2015年 短期大学部 シラバス - 総合教育科目・補充教育科目
設置情報
科目名 | 日本国憲法 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 上野 幸彦 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | N53Q |
クラス |
概要
学修到達目標 | 国家の基本法である「憲法」について、憲法にもとづく国家統治という「立憲主義」の意義を確認し、人間の尊厳性に基づく人権の意義やその重要性を踏まえて、日本国憲法における人権保障の内容および統治機構について基本的な理解の習得を目指します。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義の形式で、教科書にもとづいて説明を行います。われわれも身近に直面し得る人権問題として実際に裁判で争われたケースも紹介しながら授業を行うので、受講者も自分自身の問題として考え、議論し、意見を述べてほしいと思っています。 |
履修条件 | 特にありません。 |
授業計画
第1回 | 憲法の意義・・・憲法にもとづく国家統治という「立憲主義」の考えと人権との関連を中心に説明します。 |
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第2回 | 日本国憲法の基本原理とその相互関係・・・日本国憲法の基本理念である国民主権、平和主義、人権尊重について説明し、それら相互の密接な関係について検討します。 |
第3回 | 人権総説・・・人権とは何か、その歴史的な生成を概観したうえで、人間の尊厳価値に根差す人権観念の特質を踏まえ、その特色を明らかにします。 |
第4回 | 人権の享有主体・・・法人ないし団体、それから外国籍者に対する日本国憲法上の人権規定の適用について考えます。 |
第5回 | 人権の分類・・・一口に人権と言っても、様々なものがあります。そこで、多少整理して、自由権、社会権、参政権に分類して、それぞれの人権の内容の性質を理解しておきましょう。 |
第6回 | 包括的人権・・・憲法第13条は、人権全般に通底する「個人の尊重」と「幸福追求権」を保障していますが、本条の意味と、新しい人権問題について考えます。 |
第7回 | 法の下の平等・・・自由と並んで、人権のもう一つの柱は「平等」です。憲法第14条を中心に、平等権の保障について考えます。 |
第8回 | 精神的自由権・・・思想・良心の自由、学問の自由、信教の自由および表現の自由に関して説明します。ネットと表現の自由との関係や問題についても取り上げます。 |
第9回 | 経済的自由権・・・資本主義経済システムを支えている私有財産制および自由な市場を通じた取引の保障について説明します。 |
第10回 | 人身の自由・・・憲法は、人身の自由について詳細な規定を設けていますが、被疑者と被告人に関するものに整理して、説明を行います。 |
第11回 | 社会権・・・「人間らしい生存」を確保するための人権について、生存、教育、労働の各側面での国の支えを中心に説明します。 |
第12回 | 統治の基本原理とその構造・・・主権者である国民による国家統治(つまり民主主義)および国家権力の濫用を防止するシステムとしての権力分立について、憲法に即して説明します。 |
第13回 | 立法権と国会・・・民主主義を具現する方法として議会制民主主義が採用されていますが、国会の憲法上の地位や権能、組織について説明します。 |
第14回 | 行政権と内閣・・・立法府との関連(議院内閣制)について確認しながら、行政権を担う内閣の権能および組織について説明します。 |
第15回 | 司法権と裁判所/平常試験・・・違憲審査権および裁判所の組織について説明します。以上の講義のまとめも兼ねて、授業内で平常試験を行います。 |
その他
教科書 |
上野幸彦・古屋等 『国家と社会の基本法』 成文堂 2015年 第3版
講義は、教科書を利用しながら進めます。学習に必要な知識、判例情報、それに巻末には日本国憲法全文が採録されていますので、是非用意してください。
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参考書 |
参考書については、授業時に随時指示します。
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成績評価の方法 及び基準 |
成績評価の資料は、①平常試験の得点、②レポート、③ブログ課題です。①は択一式の試験です。テキスト、ノートなどの参照は許可します。②は、与えられたテーマについて1500字程度でパソコンで作成し、メールに添付して送信してください。送信先に評価通知を送ります。③は、ブログ上の宿題です。講義時に指示しますので、ブログを閲覧して次回の講義時に配布した用紙等で提出して下さい。ブログURLは、 http://www.blogs.yahoo.co.jp/yu_juraです。①50%、②③各25%の割合で、成績に反映させます。それぞれで獲得されたポイントの合計数にもとづいて、成績を付けます。 |
質問への対応 | 毎回、講義終了後、30分程度応接します。なお、メールでも随時受け付けます。メルアドは、下記参照。 |
研究室又は 連絡先 |
メールアドレス:yu_jura@yahoo.co.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
国家が人権を擁護しなければならないことはいうまでもありませんが、同時にわれわれも、他者の人権を尊重しあうという精神を共有する必要があります。こうした精神を汲み取って、しっかりと育んでください。 |