2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 | 振動工学特論Ⅱ | ||
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設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 渡辺 亨 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | E34B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 振動工学特論Ⅰを基礎にして、アクティブ振動制御法についての知識を与える。具体的には、制御理論の概要の理解(現代制御、H∞制御)とアクティブ制御器設計手法の理解。 |
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授業形態及び 授業方法 |
主に板書。必要に応じて計算機を用いたデモンストレーションなども行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
振動工学特論Ⅰを履修している事が望ましい。また、制御工学についてある程度知識がある事が望ましい。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス(振動と制御における基礎概念の復習) |
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第2回 | 現代制御理論の基礎その1(状態方程式) 現代制御理論で用いる状態方程式の導入.振動系の行列運動方程式からの定式化. |
第3回 | 現代制御理論の基礎その2(評価関数とリッカチ方程式) 2次形式評価関数の導入とトレードオフ概念の理解.リッカチ方程式による求解. |
第4回 | 現代制御理論の基礎その3(出力フィードバックとオブザーバ) 観測雑音とシステム外乱のトレードオフ概念の理解.リッカチ方程式による求解. |
第5回 | 現代制御理論を用いた制振システム設計その1 準最適制御則を用いた固定ゲインによる近似状態フィードバック制御手法の紹介 |
第6回 | 現代制御理論を用いた制振システム設計その2 現代制御理論の拡張(周波数成形LQG制御、LQG/LTR,LQI制御など) |
第7回 | H∞制御理論の基礎その1 現代制御の問題点、モデル誤差(加法的・乗法的、構造的・非構造的),ロバスト性 |
第8回 | H∞制御理論の基礎その2 ノルム概念の導入,H∞ノルムの直観的理解,小ゲイン定理の直観的理解 |
第9回 | H∞制御理論の基礎その3 一般化プラント概念の導入、H∞制御問題(感度低減問題、ロバスト安定問題) |
第10回 | H∞制御理論を用いた制振システム設計その1 構造的誤差を考慮した定式化による,パラメータ変動に対しロバストな制御器設計 |
第11回 | H∞制御理論を用いた制振システム設計その2 非構造的誤差を考慮した定式化による,スピルオーバに対しロバストな制御器設計 |
第12回 | H∞制御理論を用いた制振システム設計その3 構造的誤差と非構造的誤差,両者を考慮したより現実的かつ合理的な定式化 |
第13回 | アクティブ振動制御の事例紹介 講義または学外の研究施設見学.日程の都合により第14・15回との入替あり |
第14回 | 平常試験 |
第15回 | 平常試験の解説 |
その他
教科書 |
背戸一登 『構造物の振動制御』 コロナ社 2006年 第1版
構造振動制御に関する教科書。振動学の基礎から制御系設計,適用例まで含む良書。構造制御に関心のある者には特に強く勧める。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
木村英紀,藤井隆夫 『ロバスト制御』 コロナ社 1994年 第1版
ロバスト制御に関してまとめられた良書。特定の制御理論に偏らず,ロバスト性の考え方から説き起こしておりロバスト制御に関心のある者には強く勧められる。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート(80%)および平常試験(20%)で評価する。 |
質問への対応 | 随時受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎3号館4階345室、内線741、toruw@mech.cst.nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 10:40 ~ 12:10 3号館4階345室
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学生への メッセージ |
制御理論を使いこなす技術の習得に重点を置き、証明等は行わずに直感的な説明を旨として講義します。あまり数学・制御工学に自信が無い人もどしどし履修してください。 |