2015年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
科学技術史
物理科学技術を歴史の視点から考察する
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 山根 大次郎 | 履修期 | 前期 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 火曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | R23M R24G R24Z S23F |
クラス |
概要
学修到達目標 | 科学史、技術史の文献を自分で読めるようになること。特に自分の専門分野の科学技術史を学べるように。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義、板書、プリント、ppt、VTR ,DVD ,OHC を使う。 レスポンス・ペイパー(用紙は出席カード)に毎回、講義の印象、感想、批評などを書いてもらう。 |
履修条件 | 学び探求する意思があればそれで十分です。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス/ 及び、「日本に於ける物理学の発展」20世紀、石原純以降の物理学の状況を知る。評伝『朝永振一郎』を見る。 |
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第2回 | 戦後日本の自動車産業: 朝鮮戦争の時期、国産乗用車が開発される。トヨタ、日産の乗用車の開発過程を知る。 |
第3回 | 科学史、技術史とは何か? 西周による「科学」という言葉の造語。和製漢語 古代~ ギリシャ科学~アラビア科学~ルネサンス期まで。 |
第4回 | チェルノブイリ原発事故 1986年4月26日 ベラルーシ 核分裂、放射性物質、放射線、放射能 |
第5回 | チェルノブイリ原発事故 (2) ピュリピャチ キエフ 放射線の単位 半減期 |
第6回 | 老朽化した原子力発電所の解体問題 金属の脆性、原子炉炉心の放射化 |
第7回 | 1543年、コペルニクス革命『天球の回転について』・種子島銃・ヴェサリウス『人体の構造』 16世紀の西欧において、近代科学の端緒が生まれてくる背景を見る。 |
第8回 | 近代科学の誕生と近代技術の誕生 「17世紀科学革命」 「16世紀文化革命」 |
第9回 | 蒸気機関と熱学の誕生(1)ジェームス・ワットによる改良から、サディ・カルノによる『火の動力についての考察』熱学の誕生と19世紀物理学の特徴を見る。 蒸気機関の効率 |
第10回 | 熱力学の形成(2) 熱現象、電磁気現象の諸発見の中から、それ迄の力学とは少々おもむきを変える熱力学が形成されて行く。 |
第11回 | 水俣病 1956年の水俣病公式認定、1970年代初頭までの記録。企業(チッソ)内技術者の証言 高度経済成長とはなんであったか。 |
第12回 | マンハッタン計画 1945年7月16日 アラモゴルドのPu 原爆の実験から、広島、長崎、ビキニ諸島、水爆実験、ネバタ州のAtomic Soldiers , etc. 1960年頃までの核実験の記録を米軍側の資料から見る。 |
第13回 | 近代科学の制度化 黒船来航以後の洋学研究の時代を経て、近代科学とそれに基礎づけられた近代技術が制度として社会の中に位置づいて行く。米欧回覧実記など、その様子を科学技術史の視点から考える。 |
第14回 | 「軍産複合体」 アイゼンハワー大統領はその退任演説で、その危険性を予告する。この構造が現代に及ぼしている問題を見る。 |
第15回 | 量子論の起源 1900年にマックス・プランクによりエネルギー量子の考えが提出される。量子論の出発点について考える。 古典物理学と現代物理学の分岐とは何か。 |
その他
教科書 |
西尾成子 『こうして始まった20世紀の物理学』 ポピュラー・サイエンス 裳華房 2007年 第1版
廣重徹 『近代科学再考 』 ちくま学芸文庫 筑摩書房・復刻版 2008年 第1版
高木仁三郎 (2000) 『原子力神話からの解放』 講談社α文庫 ¥762E 講談社・復刻版 2011年 第1版
小出裕章 『原発と放射能 』 ¥1000+消費税 河出書房新社 2011年 第1版
児玉龍彦 『内部被曝の真実』 幻冬社新書 幻冬社 2011年 第1版
小出裕章他 『図解 原発のウソ』 扶桑社 2012年 第2版
肥田舜太郎 『被爆と被曝』 幻冬舎ルネッサンス新書 幻冬舎ルネッサンス 2013年 第1版
最初の本は、20世紀の物理学がどのような研究から生まれて来たか、が叙述されています
。高校時代の「物理」では時間が無かったかもしれませんが、現代の科学技術の基礎でもありますから、常識として身につけて下さい。
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参考書 |
ジョゼフ・ニーダム 『ニーダム・コレクション』 ちくま学芸文庫 筑摩書房・復刻抄訳版 2009年 第1版
渡辺正雄 『文化としての近代科学 』 講談社学術文庫 講談社・復刻版 2000年 第1版
中岡哲郎 『日本近代技術の形成 <伝統>と<近代>のダイナミクス』 朝日選書 朝日新聞社 2006年 第1版
城阪俊吉 『エレクトロニックスを中心とした「科学技術史」』 日刊工業新聞社
現代の科学技術を考える上で、参考にしておきたい内容です。
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成績評価の方法 及び基準 |
「課題レポート」(小論文形式)で評価をする。 |
質問への対応 | 講義の後 |
研究室又は 連絡先 |
講義の時に指定 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
歴史は叙述です。批判的にものごとを見る目を養って下さい。また大学に在学するとは、ともに学ぶ学友が存在するということです。つね日頃から、ディスカッションを大切にしてみて下さい。 |