2015年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
倫理学
アリストテレス『ニコマコス倫理学』の徳論を読む
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 高橋 幸平 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | T14H |
クラス |
概要
学修到達目標 | 倫理学の源流の一つであるアリストテレスの『ニコマコス倫理学』を、できるだけ原文(和訳)に沿って講読してゆきます。 アリストテレスの倫理学については様々な仕方で概説され紹介されており、みなさんも既にそのような概説に触れたことがあるかもしれませんが、直に原典にあたってみることは少ないのではないでしょうか。アリストテレスが実際に何を、どのように語っているのか、それは概説にまとめられているとおりなのか、或いは、どうしてそのようにまとめられるのか、各自で原典を読み、確かめてみることも大切です。アリストテレスだけでなく、そのほかの古典についてもこれは同様にあてはまることでしょう。 アリストテレスは古代ギリシアの思想家であり、その記述内容はいまから2300年ほど前のものです。現代とは前提が異なるところ、理解しがたいところもありますが、現代の倫理思想の基礎をなし、我々の常識と共通するところも少なくありません。このような両面を含むアリストテレスを読むことは、我々の源を読み解くことでもあり、我々とは異なるものを読み解くことでもあり、それと対比することによって、同時に、我々自身を理解することにもなるでしょう。 この講義では、アリストテレスの『ニコマコス倫理学』を用いて、一人の思想家の原典の一部分を読みながら、その内容を理解した上で考察する作業を試みます。今年度は、『ニコマコス倫理学』のうち、幸福と徳についての議論を中心に考察します。講義の全体を、第1部「幸いの概説」、第2部「徳と中庸」、そして徳の具体的な事例として、第3部「いさおしさ(勇敢)」の3部に分けて進めます。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義・講読形式。 『ニコマコス倫理学』の和訳テキストに沿って、解説を加えながら読み進めます。数回ごとに、テキストの内容をあらためて問い直し、考察します。 |
履修条件 | 私語を慎み講義を聴くことができる者。そのほかは特になし。 |
授業計画
第1回 | 「導入」 講義の概容、成績評価ほかの諸注意 ※履修希望者は必ず出席すること 「アリストテレスのテキストについて」 ※※なお、以下の計画(順序や内容)は新年度に発表される学事暦に沿って変更されることが見込まれるので、注意すること※※ |
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第2回 | 「幸いの概説(1)」 人の善、目的としての幸いとは何か? 『ニコマコス倫理学』A巻1・2・4章 |
第3回 | 「幸いの概説 (2)」 人の活動、よく生きることとは何か? 『ニコマコス倫理学』A巻7章 |
第4回 | 「幸いの概説 (3)」 徳と幸い、よい活動との関係。徳の分類。 『ニコマコス倫理学』A巻7・13章 |
第5回 | 「徳と中庸(1)」 快苦をめぐる倫理の徳。快苦の中庸。 『ニコマコス倫理学』B巻1・3・6・8・9章 |
第6回 | 「徳と中庸(2)」 中の特徴と補足―的中しやすくするために 『ニコマコス倫理学』B巻8・9章 |
第7回 | 「徳と中庸(3)」 徳の習慣づけ、徳育の構造と特徴 『ニコマコス倫理学』B巻1~3章 |
第8回 | 「徳と中庸(4)」 徳育をめぐる難問についての考察―徳育の循環構造 『ニコマコス倫理学』B巻4章 |
第9回 | 「いさおしさ(1)」 いさおしさとは何か 『ニコマコス倫理学』Γ巻6章 |
第10回 | 「いさおしさ(2)」 いさおしさと中庸 『ニコマコス倫理学』Γ巻7章 |
第11回 | 「いさおしさ(3)」 いさおしさの類例 『ニコマコス倫理学』Γ巻8章 |
第12回 | 「いさおしさ(4)」 いさおしさに伴う苦痛 『ニコマコス倫理学』Γ巻9章 |
第13回 | 「いさおしさ(5)」 うるはしい死をめぐる難問についての考察 |
第14回 | 理解度確認期間 「期末課題の説明」 レポートの書き方ほかの諸注意 ※冬休み前の講義にて説明する予定。期末レポートを提出する意思のある者は、必ず出席すること。 |
第15回 | 理解度確認期間 「平常試験および解説」 期末レポートの提出と講義のまとめ |
その他
教科書 | |
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参考書 |
参考書は特に必要としない。
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成績評価の方法 及び基準 |
期末レポートおよび中間レポートによる評価。レポートは論述形式(テキストを読んで論じる)。 {1}論述(テキストを読んで論じる)形式の期末レポートによる評価(評点の100%)。 {2}前半の講義内容をまとめた中間レポートを課す。中間レポートは提出の有無のみを評価し、評点はしない(ただし、合否に関して若干の考慮はする)。中間レポートを提出しない者は、期末レポートを含めて未受験(「判定不可」)とする。 {3}レポートはWeb上の情報に依拠することはできない(「不合格」とする)ので、注意すること。 {4}そのほか、レポートに関する不正行為はすべて「不合格」とするので、注意すること。 |
質問への対応 | 授業後に対応します |
研究室又は 連絡先 |
授業後に対応します |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
{1}履修希望者は第1回に必ず出席し、講義の説明を聞いて内容を確認してください。 {2}期末課題の説明には必ず出席し、課題について確認してください。 {3}講義形式ですので、私語を謹みご静聴ください。講義中におしゃべりをするひと、したいひとは、履修しないこと。 {4}レポートの評価は厳しく行う。例年、合格者は半数以下である。簡単に単位をとることができるだろうと予想しているひとは、履修しないこと。 |