2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 電子工学専攻
設置情報
科目名 | マイクロ波素子 | ||
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設置学科 | 電子工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 半谷 正毅 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J12A |
クラス |
概要
学修到達目標 | マイクロ波受動回路および能動回路の基本特性・機能の理解に主眼を置く。伝送線路おける電磁波の伝搬と電圧・電流分布の関係、定在波とインピーダンスの概念、分布定数素子と集中定数素子、散乱行列、各種マイクロ波線路、ハイブリッド結合器やフィルタなどのマイクロ波受動素子(受動回路)、ダイオードやFETなどの半導体素子とMMIC、半導体素子を用いて構成され るスイッチ,移相器,低雑音増幅器,高出力増幅器,発振器などの能動素子(能動回路)等について、動作と解析法の理解を目指す。さらに、これらマイクロ波素子を応用した装置やシステムについての知識を深める。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業は、独自のテキストを用いて講義形態で行う。テキストは授業毎に配布する。必要に応じてマイクロ波素子の構成例や応用装置例の写真を示し、学習する技術の内容と実際の装置への応用との関係も示す。最終授業は、実習として講師所属企業の見学会を実施する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
電気・電子回路の基礎知識が有るほうが望ましいが、 履修資格があれば興味のある人の受講は制限しない。 |
授業計画
第1回 | はじめに:(1)マイクロ波とは、(2)マイクロ波の応用、(3)マイクロ波・ミリ波送受信装置、(4)マイクロ波素子、(5)マイクロ波集積回路 |
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第2回 | 電磁波:(1)マクスウェル方程式、(2)波動方程式、(3)平面波、(4)伝搬モード |
第3回 | 伝送線路:(1)TEM線路、(2)同軸線路、(3)伝送線路における波の伝搬と反射、 (4)定常波におけるインピーダンスと反射係数、(5)スミスチャート、(6)Sパラメータ |
第4回 | マイクロ波受動回路:(1)1/4λ波長線路によるインピーダンス変成、(2)結合回路、 (3)ハイブリッドジャンクション、(4)電力分配/合成回路、(5)移相器 |
第5回 | ストリップ線路形フィルタ:(1)分類、(2)原形フィルタと帯域変換、 (3)インバータ回路、(4)線路共振器および結合線路の等価回路、(5)各種フィルタ |
第6回 | マイクロ波半導体素子:(1)エネルギーバンド、(2)電気伝導、(2)PN接合、 (4)金属-半導体接合、(5)電界効果トランジスタ(FET)、 (6)バイポーラトランジスタ、(7)ヘテロ接合デバイス |
第7回 | マイクロ波増幅器の基礎:(1)マイクロ波増幅器の基本構成と動作、 (2)インピーダンス整合、(3)FETの等価回路とSパラメータ、(4)Sパラメータ、(5)FETの非線形解析、(6)増幅器の分類 |
第8回 | 低雑音増幅器:(1)マイクロ波受信装置における雑音、(2)雑音の発生源と性質、 (3)雑音指数と雑音温度、(4)雑音指数測定、一般的表現、(5)低雑音増幅器の実際 |
第9回 | 高出力・高効率増幅器:(1)出力電力と効率、(2)FET増幅器の高出力化、 (3)FET増幅器の高効率化 |
第10回 | 発振器:(1)発振メカニズム、(2)発振器のQ値と発振周波数の安定度、 (3)発振器の位相雑音、(4)位相雑音の低減 |
第11回 | ミクサ(混合器):(1)送受信機における周波数変換方式、(2)周波数変換器の回路構成 |
第12回 | マイクロ波素子の展望、演習 |
第13回 | 実習(工場見学) |
第14回 | マイクロ波素子を習得するのに必要な数学について |
第15回 | マイクロ波素子の周辺技術(アレーアンテナ、信号処理等について) |
その他
教科書 |
教科書は、独自のプリントを授業毎に配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
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成績評価の方法 及び基準 |
講義中の討議(50%)および演習問題のレポートの提出(50%)にて評価する。 |
質問への対応 | 授業中または電子メールにて対応 |
研究室又は 連絡先 |
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オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
マイクロ波素子の技術面と実際への応用面を、できるだけ関連付けた講義内容にしたいと考えます。 |