2015年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 統計物理学Ⅲ | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 4年 |
担当者 | 山中 雅則 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M21R |
クラス |
概要
学修到達目標 | この講義では、統計物理学の基礎的な復習を行った後、統計物理学の様々な実践例を学ぶことを目標とし、統計物理学の実践の場として、固体中の電子、フェルミ粒子やボーズ粒子の性質を理解する。さらに、統計物理学の様々な応用例について学ぶ |
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授業形態及び 授業方法 |
講義形式 |
履修条件 | 統計物理学と量子力学を履修していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 統計力学の復習1 統計力学の動機と原理、確率分布と期待値、分配関数などの基礎的な事項を復習します。 |
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第2回 | 統計力学の復習2 分配関数の性質と期待値導出の原理等を復習します。 |
第3回 | カノニカル集団1 カノニカル集団の例として、2準位系と調和振動子系を例に解説を行います。 |
第4回 | カノニカル集団2 カノニカル集団の例として、理想気体を学びます。また、カノニカル集団の原理とグランドカノニカル集団への拡張を学びます。 |
第5回 | グランドカノニカル集団 大分配関数、化学ポテンシャル等、グランドカノニカル集団の基礎的事項を学び、フェルミ粒子やボース粒子を学ぶ準備を行います。 |
第6回 | フェルミ気体 グランドカノニカル集団の具体例としての理想フェルミ気体について、フェルミ分布関数を解説します。また、絶対零度と有限温度におけるフェルミ粒子理想気体を学びます。 |
第7回 | フェルミ縮退 有限温度のフェルミ粒子系の理想気体を学びます。フェルミの特徴であるパウリの排他原理や、フェルミ凝縮の原理等をフェルミ粒子の多粒子系において学びます。 |
第8回 | ボース気体 グランドカノニカル集団の具体例としての理想ボース気体について、ボース分布関数を解説します。また、絶対零度と有限温度におけるボース粒子理想気体を学びます。 |
第9回 | ボースアインシュタイン凝縮 ボース粒子系特有の相転移現象であるボースアインシュタイン凝縮について学びます。 |
第10回 | 相転移と臨界現象 相転移と秩序変数、いろいろな相転移現象について学びます。臨界指数とその分類について解説も行います。 |
第11回 | 磁性体の相転移1 1次元、2次元、3次元のイジング模型について解説を行い、分配関数を導出します。これらを例に磁性体の相転移について解説します。 |
第12回 | 磁性体の相転移2 量子スピン系とその量子相転移について、臨界現象と相転移の観点から解説します。 |
第13回 | スピン模型とゲージ模型 スピン模型とゲージ模型についてその特徴を述べ、それらに特有の相転移現象を解説します。 |
第14回 | モンテカルロシミュレーションと量子モンテカルロシミュレーション 代表的なシミュレーションの一つとしてモンテカルロシミュレーションについて解説します。特にインポータンスサンプリングの必要性と概念、計算量の評価等を学びます。量子系を扱う量子モンテカルロ法についても言及します。 |
第15回 | 分子動力学 代表的なシミュレーションの一つとして分子動力学についてその原理とシミュレーションの実際について学びます。 |
その他
教科書 |
授業中に指示する。
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参考書 |
授業中に指示する。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業内レポートと課題レポートにより評価する。 |
質問への対応 | 授業中および研究室にて受け付ける |
研究室又は 連絡先 |
446C室、連絡先は授業中に連絡する |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 10:30 ~ 12:30
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学生への メッセージ |
2、3年生で学習した統計物理学を基礎から復習し直すことで理解を定着します。また、統計物理学が実際にどのように使われているのかいろな応用例を学ぶことによって統計物理学の威力と更なる理解を深めましょう。 |