2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | サスティナブルデザイン特論 | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 本杉・早川(眞) ・畔柳 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C25A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 人は欲望と消費とともに生きています。だからこそ、それを制御するすべを持たねばなりません。消費することのカッコよさに憧れを誰もが抱いていた時代に『Small is Beautiful』を唱えたドイツ人経済学者がいた(E.F.シューマッハー/1973年)。そして今、私たちは事の深刻さを様々な気候変動・原発問題などによって体験している。都市も建築もこの問題から逃れることはできません。無関係そうに見える課題は複雑に絡み合っており、対処療法的・個別的な対応ではない、より包括的な思考・解決策が求められている。私たちが生きて行く上で欠かせない様々な生産・消費活動を見直し、効率的・効果的な手法を身に付ける必要がある。地球環境や人、そしてあらゆる生物への負荷をできるだけ抑制し、持続可能な環境を維持していくための暮らし、都市・建築手法およびデザインについて考えてみよう。 また、このような観点から新築、既存を問わず、建築や構造物を評価する動きが世界的に定着しつつある。わが国でも建築物の総合環境性能評価システムは、東京都環境評価制度、CASBEE、建築家協会などいくつかの評価システムがあるが、多くの自治体では一定規模以上の建築では確認申請の前に評価を受けることが必須となってきている。このような社会的要請の元に、私たちはモノづくりを計画しなければならない。建築とは環境性能評価のみで判断されるものではないが、建築の表現が社会性を持ち市民への説明責任を果たさなければならないことも自明である。 |
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授業形態及び 授業方法 |
スライド等を使用した座学、および建築見学と実地研究。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
普段から社会に対する問題意識を持ち、課題について考えること。 |
授業計画
第1回 | 指導教員の紹介 授業の狙いと概要 授業スケジュールと成績評価(教員全員) |
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第2回 | サスティナブル・デザインとは (本杉) |
第3回 | 世界のサスティナビリティ評価システム (米国のLEED、英国のBREEAM他) (早川) |
第4回 | CASBEEによるサスティナビィリティ評価 (早川) |
第5回 | 米国のLEED EBOM(既存ビル)の主要箇所翻訳と結果のプレゼンテーション演習 1 (早川) |
第6回 | 米国のLEED EBOM(既存ビル)の主要箇所翻訳と結果のプレゼンテーション演習 2 (早川) |
第7回 | 公共施設マネジメントの評価軸 ―建築資産を都市経営・行政サービスから考える(本杉) |
第8回 | 長寿命建築と機能転用 ―生き続ける建築をデザインを機能から考える(本杉) |
第9回 | サスティナブル社会のための建築術とライフスタイル ―社会全体の仕組みと生活からサスティナブル建築を考える(本杉) |
第10回 | 施設見学(日程・見学施設は調整中) (後日レポート提出、本杉) |
第11回 | サスティナブル・デベロプメント「持続可能な開発」の取り組み経緯 発展途上国における持続可能な環境計画(地域生活環境の向上のための方法) (畔柳) |
第12回 | サスティナブル・デベロプメント「持続可能な開発」の取り組み経緯 地域の自然資源の持続的活用(自然公園の環境保全と生活環境の改善の方法) (畔柳) |
第13回 | 気候変動の影響と持続的環境形成について 気候変動と近代化の狭間における建築と生活環境のあり方 (畔柳) |
第14回 | 気候変動の影響と持続的環境形成について アジアの水上社会を通してみた風土と持続性 (畔柳) |
第15回 | レポートに基づいてサスティナブルデザインの可能性関するグループディスカッション |
その他
教科書 |
『CASBEE 一連』
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
(財)建築環境・省エネルギー機構(IBEC) 『自立環境型住宅への設計ガイドライン』
(財)建築環境・省エネルギー機構(IBEC) 『CASBEE新築 簡易版』
U.S. Green Building Council (USGBC), LEED 2009 or 2012, FOR EXISTING BUILDINGS: OPERATIONS & MAINTENANCE
E.F.シューマッハー 『スモール・イズ・ビューティフル 』 講談社学術文庫 講談社 1986年
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成績評価の方法 及び基準 |
課題レポート(3名の講師による各課題×30%=90%)・発表及びグループディスカッション(10%)による総合評価 |
質問への対応 | 授業時間に各教員で対応します。即答出来ない場合は次週の冒頭で回答。その他の場合は、事前に下記のアドレスにメールをして、アポイントメントを取ってください。 |
研究室又は 連絡先 |
本杉省三<motosugi@arch.cst.nihon-u.ac.jp> 早川 眞<hayakawa@arch.cst.nihon-u.ac.jp> 畔柳昭雄<kuroyanagi.akio@nihon-u.ac.jp> 授業アシスタント 環境系助手; 内線(719)渡辺 |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 12:15 ~ 12:45
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学生への メッセージ |
出席しないと何も得られない。遅刻しないこと。 |