2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 |
応用化学特別講義Ⅳ
化学企業の開発研究
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設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 角五 正弘 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | K24A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 化学はあらゆる物質を作り出すキーとなる学問でセントラルサイエンスといわれる。我が国の化学工業の約40%を占める高分子工業を中心に企業の開発研究への取り組みの実態を学習する。この学習を通じて学部で学習した基礎学問と最先端の開発研究とのつながりを理解する。重要かつ必須の基礎的な知識については講義の中で理解できるようにする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義が中心であるが、理解を深めるため必要に応じて講義中に演習も含める。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部で履修した講義については予備知識があることを前提として講義するが、次週の講義内容の概略を話し、必要な予備知識を示す。 |
授業計画
第1回 | 『科学と技術』 科学と技術のかかわりを説明し、大学での科学の学習の重要性について認識を深める。 |
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第2回 | 『化学産業とはー石油化学を中心にー』 化学産業の大きな分野を占める石油化学工業を中心に化学工業の実態を学習し理解を深める。 |
第3回 | 『高分子科学と工業の歴史』 高分子科学と工業の歴史の大きな流れとその間の主要な発見について講義する。 |
第4回 | 『企業の高分子開発の概要』 第5回~第7回の3回にわたって講義するポリエチレンの授業の前に高分子開発の概要を講義する。 |
第5回 | 『エチレンの重合からポリエチレンの分子構造まで(第1回)』 高分子の合成から最終製品であるフィルムやプラスチック成型品になるまでをシームレスに理解するための第1回講義。 |
第6回 | 『ポリエチレンの結晶構造から成形品の高次構造まで第2回)』 X線回折、熱解析など解析手法についても理解を深めるよう講義する。 |
第7回 | 『ポリエチレンの溶融物性から成型まで(第3回)』 3回の講義の最終回。3回の講義を通して高分子のシームレスな理解を深める。 |
第8回 | 『高分子のミクロ構造とオレフィンの立体規則性重合』 高分子のミクロ構造について解説したのち、ポリプロピレンを例に立体規則性重合について講義する。 |
第9回 | 『分子量分布と物性』 分子量分布は高分子に特有の分子構造要素でそのコントロールの重要性を省燃費タイヤ用ゴを例に講義する。 |
第10回 | 『高分子加工とレオロジー』 溶融加工ではレオロジーの理解が重要であることを理解する。 |
第11回 | 『混合エネルギーとポリマーアロイ』 近年単一ポリマーではなく複数のポリマーをアロイ化した材料が工業材料として重要になってきている。その事例を講義する。高分子の溶解性について理解する。 |
第12回 | 事例研究Ⅰ『包装材料と高分子』 包装は単に美観のみならず内容物の長期保存という機能が重要であり、広く高分子が使われている。事例を紹介し、高分子の特性との関連を講義する。 |
第13回 | 事例研究Ⅱ『自動車・IT産業と高分子』 これらの産業ではコストダウン、軽量化、薄肉化、意匠性付与等で高分子が多用されており、高分子の特性との関連を講義する。 |
第14回 | 事例研究Ⅲ『環境と高分子』 かって環境問題として高分子のマイナスの部分に議論が集中した時代があった。現在では対策も進みプラス面を含めてバランスのとれた受け止めかたがされるようになってきた。対策の歴史と現状を講義し、将来について考えてもらう。 |
第15回 | 『総括』 レポート返却と感想。今までの講義のまとめ。 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
『基礎高分子化学』 妹尾学、栗田公夫、矢野彰一郎、澤口孝志 共立出版 2000年 第1版
『基本高分子化学』 柴田充弘 三共出版 2012年 第1版
松浦一雄 『高分子材料が一番わかる』 技術評論社 2011年 第1版
講義でもこれら3冊の参考書の内容の一部を引用して紹介します。柴田先生の著書は難しいところがありますが、優れた参考書だと思います。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート作成 |
質問への対応 | 講義の途中でも質問を歓迎します。毎回講義の最後に質問時間を設けます。 |
研究室又は 連絡先 |
勤務先でもメールは受けつけますが、勤務中ですのでできれば学内でお願いしたいと思います。メールアドレスはm.kakugo(at)iwata-cc.co.jp【 (at)は@】です。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
基礎的な学習を大事にしてください。 |