2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | 建築学特別講義 | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 井上 勝夫 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C35D |
クラス |
概要
学修到達目標 | 衣食住の3要素は、同じ素材を使ったにしてもおかれた環境や情勢により、異なる結果をもたらします。私たちが扱う住の部分も結果である形態は様々である。地域環境、風土、民族、歴史等により結果は違うものである。先人はどのように社会の中で建築をとらえ醸成させたのか。企業講座の利点を生かし、各回違った視線をもつ講師を招き建築に対するエッセンスを学び、各自の能力を養う。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義を中心とするが、レポートの提出なども併用する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
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授業計画
第1回 | (学習目標と授業スケジュールの説明)居室→建築→都市という空間の拡大を「環境」という軸で捉え、建築空間の性能向上・維持を達成しつつ、環境と共生する都市づくりを如何に実現するか、本講座の主旨と目的を説明し,講座の全体計画及び講師陣の紹介を行う。 |
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第2回 | (都市の拡大、建築の歩みと環境の変化―行政の立場から―)都市の形成と建築の在り方の変化が、多くの地域で環境を大きく変えてきた。特に、産業革命、化石燃料の大量導入以降の影響は著しい。公害、感染症、現在の地球環境問題に至る様々な関わりを分析し、今後の生活や環境の安定の確保に何が必要かを考える。 |
第3回 | (都市・環境、そして建築をどう考察するか)建築・都市と環境は、判断する基準・どのような側面で、どのような立場で見るかで、異なった評価がでる。したがって、どの側面、どのような立場、どのような規模で分析し、判断するか、その位置を設定することである。 |
第4回 | (環境負荷の小さい快適な街づくり)リモートセンシングで収録した熱画像を用いて,今日の都市に熱があふれていることを示す。ヒートアイランド現象の形成要因を整理した上で,環境負荷の小さい快適な街づくりの設計規範を述べる。具体的な手法として,都市・建築緑化とその環境調整効果を解説する。 |
第5回 | (環境・防災まちづくりと都市エネルギーシステム)東日本大震災以降、エネルギー需給のあり方が見直され、省エネルギー・省CO2性 のみならず、災害に対して強靭なエネルギー基盤が求められている。本講義では、地球環境問題と災害の関係を整理し、この両面、およびスマート化の社会動向もふまえて、これからの都市エネルギーシステムを考える。 |
第6回 | (社会の中の建築と建築士の役割)建築は単に「敷地に建物を建てて完結する行為(作品)」ではなく、「社会的責任のある持続的な行為(資産)」であることを認識し、法令や制度の基礎知識を習得するとともに、実務家としての建築士が果たす義務と責任を学ぶ。 |
第7回 | (持続可能な社会に求められる住宅の基本性能について)住宅を良質なストックとして形成するために必要となる基本性能(耐震性能、省エネルギー性能など)と、日本における住宅の現状と課題を踏まえて、今後の目指すべき持続可能な社会における住宅の在り方を、法令や制度を通して学ぶ。 |
第8回 | (まちなみ・景観と建築)2003年に美しい国づくり政策大綱が出され、2004年には景観法が成立した。景観法が成立し、景観計画が立案されるようになって、建築物や工作物にも行為の制限がかけられるようになった。景観法の制定に至る我が国の景観に関わる課題を整理し、景観計画における建築物等にかけられる制限とその景観に対する影響について解説する。 |
第9回 | (建築の室内環境 温熱・空気)近年、経済発展や科学技術の進歩に伴い、また都市への人口集中の結果、建築物の高層化や増加が進んでいる。その構造も密閉性のものが増加し、建築物内の環境は人工的に調節されている。すなわち、建築物内で生活する時間が増加している現代人にとって、建築物の室内環境管理が一層重要になってきている。 |
第10回 | (建築の室内環境 光・視環境)本講義は,建築室内における光・視環境の分野で近年注目されている「明るさ感」に関して,研究潮流や実務に向けた応用面からの講話を軸に,関連する光・視環境の基礎的事項を概観する形で進めるものである。 |
第11回 | (建築の室内環境 「音・振動環境」)最近、建築物の音響性能が居住者に対して心理的、生理的に大きな影響を及ぼすとして重要な要因と位置付けられ,特に集合住宅や複合建築物を中心に静謐性の確保、音響的独立性(プライバシー確保)の実現が要求されている。本講では建築物の音響性能と居住者反応について実情を解説する。 |
第12回 | (建築物の環境負荷低減 エネルギーとリサイクル)建築内では冷房と暖房が同時に必要になったりしますが、エネルギーを移動して余計なエネルギー無しに冷暖房できます。生ごみが発生した時、発酵させてエネルギー源として利用できます。エネルギーとリサイクルについて考えましょう。 |
第13回 | (建築物の環境負荷低減特性 「建築・都市と風」)建物周辺や街路において風が関わる環境問題を取り上げる。キーワード:強風・弱風と乱れ,快適さに対する風の影響,建物周辺の風の流れ,熱・微粒子に対する風の輸送効果,騒音に対する風の影響,風力エネルギー |
第14回 | (多様化する公共性と建築デザイン)21世紀もすでに15年を過ぎようとしており、戦後から震災などを経験した私たちの都市空間には、前世紀には考えもしなかった社会的状況が展開している。これからの都市社会に必要なパブリック性を持った建築のあり方を探る。 |
第15回 | (建築環境性能と法的責任)音や振動など建築環境性能に関する法的トラブルは、契約型と不法行為型に大分される。契約型は、契約した当事者との間の問題であり、判断基準は、契約内容である。また、不法行為型は、契約関係にあるないを問わず、他の国民との間の問題であり、判断基準は、多くは、受忍限度を超えるか否かである。 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
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成績評価の方法 及び基準 |
学生の授業評価は、毎回講演を聴講し、テーマ別に合計4つのレポート課題を提出することを義務とする。レポートの評価は、担当教員が100点満点で採点する。 |
質問への対応 | |
研究室又は 連絡先 |
井上研究室 03-3259-0418 |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 11:00 ~ 12:30
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学生への メッセージ |