2015年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
歴史環境論
近世・近代社会と「環境」
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 泉 正人 | 履修期 | 前期 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3 水曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | Q33U Q34G Q34Y R33L |
クラス |
概要
学修到達目標 | 環境問題は、現在の生活を送る上で大きな課題となっている。対症療法的な対応も必要であ るが、より本質的にこの問題と取り組んでいく必要がある。それは「文明」のあり様を考えていくことである。現在の文明と「環境」との関係を考えていくことが、より求められている。そのためには、両者の関係を歴史的に考えていくことが重要と考えられる。以上の問題意識に基づき、本講義では、日本の歴史を素材に、人間の種々の行動が「環境」への大きな負荷になっていった江戸時代から、「公害」として現れる近現代にかけて、人々の生活と「環境」との関係を見ていくことにする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業形態は講義形式である。毎時間、以下に示すテーマに基づき、レジュメや資料を配布し 、簡単な板書をしながら説明を行っていく。画像資料も用いていく予定である。必要に応じてリポートを課す。 |
履修条件 | 環境ライフサブメジャー・コース設置科目。専門的な知識がなくても構わない。予習をきち っとして講義に臨んでもらいたい。 |
授業計画
第1回 | 「環境」のとらえ方 (以下、若干変更の可能性あり) |
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第2回 | 「環境」と歴史:「環境」とは何か?/生存と「環境」/環境基本法 |
第3回 | 歴史と環境をめぐる学問:環境と歴史の学問の成立/既存の学問と環境 |
第4回 | 江戸時代と環境の捉え方:従来の「環境理想社会江戸」を考える。 |
第5回 | 戦国時代末~江戸時代前期の治水と開発: 信玄堤の思想/大開発時代と自然/治水思想の転換 |
第6回 | 農書にみる生業と「環境」:「害虫」と「雑草」/農業生産と「自然」 |
第7回 | 近世の新田開発:新田開発と環境の変容/新田開発と生態系 |
第8回 | 山と「環境」:近世の山地利用/「山川掟」/山地の利用と「環境」 |
第9回 | 江戸時代の「公害」: 鉱山開発と地域/鉱山経営と「公害」/地域住民の主張/領主階級の対応の変遷 |
第10回 | 近世都市と「環境」:近世都市の誕生/都市環境の問題点/上水問題・下水問題 |
第11回 | 近代国家への脱皮と環境:ペリー来航をどう理解するか/欧米世界とアジア |
第12回 | 「文明国」化と環境問題の諸相: 足尾鉱毒事件/別子銅山の公害問題/産業の発展と労働環境/政府・企業の対応 |
第13回 | 戦中・前後の人々の生活と環境:戦争遂行と公害/戦後復興と環境問題/政府の対応 |
第14回 | 高度経済成長と環境の変容: 「もはや戦後ではない」/高度経済成長と生活スタイルの変化/公害列島と価値観の変容 |
第15回 | 平常試験及びその解説: 講義の内容を理解しているかどうかを確認し、不十分な点について再度説明を行う。 |
その他
教科書 |
特に教科書は定めない。
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参考書 |
飯島伸子 『環境問題の社会史』 有斐閣アルマ 有斐閣 2000年
鬼頭宏 『環境先進国・江戸』 吉川弘文館 2012年
水本邦彦 『人々の営みと近世の自然』 環境の日本史④ 吉川弘文館 2013年
根岸茂夫ら 『近世の環境と開発』 思文閣出版 2010年
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成績評価の方法 及び基準 |
平常試験の成績(60%)、リポート(20%)、平常点(20%)をもとに、総合的に評価する。出席は毎回とるが、時として不正行為をする学生がいる。不正が明らかになった時は単位を認めないので注意されたい。 |
質問への対応 | 講義の後。 |
研究室又は 連絡先 |
連絡先:042-344-5755(午後10時まで) メールアドレス:izkm2011@hotmail.co.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
出欠調査に際して不正行為を行った者には単位を認めないので、注意すること。 |