2015年 理工学部 シラバス - 数学科
設置情報
科目名 |
微分積分学A
数列・関数の極限、連続関数の理論、微分法の理論
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設置学科 | 数学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 上坂 洋司 | 履修期 | 前期 |
単位 | 4 | 曜日時限 | 木曜3・4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | N43A |
クラス | 1クラス |
概要
学修到達目標 | 極限を厳密に扱うために、ε-N論法・ε-δ論法と呼ばれる方法を学び、これらを用いて極限に関する様々な定理・公式を証明します。この論法こそ数学的思考のエッセンスです。 それに続いて、関数の連続性と微分法を学びます。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業、例題解説、問題練習など。 3限と4限の両方を履修する必要があります。 |
履修条件 | 高校までで学ぶ数学をしっかり身につけていることが必要です。 身についていない(忘れてしまっている)ことがあれば、きちんと復習しましょう。 特に以下の内容をよく復習しておかないと、この科目の学習は困難です:式の計算、関数、三角関数、指数関数、対数関数、微分積分(数IIIの範囲までが望ましい)。 数学I 式の計算、方程式と不等式 数学II 式と証明、図形と方程式、三角関数、指数関数 数学III 極限 数学A 二項定理、論理と集合 数学B 数列、数学的帰納法 必要に応じて、パワーアップセンターを利用して下さい。 |
授業計画
第1回 | 授業ガイダンス:授業の計画・成績のつけ方の説明 準備:講義で用いる記号、ギリシャ文字、集合の表し方 |
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第2回 | 有理数、有理数の稠密性、アルキメデスの原理、対偶法による証明、数学的帰納法、 |
第3回 | 実数論:上限・下限の定義、実数の連続性 |
第4回 | 数列の極限(1):「任意の・全ての」「存在する」を表す記号、数列の収束・発散(ε-N論法) |
第5回 | 数列の極限(2):数列の極限の性質 |
第6回 | 数列の極限(3):単調列の収束・発散、自然対数の底 e の定義 |
第7回 | コーシーの収束判定条件、中間試験 |
第8回 | 級数の収束・発散。関数の極限 |
第9回 | 関数の収束・発散(ε-δ論法) |
第10回 | 関数の片側極限、無限遠における極限、コーシーの収束判定条件 |
第11回 | 連続関数(1):連続性の定義、中間値定理、連続関数の最大・最小、一様連続性 |
第12回 | 逆関数の定義、指数関数、対数関数、三角関数、逆三角関数 |
第13回 | 微分係数の定義、導関数、高次導関数、微分法の計算法則 |
第14回 | ロールの定理、平均値の定理、関数の極値 |
第15回 | 試験及びその解説 |
その他
教科書 |
(1) 吹田信之、新保経彦 『理工系の微分積分学』 学術図書出版社 1987年 第1版
(2) 野本久夫,岸正倫 『解析演習』 数理演習ライブラリ サイエンス社 1984年 第1版
上記2冊は教室で配布するので、各自で購入する必要はありません。
(1)はきちんと自分で読める理論的に整った本です。講義はこの本に沿って進めます。
(2)は自習向けの解答付き演習書です。
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参考書 |
(1) 高木貞治 『解析概論』 岩波書店
(2) 小林昭七 『微分積分読本』 裳華房 2000年
上記2冊は、希望者が各自購入して下さい。
(1)は難しいですが古今の名著です。演習問題にも挑戦してみましょう。
(2)(3)(4)では、数学的に面白い例が、たくさん、しかも丁寧に説明されています。
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成績評価の方法 及び基準 |
試験、黒板発表、提出課題を総合的に評価して成績を付けます。 ※試験は、授業計画第15回以外に、中間試験を最低1回実施する予定です。 中間試験の実施日時は、講義中にお知らせします。 |
質問への対応 | 講義日に教室で対応します。 |
研究室又は 連絡先 |
email:uesaka@math.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
この講義では、様々な定理・公式に「厳密な証明」を与えていきます。 授業のスタイルが高校までと大きく違うと感じることでしょう。 全てが難しく感じられ最初は戸惑いますが、数学科で勉強を続けていく上での大切な第一歩です。 予習・復習にたっぷり時間をかけることで「理解する」ということを体で感じ、数学を楽しめるようになって下さい。 |