2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 電気工学専攻
設置情報
科目名 | 超伝導特論 | ||
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設置学科 | 電気工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 久保田 洋二 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | H44B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 電気抵抗がゼロという不思議な超伝導現象とその原理を理解し、超伝導応用の基礎を学ぶ。臨界状態、ジョセフソン効果、交流損失、超伝導伝線材、超伝導マグネットとSQUIDの基礎技術を学び、超伝導応用の実際を理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
電子媒体を用いた講義形式、画面のプリントを配布する。 適宜、演習を行い内容の理解を深める。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
電磁気学Ⅱ、物性の基礎、電磁波の基礎、半導体デバイスの基礎、電子デバイス、電気材料を履修している事が望ましい。物質中の電子と格子の振る舞いを理解していると講義内容が分り易い。 |
授業計画
第1回 | Ⅰ.超伝導の基礎 Ⅰ.1 超伝導の概観 超伝導の発見とその歴史 |
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第2回 | Ⅰ.2 常伝導現象と超伝導現象(完全反磁性、完全伝導性、超伝導トンネル効果、磁束の量子化) Ⅰ.3 熱力学的な考察:自由エネルギーによる常伝導と超伝導の相違 |
第3回 | Ⅰ.4 ロンドンの現象論:ロンドン方程式、完全反磁性、磁場侵入長 ロンドン方程式の応用例 演習(ロンドン方程式)と解説 |
第4回 | Ⅰ.5 超伝導の微視的理論(BCS理論):Cooper Pair, 超伝導の発現機構 |
第5回 | 臨界温度、臨界磁場 Ⅰ.6 ギンツブルグ・ランダウ(GL)理論:GL方程式、磁場侵入長、コヒーレンス長 |
第6回 | 界面エネルギー、下部臨界磁場、上部臨界磁場、不可逆磁場、臨界電流密度 |
第7回 | ジョセフソン効果、GLパラメータκ、中間状態と混合状態、第Ⅰ種超伝導体、 第Ⅱ種超伝導体、(GL方程式)と解説 |
第8回 | Ⅱ.超伝導応用の基礎 Ⅱ.1 磁束跳躍、超伝導の不可逆過程、臨界状態 |
第9回 | Ⅱ.2 臨界状態モデル(Bean モデル、Kim-Anderson モデル)、超伝導体内部の電流密度と磁束 密度分布、第Ⅱ種超伝導体の磁化過程、磁化のヒステリシス |
第10回 | 演習(臨界状態)と解説、臨界電流密度 Ⅱ.3 磁束量子線の運動:磁束量子のピン止め力とローレンツ力、 |
第11回 | 熱的磁束フロー、磁束クリープ、磁束フロー Ⅱ.4 交流損失:ヒステリシス損失、結合損失、渦電流損失、超伝導体の安定化 |
第12回 | Ⅲ. 超伝導応用の実際 Ⅲ.1 各種超伝導線材の特性:NbTi、Nb3Sn、MgB2、 |
第13回 | 銅酸化物高温超伝導体(HTS)等 Ⅲ.2 SQUIDの概要:原理と応用例 |
第14回 | Ⅲ.3 超伝導マグネット技術と概要:安定化、高電流化、低交流損失化、永久電流スイッチ 超伝導電力ケーブル |
第15回 | Ⅲ.4 超伝導電力貯蔵用マグネットと線材(SMS)、MRI用超伝導マグネットと線材、 核融合用超伝導マグネトと線材、 レポートの課題 |
その他
教科書 |
教科書は特に使用しない。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
M.ティンカム、小林俊一訳 『超伝導現象』 産業図書 1991年 第5版
Martin N.Wilson, Superconducting Magnets, Clarendon Press Oxford, 1983
丹羽雅昭 『超伝導の基礎』 東京電機大学 2009年 第3版
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート:70%、 演習:30% |
質問への対応 | |
研究室又は 連絡先 |
メール・アドレスは授業中に指示する。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
超伝導の直流使用では、エネルギー損失ゼロです。直流の電気機器を考案しましょう。室温超伝導体を発見しましょう。エネルギー危機は無くなり、自然破壊も無くなるでしょう。 |