2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 電気工学専攻
設置情報
科目名 | 機能性物質特論 | ||
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設置学科 | 電気工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 松田 健一 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | H61A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 現代の社会は,多くの先端機能性材料によって支えられていると言っても過言ではない.その中で,本講義では1.光材料,2.磁性材料,3.超伝導材料,4.ナノメートルスケールの材料,の4つに焦点を宛て,それぞれの基本特性から応用までを,ポイントを絞って学ぶ. |
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授業形態及び 授業方法 |
配布した講義資料を基に,各回で設定された分野について輪講形式で実施する. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部学生程度の基礎物理学,特に「物性の基礎」や「電気材料」の知識が望まれる.「量子力学」の基礎的な知見があることを仮定する. |
授業計画
第1回 | 電気電子材料工学の現状を概観し,機能性物質が果たしている役割と,今後に向けた期待や応用について講義する. |
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第2回 | 光材料I:真空中の電磁気学を復習し,その後,物質中の電磁気学を概観する. |
第3回 | 光材料II:誘電体内での電磁波の伝播に焦点を当て,光の反射や屈折について理解する. |
第4回 | 光材料III:金属内や表面での電磁波の振る舞いに焦点を当て,光の振動数に対する依存性やプラズマ振動について理解する. |
第5回 | 磁性材料I:磁性の起源となる電子の軌道とスピンについて基本を理解する. |
第6回 | 磁性材料II:物質中の磁気的な秩序の種類を学び,その中で,反磁性と常磁性を取り上げる.またそれらの材料の応用についても理解する. |
第7回 | 磁性材料III:強磁性について理解する.また,強磁性体を用いたスピントロニクス応用についても概観する. |
第8回 | 超伝導材料I:超伝導現象に関する実験事実を整理し,超伝導状態に関する基礎的な事項を理解する. |
第9回 | 超伝導材料II:超伝導を利用したジョセフソン素子の構造と動作特性について学ぶ.また,ジョセフソン素子を応用したいくつかの計測技術を学ぶ. |
第10回 | 超伝導材料III:近年注目を集めている高温超伝導材料の基本的事項を整理する.また,高温超伝導材料のいくつかの応用例についても紹介する. |
第11回 | ナノ材料I:微小な半導体材料を利用した単電子デバイスの動作原理や構造について学ぶ.また,量子計算に用いる場合の量子ビットとしての応用例についても紹介する. |
第12回 | ナノ材料II:カーボンナノチューブやフラーレンなどの炭素からなるナノ構造と,それらの電気的な特性について学ぶ. |
第13回 | ナノ材料III:炭素が作る二次元的なシート構造を有するグラフェンの基本特性を整理し,今後期待される応用例についても紹介する. |
第14回 | 主体的に選んだテーマに関する学生自身の調査と発表(I) |
第15回 | 主体的に選んだテーマに関する学生自身の調査と発表(II) |
その他
教科書 |
講義資料を配布する.
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
G. Grosso, G. P. Parravicini, Solid State Physics, Academic Press, 2014, 2 edition
Stephen Blundell, Magnetism in Condensed Matter, Oxford Master Series in Condensed Matter Physics, Oxford University Press, 2008
James F. Annett, Superconductivity, Superfluids and Condensates, Oxford Master Series in Condensed Matter Physics, Oxford University Press, 2007
Gerald D. Mahan, Condensed Matter in a Nutshell, Princeton University Press, 2011
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成績評価の方法 及び基準 |
課題レポートの内容:50%と口頭試問:50% |
質問への対応 | 随時質問可. |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎4号館429A号室 Tel : 03-3259-0772 email : matsuda.kenichi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 10:40 ~ 12:10
木曜 駿河台 16:40 ~ 18:10
土曜 駿河台 10:40 ~ 12:10
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学生への メッセージ |
数式によって理解するよりも,問題に対するイメージをしっかり持つことを心がけでください. |