2015年 短期大学部 シラバス - 総合教育科目・補充教育科目
設置情報
科目名 |
技術者倫理
技術者倫理とリスクマネジメント
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 村山 要司 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | N12F |
クラス |
概要
学修到達目標 | 科学技術に完璧はなく常にリスクが潜んでいる。技術者には、リスクが人々に危害を与えないようにすることに最大限の努力が求められる。 技術者として、「どう判断し、どう行動するか」を適切に判断することができるようになるため、「技術者倫理」、「リスクマネジメント」の知識を身に付ける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
教科書の内容を中心に、プロジェクタを利用した講義形式で進める。講義終了10分前に、毎回テーマを出し、短いレポートを提出してもらう。 |
履修条件 | 技術者を目指す学生。 「倫理」の予備知識は必要としない。 |
授業計画
第1回 | 技術者倫理はなぜ必要か: 教科書の著者が関わった2つの事例から、リスクと技術者、リスクマネジメントについて考える |
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第2回 | リスクマネジメントとは何か: 福島第一原子力発電所の事故から見たリスクマネジメントと危機管理の課題、情報提供者としての専門家の責任について考える |
第3回 | 技術者と経営者(1): スペースシャトルチャレンジャー号の爆発事故。技術者の安全性を重視した打ち上げ延期の提案はなぜ認められなかったのか。経営者はなぜ打ち上げを強行したのかを考える |
第4回 | 技術者と経営者(2): シティコープタワービルの事例、ビルの設計者自らが設計の欠陥を発見したときの行動を通して、技術者の倫理的責任、説明能力について考える |
第5回 | 説明責任(1): 原子力発電(高増殖原型炉もんじゅのナトリウム漏れ事故)の事例から、説明責任の重要性について考える |
第6回 | 説明責任(2): 化学物質の安全性、BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)の事例から、リスク認識、リスクコミュニケーションについて考える 平常試験(中間): ここまでの講義内容 |
第7回 | 危機管理 雪印乳業の集団食中毒事件、J&J社のタイレノール事件、参天製薬の「目薬」脅迫事件の事例から、トラブルにどう対処するか危機管理について考える |
第8回 | 変更管理: JCO東海事業所臨界事故から、現場の改善提案とそれに伴うリスク、変更管理について考える |
第9回 | ヒューマンエラー: JR西日本福知山線脱線事故の事例から、ヒューマンエラー、ヒューマンファクターについて考える |
第10回 | 製品事故と製造物責任: 塩素系カビ取り剤の死亡事故、シュレッダーによる指切断事故、森ビル自動回転ドア死亡事故、シンドラー社のエレベータ事故、4つの事例から、製品安全に対する製造者・技術者の責任について考える |
第11回 | 企業不祥事と技術者の行動: 三菱自動車リコール事件、食品不祥事(不二家)を事例として、企業における技術者のジレンマと行動について考える |
第12回 | 内部告発: 雪印食品牛肉偽装事件、トナミ運輸ヤミカルテル事件、首都高速道路公団事件の事例から、内部告発の実情を認識した上で、技術者の説明責任について考える |
第13回 | 情報倫理とセキュリティ: 個人情報漏洩、ウィルスの伝播など情報化社会で加害者とならないための情報倫理、情報セキュリティについて考える |
第14回 | 技術者が期待されていること(1): 技術者倫理とは何か、技術者の社会的責任、説明責任、技術者の行動、安全について考える |
第15回 | 技術者が期待されていること(2): 全体のまとめとして、期待される技術者について考える 平常試験(最終): 講義全体を通して |
その他
教科書 |
中村昌允 『 技術者倫理とリスクマネジメント -事故はどうして防げなかったのか?-』 オーム社 2012年 第1版
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
毎回の講義終了時のレポート(40%)及び平常試験結果(60%)。レポートは、内容並びに出欠席を兼ねて評価する。 出席回数が総授業回数の5分の3(9回)に満たない場合は,履修放棄として取り扱い,学業成績を評価E(判定不可)とする。 |
質問への対応 | 授業時間中と終了直後に対応 |
研究室又は 連絡先 |
murayama.yoji@gmail.com |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
技術が細分化・高度化された現代では、それぞれが専門家。専門家同士が、それぞれの分野で最善を尽くすことが前提で成り立っています。技術者の最も優先される責務は、科学技術のもたらす危害を防ぐことです。そのためには、一人一人が技術者としての誇りを持ち、倫理観に則って行動する必要があります。 |