ.また,各種高分子フィルムのTMA測定によりガラス転移温度の評価を行う. |
第8回 | 【データ処理(TGA:分解温度、未知試料の組成決定 TMA:Tgの決定、未知試料の評価)】 TGAおよびTMA測定で得られた結果を用いてグラフを作図し,解析を行う. |
第9回 | �b実験(化学工学分野) 実験講義として,実験の内容・操作および諸注意を与える. |
第10回 | 【物質分離 -充填塔による蒸留-】実験 物質分離の代表的な操作の一つである蒸留操作として,充填塔を用いた2成分系精留実験を行い,その基礎的事項を習得する. |
第11回 | 【物質分離 -充填塔による蒸留-】データ解析 前日行った精留実験の結果を用いて,充填塔の性能を示すHETPを求める. |
第12回 | 【流体輸送 -円管内流体の圧力損失-】実験とデータ解析 流体輸送の基礎事項であるエネルギー収支式を理解し,また円管内流動における圧力損失を実測し,圧力損失とレイノルズ数の関係を調べる.また測定結果に基づき,最小二乗法により圧力損失とレイノルズ数の実験式を求める. |
第13回 | 【物質収支 -単蒸留-】実験とデータ解析 化学プロセスの解析あるいは運転にあたって重要な基礎事項となる物質収支をメタノール+水系の単蒸留実験とその解析を通して実習する. |
第14回 | 【物質の状態と物性 -気液平衡-】実験 化学プロセスの開発や設計に不可欠となる物質の物理的・化学的性質,すなわち物性について理解するため,メタノール+水系の気液平衡を測定する. |
第15回 | 【物質の状態と物性 -気液平衡-】データ解析 前日に測定した気液平衡データについて解析を行い,気液平衡を表現する理論を習得する. |
その他
教科書 |
栗田公夫,栃木勝己,西宮伸幸 『物質応用化学のための改訂物質工学実験と解析 』 化学工業社 2008年 第1版
平成27年度専門化学実験�(化学工学分野,材料物性分野)資料をそれぞれ配布する.
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
実験の参加状況および取り組む姿勢: 50%,実験レポート: 50%で評価する. |
質問への対応 | 実験時間中に随時受け付ける. |
研究室又は 連絡先 |
ガイダンス時に知らせる. |
オフィスアワー |
土曜 駿河台 14:00 ~ 16:00
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学生への メッセージ |
自分で得たデータを使って考察することは化学の現象を理解する上で重要であるため,積極的な姿勢で実験に取り組んでもらいたい.そのためにも事前にテキストを読んでくることが大切である. |