2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | 建築設計マネージメント特論 | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 本杉・八木 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C26B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 建築設計活動は、有資格者による専門的業務であると同時に、高度な社会的責任を有するものである。多様化・複雑化・高度化する社会環境に伴って、建築設計・監理業務も同様の傾向が進んでいる。その職能が置かれている現状を理解し、業務の広がりと責任、計画性と経営性を同時に実現することについて学ぶ。そうした認識のもとに、職能と倫理、権利と責任、資格と業務範囲等を正しく理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
建築は、人々の安全と安心の拠り所を作る仕事である。日々の暮らしに欠かせない重要な社会的存在であり、文化的価値を有するものでもある。建築が社会的、文化的に負っている責任の重みを理解し、正しい倫理観を持って建築設計業務が行われなければならない。その依って立つ法的根拠、資格、国際的な認識等について体系的な授業を行う。また、企画から維持管理に至る業務全般、多様化する発注者やユーザー、設計者選定、コスト・コントロール、業務報酬、事務所経営などについては、実務に携わるゲストを招きながら授業を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
職能に関する倫理観、権利と責任について、単に座学として学修するのではなく、それを日常の建築設計や計画の中で実践していく必要がある。そのため、普段から社会的な出来事に関心をもち、社会状況や要請について考え、問題意識を持つことが望まれる。 |
授業計画
第1回 | 授業の主旨とその意義 授業の主旨とその意義 授業の進め方と評価について <レポート課題出題:A4・2400字程度 メール提出> |
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第2回 | 建築と社会 建築の社会的、文化的意義について・・・社会文化資産としての建築・都市 現代社会をどう読むか、そして建築に何が可能か? |
第3回 | 建築の設計行為 建築設計の概要=建築企画から維持・修繕・改修まで 多様化する現代社会と多様化する建築設計業務の行方 |
第4回 | 設設計者の権利と責任 建築士法の業務独占の権利、著作権法に規定されている設計者の権利 業務委託の信任に伴う責任、設計者の法的・社会的・倫理的責任 近現代社会における建築家 |
第5回 | 建築家の資格と建築家教育・国際化 建築家の国内資格と国際資格、またその基礎となる教育に関わるUNESCO/UIAやJABEE教育プログラム認定制度 |
第6回 | 建築家の職能 建築・建築家という概念の誕生の歴史・・・現代社会におけるその存在意義 歴史的な建築像と現代における建築家の職能 アトリエ建築家・組織設計事務所建築家・ゲネコン建築家 <レポート提出①> |
第7回 | 建築関連分野の職能 企画・ファイナンス・開発・商品化・流通等建築関連分野における職能と広がり ネット社会における建築企画プロデュ-スと建築家の役割 建築家の仕事の広がりと狭まり (前半のまとめ) |
第8回 | レポートに基づくディスカッション |
第9回 | 発注者・ユーザー・設計者・施工者・管理運営者 複雑化、多様化するそれぞれの組織と設計主体のあり方 建築業界の様々な立場の人達の役割とその協働関係 「リノベーション+シェアハウジング」を事例に、これからの建築の行方 |
第10回 | 設計者の選定 コンペティション、プロポーザル、QBS、特命や入札など設計者選定方法の功罪 設計者を選定する根拠 建築設計の優劣の判断基準 |
第11回 | 設計の実務 都市デザインから家具デザインまで、企画段階から完成後のフォローアップ業務まで各分野、各フェーズにおける設計の実務 多様化する現代社会における設計業務の種類とそのプロセス |
第12回 | 設計図書、仕様書の役割 建物を施工するための実施設計図書や仕様書の役割 設計図書の成り立ち、請負契約図書の構成、建築イメージ表現手段の多様化 何のためにどのような図面を誰が画くのか? <レポート課題出題②> |
第13回 | コスト・プランニングとコスト・コントロール プロジェクト・ファイナンシングから建設費の立案 積算、ヴァリュー・エンジニアリング(VE) 建築費を誰がどのようにして決めるのか、建築デザインと建築費との関係 |
第14回 | 建築設計事務所の経営 法人・個人・プロフェッショナル・コーポレーション(PC)、専業・兼業等の設計事務所形態業務報酬、設計・監理委託契約、事務所の経営とその財務 設計事務所の形態とその運営、設計料の根拠 地方建築家の役割 (後半のまとめ) |
第15回 | レポートに基づくディスカッション |
その他
教科書 |
特になし。参考資料等を授業時間ごとに配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
参考資料を授業時間ごとに配布する。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポートの内容(70%)と授業中の質疑応答及びグループディスカッション(30%)による総合評価。 |
質問への対応 | 授業中に受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
本杉省三<motosugi@arch.cst.nihon-u.ac.jp> 八木 佐千子 <yagi@studio-nasca.com> 駿河台校舎5号館8階586室 03-3259-0717 |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 12:15 ~ 12:45
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学生への メッセージ |