2015年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 統計物理学演習 | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 山中 雅則 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3・4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M33U |
クラス | A 、 B |
概要
学修到達目標 | 統計物理学の基礎的事項を理解することを目的とする。問題設定や、式の計算、結果の解釈等を自力で行うことができるようにする。統計物理学の理解に必要な基本的な数式・公式等を実際に計算を自分で行うことで理解を深める。 |
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授業形態及び 授業方法 |
演習書ははじめに配布する。レポート提出および小テストについて担当者の指示に従うこと。 |
履修条件 | 統計物理学I、量子力学I、量子力学演習を取得していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 熱力学Ⅰ:熱力学第一法則とそれに関連する内容について学ぶ。 |
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第2回 | 熱力学Ⅱ:熱力学第二法則とエントロピーについて学ぶ |
第3回 | 確率統計の基礎I:順列、組み合わせ、確率、統計の基礎について学ぶ。 |
第4回 | 確率統計の基礎II:確率、確率密度、期待値を離散的確率変数、連続的確率変数について計算する。 |
第5回 | 気体の分子運動論:マクスウェル分布を用いて実際に分布関数から期待値を計算し、統計平均の意味を学ぶ。 |
第6回 | 小正準分布Ⅰ:自由粒子を古典力学と等確率の原理で扱い理想気体のエントロピーを導出する。 |
第7回 | 小正準分布Ⅱ:二準位系のエントロピーを計算し熱力学的性質を導く。 |
第8回 | 自由粒子の量子力学:理想気体の統計物理学を学ぶうえでの予備知識として量子力学の復習を行う。特に固定端境界と周期的境界条件の場合に方程式を解き理想気体の熱力学を導く。 |
第9回 | 正準分布Ⅰ:分配関数、期待値の計算を通しての正準分布と熱力学との対応を理解する。 |
第10回 | 正準分布Ⅱ:二準位系の観測量を期待値として計算する。また正準分布を用いて得られた結果と比較検討する。 |
第11回 | 正準分布Ⅲ:理想気体の観測量を期待値として計算する。また小正準分布を用いて得られた結果と比較検討する。 |
第12回 | 正準分布Ⅳ:1次元調和振動子の量子力学を復習する。特に、離散的となるエネルギー固有値の導出を行う。 |
第13回 | 正準分布Ⅴ:1次元調和振動子の正準分布について学ぶ。 |
第14回 | 小正準分布III:等分配の法則からの比熱、アインシュタインの固体の模型について学ぶ。 小正準分布Ⅲ:1次元調和振動子の小正準分布について学び正準分布の結果と比較する。 |
第15回 | 試験および解説 |
その他
教科書 |
後期ガイダンスのときに演習書を配布する。
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参考書 |
久保亮五 他 『大学演習 熱学・統計力学』 裳華房
広池和夫,田中実 『演習熱力学・統計力学』 サイエンス社
参考書1つ目のものは優れた書籍であるが、本演習と比較してかなり情報量が豊富である。内容を検討して購入して欲しい。また講義、統計物理学Iと同じ参考書を参考にしてください。
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成績評価の方法 及び基準 |
毎回の出席、毎回演習に提出するレポートと小テスト、期末試験が成績として考慮される。期末試験の成績があまりに悪いときは、不合格となる。 |
質問への対応 | クラス分割しており、演習時間が質疑応答や議論の時間である。この時間内に質問しその場で疑問点を解消すること。 |
研究室又は 連絡先 |
授業中に指示する。 |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 10:30 ~ 12:30
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学生への メッセージ |
演習時間は積極的に質問すること。また、教員・友人との議論を推奨する。予習した時の疑問点、演習中の疑問点などは演習時間内に解決し、後回しにしないこと。復習レポートを作成するとき、授業での解説を丸写しせず、かならず計算をしなおし自分の頭で理解してから作成すること。 |