2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 |
応用数学Ⅱ
有限要素法の数学的な基礎の確立を目ざして
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設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 下関 正義 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | E23B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 有限要素法(FEM)はこれからの設計技術者にとって必須な解析手法である。その原理を理解しないでは、活用に限界がある。技術者はFEMというツールを使いこなすのに必要不可欠な、理論的背景を易しく解読していく。解析力学、変分原理の復習から始めて、離散化の手法や近似解法を紹介していく。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対話形式で授業を進めていく。頻繁にミニテストを実施し、理解度を確認しながら授業内容を加減する。 出席はとらず、期末のレポートもない。ミニテストと授業態度で成績を決める。資料はコピーを配布して、講義に集中できるようにする。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
前期:応用数学Ⅰを受講した者を前提とする。できればパソコンが扱える環境にあることを望む。 |
授業計画
第1回 | 本講座の目指すところは有限要素法の理解にある. 応用数学Ⅰで習得した事項が,本解法において担う役割を明示 |
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第2回 | トラス部材の剛性を仮想仕事の原理より導出する. カステリアーノの定理,相反定理からも誘導可能なことを確認 |
第3回 | 骨組み構造における全体剛性の求め方を提示. 境界条件(力学的と幾何学的)の本質的な相違点の確認 |
第4回 | 弾性力学の支配方程式を復習する. 変位法と応用力のアウトラインを具体的に紹介 |
第5回 | 有限要素法の全体的な流れを紹介. 特に直接剛性法の根拠を詳述 |
第6回 | 要素分割における留意点を列挙. その理由,根拠,裏付けを明確化 |
第7回 | 要素剛性マトリックスの作成. 仮想仕事の原理を用いて導出 |
第8回 | 全体剛性マトリックスの作成. 直接合成法の理論的な根拠を解説 |
第9回 | 連日1次方程式の解法を紹介. 三角分解,コレスキー分解の有効性を詳述 |
第10回 | 応用解析の方法を紹介. 節点変位を用いて要素内の応用分布を求める方法 |
第11回 | 固有値問題の解法を紹介. ベキ乗法,ヤコビ法などの特色を明示 |
第12回 | アイソパラメトリック要素の紹介. ヤコビアンの有効性を詳述 |
第13回 | 数値積分法の紹介. ガウス積分の数学的裏付けを明確化 |
第14回 | 境界要素法の紹介. 有限要素法との比較において,その特徴を明確化 |
第15回 | 応用数学Ⅰ,Ⅱ全体を通しての総復習 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
下関正義 『パソコンによる弾性力学入門』 サイエンス社 1983年 第1版
下関正義、藤沼平一 『有限要素法プログラミングの実際[Ⅰ]、[Ⅱ]』 日刊工業新聞社 1991年 第1版
下関正義、藤沼平一 『有限要素法/非定常熱応力プログラミング』 日刊工業新聞社 1988年 第1版
M.Shimoseki , FEM for Springs, Springer, 2002, 1 edition
戸川隼人、下関正義 『パソコンによる境界要素法入門』 サイエンス社 1988年 第1版
矢川元基、吉村忍 『有限要素法』 計算力学とCAEシリーズ 培風館 1995年 第1版
講義においては基本的な考え方を中心に解説するため具体的なプログラミングに関しては参考書で補って欲しい。
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成績評価の方法 及び基準 |
毎回の簡単なテストで理解度をチェックする |
質問への対応 | 節目においてアンケートをとり、不明な点をチェックして、回答する事を心掛ける。 |
研究室又は 連絡先 |
shimo320@ezweb.ne.jp 03-5451-2771 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
じっくり考える時間は学生時代の特権。物事の本質を理解しておく事が社会に出てからの実践において、一番大切なこと。 |