2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 航空宇宙工学専攻
設置情報
科目名 | 高速気体力学 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 航空宇宙工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 西川 進榮 | 履修期 | 年間 |
単位 | 4 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | G23A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 講義を通して高速気体力学の基礎知識を習得し、それに関連したレポート作成とプレゼンテーションで高速飛行体の空力設計について理解を深めます。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
授業は板書による講義70-80分と年間一定回数の受講生によるレポートのプレゼンテーション10-20分とからなります。レポートの作成はPC(ワードとエクセル等)を使用することとし、その提出とプレゼンテーションは原則として次週の授業の最初の時間帯とします。指名された受講生は提出レポートのプレゼンテーションを板書やプロジェクターで行い、全員で討論する事とします。この時間帯は重要なので遅刻はしないようにしてください。課題は授業内容にそって年間15-20回を予定し、従ってプレゼンテーションは受講生数にもよりますが数回/年人となります。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
流体力学の基礎知識を習得していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 授業科目概要の説明 |
---|---|
第2回 | 一次元気体力学(1) 連続の方程式、Euler方程式、状態方程式 |
第3回 | 一次元気体力学(2) 運動量方程式、等エントロピーの条件、音速、Mach数 |
第4回 | 一次元気体力学(3) エネルギーの方程式、Bernoulliの式、動圧、一定断面積の流れ、垂直衝撃波 |
第5回 | 一次元の波動(1) 衝撃波の伝播、一次元の等エントロピー運動の式、音波の方程式 |
第6回 | 一次元の波動(2) 音波の伝播、音の速さ |
第7回 | 一次元の波動(3) 有限振幅の波の伝播、膨張波 |
第8回 | 超音速流中の波動(1) 斜め衝撃波、衝撃波角βと流線傾きθの間の関係、くさびを過ぎる超音速流、Mach線 |
第9回 | 超音速流中の波動(2) 弱い斜め衝撃波、曲壁による超音速圧縮、曲がりによる超音速膨張 |
第10回 | 超音速流中の波動(3) Prandtl-Meyer関数、膨張波、壁から離れた衝撃波 |
第11回 | 超音速流中の波動(4) 超音速流中の円錐 |
第12回 | 遷音速流と超音速流 薄翼理論、揚力のある平板、抵抗の減少法、遷音速翼型、抵抗発散 |
第13回 | 理想気体でない流れ、実在気体、分子構造、原子構造の寄与、極超音速流 |
第14回 | 管および風洞内の流れ(1) 断面の変化する管内の流れ、断面積関係 |
第15回 | 管および風洞内の流れ(2) 低速風洞、遷音速風洞、超音速風洞、極超音速風洞、特殊風洞 |
第16回 | 測定法(1) 圧力測定と静圧、総圧 、可視化法 |
第17回 | 測定法(2) くさびや円錐を使っての圧力測定とマッハ数、速度 の算出 |
第18回 | 摩擦のない流れの方程式(1) 連続の方程式、運動量方程式、エネルギー方程式 |
第19回 | 摩擦のない流れの方程式(2) 円筒座標系、極座標系、曲線直交座標系での記述 |
第20回 | 摩擦のない流れの方程式(3) 速度ポテンシャル 、完全ポテンシャル方程式 |
第21回 | 微小変動理論(1) 変動方程式の誘導、圧力係数、境界条件 |
第22回 | 微小変動理論(2) 波状壁を過ぎる二次元流、超音速流中の波状壁 |
第23回 | 微小変動理論(3) 薄翼理論、平行流に近い流れ |
第24回 | 回転体、細長物体の理論(1) 円柱座標、境界条件、圧力係数 |
第25回 | 回転体、細長物体の理論(2) 軸対称流 |
第26回 | 回転体、細長物体の理論(3) 超音速流れ場の速度、円錐に対する解、細長円錐に対する解、細長物体の抵抗 、エリアルール |
第27回 | 回転体、細長物体の理論(4) 超音速流中の迎角をもった回転体、横断流の境界条件と解、細長回転体の横断流、揚抗力 |
第28回 | 高速気流の相似法則 Prandtl-Glauertの法則 二次元のあるいは軸対称線形流れ、 |
第29回 | 変動伝播へのマッハ数の寄与と数値計算法の対応 |
第30回 | 高速気流などにおける変分原理 |
その他
教科書 |
いくつかの教科書*をもとにしたプリントを使用、* 岩浪、平山著、基礎力学演習、流体力学 実教出版、*リープマン・ロシュコ著、玉田訳 『気体力学』 吉岡書店( 原著Elements of Gasdynamics DoverBooks など)。
|
---|---|
参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
教科書コメントに挙げた本は参考書でもありますが、準備しなくても結構です、国内外の論文資料も引用し資料も配布します。 板書などと配布プリントで説明します。授業はこれらにそった基礎的部分とレポートに関連した応用部分とが平行して進みます。
|
成績評価の方法 及び基準 |
(1)レポートの内容(講義内容理解度の評価)を80%、(2)レポートの書き方(読む人に分かりやすく書けているか評価)を10%、(3)プレゼンテーション(聞く人に分かりやすく説明できたか評価)を10%、を目安とします。 レポート作成、提出にあたっては ・自分で計算、作図、考察すること。他人のものを複写したものは提出物とは認めません。 ・原則として次週の講義前までにメール添付か講義室で提出すること。講義については ・学会出張、病気等やむを得ない場合を除き、遅刻、欠席をしないようにしてください。これらが著しい場合も減点対象とします。 |
質問への対応 | (1)講義内容については講義中に随時。(2)課題内容についてはプレゼンテーション後の討論時間に。(3)電子メールでも随時受付。 |
研究室又は 連絡先 |
年度初めの授業時にメールアドレスを示します。また受講生のメールアドレスも提出していただきます。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
授業の方針は「自らが授業に参加すること」です。受身では実力はつきません。講義への出席 、レポート作成及びプレゼンテーション等を通して全ての受講生に積極的に授業に参加していただきます。 |