2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 建築学専攻
設置情報
科目名 | 建築環境工学特論Ⅳ | ||
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設置学科 | 建築学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 早川 眞 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C44A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 地球環境時代の今、社会の持続的発展を図るための建築の果たすべき役割は大きい。ここでは総合科学としての建築の省エネルギー、長寿命化、素材の有効利用や再利用などの地球環境負荷の低減の目標、手法を学ぶ。特に、大規模建築は建築時や運用時に多大な資材やエネルギーを要すると共に、周囲や地域の環境に及ぼす影響が大きい。したがって、その計画に際しては省エネルギー、周辺環境への配慮が重要なコンセプトの一つになっている。数件の大空間建築を題材に、環境配慮建築の建築計画、設備計画や施工、運用計画の立て方をISO14001やCASBEEを考慮しながら学ぶ。これによってインターンシップでの設備計画・設計の習得に戸惑うことなく取り組める。以上の学習を踏まえて自身の修士研究テーマと環境との関連を明らかにし、その内容を発表・討論する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
プリント配布とパワーポイントで題材、問題点の提起を行い、その解決策を議論する。その上で、実際の解決策との比較を行う。最後に、各自の研究テーマの環境側面からの評価を演習する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
なし |
授業計画
第1回 | 世界の「建築の総合環境性能評価 LEED,BREAM,CASBEE」の動向 |
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第2回 | 通風計画の実際(名護市庁舎の事例);環境配慮建築の基本用件が通風、自然換気計画である。平面の大きい建物の通風計画の事例として「風の道」計画とそれを実現するまでの技術的なプロセスを紹介する。 |
第3回 | 豪雪地域の大空間施設の設備;豪雪地帯に冬でも土の上でスポーツを楽しめる目的で膜屋根のドームを建設した。雪対策、温熱環境計画、暖房設備の計画とそれを実現するまでの様々な実験や試みと竣工後の運営状態を紹介する。また、サステナブルデザインとしての評価をCASBEEを用いて説明する。 |
第4回 | 後利用を考えたオリンピック記念アリーナ;巨大施設は周辺への影響を考慮した環境配慮建築でなくてはならない。また、日常の維持管理が容易で安価でなくてはならない。計画から竣工後のフォローの結果を紹介。 |
第5回 | サステナブル建築(1)1号館の熱空気環境;快適な空間を目指して、講堂、ロビー教室と設備的に様々な試みがなされた。竣工までのプロセス、竣工後のフォロー、改良結果までを紹介。 |
第6回 | サステナブル建築(2)船橋14号館の環境設計と運用時の性能評価までを紹介。具体的な表現方法を学ぶ。 |
第7回 | PMVの理解と算出。 PMVは自分たちで算出できる。自分たちで測定したデータをもとに、PMVが計算できるように理論の学習とEXCELでソフトを作成する。 |
第8回 | トレーサガスを用いた換気量測定の演習;炭酸ガスを用いて、模型室内空間の換気量を求める方法の理論の学習と実習を行う。 |
第9回 | 環境管理システム(EMS) 1;ISO14001の考え方、要求される項目、環境側面から環境プログラムまで概観 |
第10回 | 環境管理システム(EMS) 2;自分たちの研究テーマ、研究行為を環境管理の面から評価することを事例で体得する。 |
第11回 | 高層建物の内部空気流動;高さと内外温度差によって決まる煙突効果が引き起こす様々なトラブルを知ることで、高層ビルに潜む圧力差、膨大な隙間風、気流の存在を学ぶ。そして、計画に際して留意すべきことを学ぶ。 |
第12回 | 建築空間における噴流制御の事例;建築には空調・換気には噴流が用いられ、様々な方法で制御される。噴流の慣性力や浮力が気流に及ぼす影響など、事務室、体育館、国技館などの事例を示して説明する。 |
第13回 | 発表と討論「私の研究と環境との関わり(1)」;各自が修士論文のための研究をとりあげて、それが地球環境問題とどのような形で関わりあっているかを紹介し、皆で議論する。 |
第14回 | 発表と討論「私の研究と環境との関わり(2)」;各自が修士論文のための研究をとりあげて、それが地球環境問題とどのような形で関わりあっているかを紹介し、皆で議論する。 |
第15回 | 環境配慮建築の落とし穴; すばらしいデザインの環境建築も土地の風土をよほど調査した上でのものでないと、使い物にならない例を示し、環境配慮建築の計画で注意すべき事項を議論する。 |
その他
教科書 |
毎回、プリント配布
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート「私の研究と環境との関わり」の発表内容を中心に評価する。 |
質問への対応 | 授業中に回答、即答出来ない場合は次週の冒頭で回答。オフィスアワーは毎週木曜日、13時20分から14時半、講師控室。あるいは常時メールで受付中。 |
研究室又は 連絡先 |
早川 眞 hayakawa@arch.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
出席しないと無意味なので欠席しないこと,遅刻しないこと。 |