2015年 短期大学部 シラバス - ものづくり・サイエンス総合学科
設置情報
科目名 | 電気材料 | ||
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設置学科 | ものづくり・サイエンス総合学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 鈴木 薫 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | E13S |
クラス |
概要
学修到達目標 | この授業は各種の電気・電子機器を構成する材料の性質や部品・デバイスの作成方法の基礎を理解していただくことが目的である。特に導体や半導体・誘電体・磁性体について電気物性学の基礎概念を用いると同時に、物質の電気的特性の身近な例からそれらを理解し活用できるように、それまでに学んだ電気磁気学の知識と、これにある程度の量子論的取り扱いを加味して講義する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
板書を中心とした講義形式で行う。 |
履修条件 | なし。物性の基礎と半導体デバイスの基礎の知識があれば理解は早い。 |
授業計画
第1回 | 電気材料の概略と体系的な特徴を歴史的な経緯や理論的な考え方などについてまとめ、電気材料の基礎と応用に関する導入として講義する。 |
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第2回 | 導電材料:粒子的模型による導電率や緩和時間をBoltzmanの輸送方程式から求め、Sommerfeldの電気伝導理論について述べる。金属導電材料として電線やケーブル・接点・ブラシ・フューズ・ろう付け材料などについて講義する。 |
第3回 | 抵抗材料:抵抗素子材料として、金属や炭素皮膜・酸化物薄膜抵抗体について講義する。 |
第4回 | 発熱材料:電流によるジュール熱発生について述べ、ジュールの法則について説明する。発熱材料としては、金属やSiC及び黒鉛などの非金属発熱体について講義する。 |
第5回 | 半導体材料の製法と素子化:半導体は抵抗率が導体と絶縁体の中間にあるとともに、抵抗率の温度変化に負の部分があるとか、光や磁界に対する特異な現象、整流効果などの性質を有している。これらの特異な性質が電気工学的に利用される応用例と帯構造に結び付けてどのように説明されるかについて講義する。 |
第6回 | 半導体の応用素子:半導体接合の製法として合金法や成長法・気相拡散法などを具体的に説明し、トランジスタやFET・サイリスタなどの構造と電気的特性について講義する。 |
第7回 | 磁性体の性質:原子の磁気モーメントについて考え、物質を構成する原子が持っている永久磁気双極子とその配列による磁性の関係について講義する。 |
第8回 | 磁性材料:永久磁石材料や磁心材料・磁気記録材料・特殊磁性材料の製造方法や特性について講義する。 |
第9回 | 誘電分極の巨視的検討:誘電分極を巨視的に表している分極や誘電率・電気感受率などの考え方について講義する |
第10回 | 誘電分極の種類:外部電界を印加して誘電体を分極させることは、誘電体を構成する原子や分子などがそれぞれ双極子となることであるため、この種類について講義する。 |
第11回 | 誘電分極の微視的検討:着目する原子や分子に対する微視的な誘電分極の取り扱いとして、ローレンツの内部電界とクラウシス-モソッティの式について講義する。 |
第12回 | 誘電分極の機構:誘電体に電界を加えると正負の電荷が変位して双極子となる瞬間分極や永久双極子が電界方向に配向するなどの機構により分極が生じる。この機構の概要を述べ、中でも配向分極の考え方としてランジュバン-デバイの式の取り扱いについて講義する。 |
第13回 | 絶縁材料:電気的絶縁を目的とした材料を気体・液体・固体に分類し、それぞれの代表的な物質について性質や特徴・製造方法などについて講義する。 |
第14回 | コンデンサー材料:基本的には絶縁材料と同じであるが電子素子の受動素子として用いられているコンデンサーに多用されている物質の性質や特徴・製造方法などについて講義する。 |
第15回 | 電気材料の体系的な特徴や理論的な考え方および基礎と応用に関する演習や平常試験など を行い、講義の総括を行う。 |
その他
教科書 |
川端 昭 『電子材料・部品と計測』 コロナ社 1995年 第初版
教科書のみで不足する部分はインターネットに「講義の資料」を掲示する。
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参考書 |
黒沢 達美 『物性論』 裳華房 1991年 第27版
酒井 善雄 ・ 山中 俊一 『電気物性学』 森北出版 1992年 第1版
物性論に基づいた専門的な参考書です。
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成績評価の方法 及び基準 |
出席が総授業回数の3/5に満たない場合は、履修放棄として扱い学業成績の査定は行わない。 試験(70%)、課題・演習(30%) |
質問への対応 | 授業中も可能、講義の後は電子メールを利用 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎8号館811号室, TEL : 03-3259-0770, E-mail : suzuki.kaoru@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 16:40 ~ 18:10
水曜 駿河台 16:40 ~ 18:10
金曜 駿河台 18:20 ~ 19:50
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学生への メッセージ |
板書を書き写し記憶するだけでなく、応用を含めた理解に努めて下さい。 |