2015年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 熱力学 | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 糸井 千岳 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M42N |
クラス |
概要
学修到達目標 | 熱力学に関する諸法則を実験事実に基づいて解説し、平衡状態での状態の記述、平衡状態間の過程についての熱力学の法則についての理解を深める。 |
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授業形態及び 授業方法 |
配布されたプリントの論理構成は、第2法則を簡潔に解説するため、他の教科書で述べられている順序とは異なっている。プリント中の計算を板書で解説しながら講義形式で行う。理解を深めるために、演習問題を解く。 |
履修条件 | 多変数関数の微積分の基礎 |
授業計画
第1回 | 熱力学の設定(平衡状態、状態の記述と状態方程式の存在、熱、熱容量、温度、量の定義と単位について学ぶ。) |
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第2回 | 熱力学における環境、操作、状態の変化について解説する。 |
第3回 | 熱力学の第1法則(系の行う力学的仕事と吸収する熱の過程依存性、内部エネルギーという状態量と保存則について学ぶ。) |
第4回 | 熱力学の第1法則(準静的過程など、いろいろな過程での熱力学量の計算練習を行う。) |
第5回 | 熱力学の第2法則(断熱過程での可逆過程の定義と内部エネルギー増大の原理から不可逆過程の存在を確認する。) |
第6回 | 熱力学の第2法則(エントロピーを定義し、理想気体のエントロピーを状態の関数として求め,Clausius等式を導く。) |
第7回 | 熱力学の第2法則(力学系と相互作用する熱力学系など、エントロピー増大の法則を確認するための例題を解く。) |
第8回 | 熱力学の第2法則(一般の系に対するエントロピーのClausius等式とエントロピー増大の法則を証明する。) |
第9回 | 熱機関(Kelvinの原理と最大仕事の原理を証明する。) |
第10回 | 熱機関(Carnotサイクルを学び、Carnotの定理を証明する。) |
第11回 | 熱力学関数の性質(自由エネルギーとエンタルピーの凸性を導く。) |
第12回 | 応答関数の間の関係(圧縮率、膨張率、熱容量の間の関係を導く。) |
第13回 | 熱力学量としての物質量を取り扱い、化学ポテンシャルを導入する。 |
第14回 | 実在気体(熱力学的温度測定の基本原理、多原子分子気体、気体液体相転移について学ぶ。) |
第15回 | 平常試験および解説 |
その他
教科書 |
なし
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参考書 |
佐々真一 『熱力学入門』 共立出版
清水明 『熱力学の基礎』 東京大学出版会
田崎晴明 『熱力学』 新物理学シリーズ 培風館
原島鮮 『熱力学・統計力学』 培風館
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成績評価の方法 及び基準 |
試験 平常試験または期末試験を予定しているが、講義室の空き状況により正確な実施は未定であり、平常試験が期末試験へ、期末試験が平常試験へ変更の可能性がある。授業でアナウンスを行う |
質問への対応 | 講義の後 |
研究室又は 連絡先 |
4号館2階420A室 |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 12:20 ~ 13:20
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学生への メッセージ |
大学の熱力学はエントロピーを理解できるかどうかで決まります。エントロピー増大の法則は物理学の法則としては珍しく不等式で与えられます。この法則によって、熱力学は分かりにくいと言われるのですが、基本的なことを理解してしまうとその深遠さに感銘を受け、とりこになります。 |