2015年 理工学部 シラバス - 数学科
設置情報
科目名 |
微分積分学A
数列・関数の極限、連続関数の理論
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設置学科 | 数学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 水野 将司 | 履修期 | 前期 |
単位 | 4 | 曜日時限 | 木曜1・2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | N41B |
クラス | 2クラス |
概要
学修到達目標 | 極限を厳密に扱うために、ε-N論法・ε-δ論法と呼ばれる方法を学び、これらを用いて極限に関する様々な定理・公式を証明します。 それに続いて、関数の連続性の概念を学び、連続関数の基本的な性質を証明します。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業、例題解説、問題練習など。 1限と2限の両方を履修する必要があります。 |
履修条件 | 高校までで学ぶ数学をしっかり身につけていることが必要です。 特に以下の内容はよく復習しておいてください。 式の計算、不等式、三角関数、指数関数、極限の計算、数列 必要に応じて、パワーアップセンターを利用して下さい。 |
授業計画
第1回 | 授業ガイダンス:授業の計画・成績のつけ方の説明 準備:講義で用いる記号、ギリシャ文字、集合の表し方 |
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第2回 | いろいろな証明法の復習:数学的帰納法、背理法、対偶法 |
第3回 | 実数論:上限・下限の定義、実数の連続性、アルキメデスの原理、有理数の稠密性 |
第4回 | 数列の極限(1):「任意の・全ての」「存在する」を表す記号、数列の収束・発散(ε-N論法) |
第5回 | 数列の極限(2):数列の極限の性質 |
第6回 | 数列の極限(3):単調列の収束・発散、自然対数の底 e の定義 |
第7回 | 数列の極限(4):部分列、基本列(コーシー列)、コーシーの収束判定条件 |
第8回 | 数列の極限(5):級数の収束・発散、無限小数 |
第9回 | 関数の極限(1):関数の収束・発散(ε-δ論法) |
第10回 | 関数の極限(2):片側極限、無限遠における極限、コーシーの収束判定条件 |
第11回 | 連続関数(1):連続性の定義 |
第12回 | 連続関数(2):閉区間上の連続関数、一様連続性 |
第13回 | 連続関数(3):指数関数、対数関数 |
第14回 | 連続関数(4):逆三角関数 |
第15回 | 試験及びその解説 |
その他
教科書 |
(1) 吹田信之、新保経彦 『理工系の微分積分学』 学術図書出版社 1987年 第1版
(2) 野本久夫,岸正倫 『解析演習』 数理演習ライブラリ サイエンス社 1984年 第1版
上記2冊は教室で配布するので、各自で購入する必要はありません。
(1)は理論的に整った本です。講義はこの本の内容を取捨選択しながら進めます。
(2)は自習向けの解答付き演習書です。
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参考書 |
(1) 高木貞治 『定本解析概論』 岩波書店 2010年 第3版
(2) 小林昭七 『微分積分読本』 裳華房 2000年
(3) 田島一郎 『解析入門』 岩波書店 1981年
(4) 飯高茂 『微積分と集合そのまま使える答えの書き方』 講談社 1999年
上記4冊は、講義では必要としません。希望者が各自購入して下さい。
(1)は難しいですが古今の名著です。
(2)(3)(4)は, 主に一変数の微分積分学について、自学自習、勉強会等にも使えるでしょう。
その他の参考書は講義中に紹介します。
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成績評価の方法 及び基準 |
試験、黒板発表、提出課題を総合的に評価して成績を付けます。 |
質問への対応 | 随時。 |
研究室又は 連絡先 |
お茶の水校舎 9階 C905 http://www.math.cst.nihon-u.ac.jp/~mizuno/lecture.html mizuno atmark math.cst.nihon-u.ac.jp (atmarkは@にかえてください) |
オフィスアワー |
木曜 船橋 12:10 ~ 13:00 10号館1043教室
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学生への メッセージ |
実数とは何でしょうか?有理数との違いは何でしょうか?この講義では、この問題から出発して、連続関数に対する「中間値の定理」の証明を目標に進めます。 なお、1回目の講義で関数電卓(ガイダンスで配布されたもの)を使いますので、準備しておいてください。 |