2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 | 化学工学特論Ⅰ | ||
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設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 栗原 清文 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | K42A |
クラス |
概要
学修到達目標 | エネルギーの有効利用・省エネルギーは時代の要請であり,いわゆる持続可能な社会を実現 するための鍵となる課題の一つである.本講では,エネルギー保存則とエントロピーに基づく熱力学第二法則をまず取り上げ,次にこれら二つの法則を結合することにより定義されるエクセルギー(最大有用仕事)を説明し,エクセルギーを用いてプロセスのエネルギー有効利用・省エネルギーの理論的な目標値がどのように解明されるか,またその評価をどのように行うかを,具体的なプロセスを例にして解説する.具体的な学習目標は次のようである. 1.エクセルギーの基本的な考え方を理解する(20%) 2.閉じた系についてエクセルギー収支式を立て, 第二法則効率を求めることができる(40%) 3.定常状態流れ系についてエクセルギー収支式を立て, 第二法則効率を求めることができる(40%) |
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授業形態及び 授業方法 |
板書を中心とした講義形式で行うが,授業内容のより深い理解のため,出席をかねた演習な らびにレポート提出を実施する. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
物質応用化学科設置の「化学熱力学」を履修し,単位を修得していることが望ましい. |
授業計画
第1回 | 講義のガイダンスとして,エネルギー有効利用の定量的に評価する尺度は何か,その基本原理はどのようなものであるかを概説する. |
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第2回 | プロセスのエネルギー有効利用を検討するための第一の基礎となるエネルギー保存の法則について,計算例をまじえて解説する. |
第3回 | 定圧プロセスの熱効果を表す関数(状態量)であるエンタルピーについて,計算例をまじえて解説する. 次にプロセスのエネルギー有効利用を検討するための第二の基礎となるエントロピーをめぐる法則についての講義の一回目として,まず可逆プロセスについて膨張・圧縮プロセスを例題にして説明する. |
第4回 | エントロピーをめぐる法則についての講義の二回目として,エネルギー有効利用を考える上で鍵となるエントロピーを可逆プロセスで定義し,次に熱力学第二法則を説明する. |
第5回 | エントロピーをめぐる法則についての講義の三回目として,不可逆プロセスにおける系内のエントロピー増加を表す発生エントロピーと,発生エントロピーを用いることでクラジウスの不等式を等式で表したエントロピー収支について説明する. |
第6回 | 以下,次のような題目で講義を行う. 可逆プロセスでは最大仕事が与えられ最小仕事で行なうことができる(その1) 第一法則と第二法則の結合 |
第7回 | 可逆プロセスでは最大仕事が与えられ最小仕事で行なうことができる(その2) 基本的ないくつかのプロセス: 熱機関とカルノーエンジン |
第8回 | 可逆プロセスでは最大仕事が与えられ最小仕事で行なうことができる(その3) 基本的ないくつかのプロセス: 熱移動と熱ポンプⅠ(冷房) |
第9回 | 可逆プロセスでは最大仕事が与えられ最小仕事で行なうことができる(その4) 基本的ないくつかのプロセス: 熱ポンプⅡ(暖房)と化学プロセス |
第10回 | 可逆プロセスでは最大仕事が与えられ最小仕事で行なうことができる(その5) 基本的ないくつかのプロセス: 定常状態流れ系 |
第11回 | エクセルギー(最大有用仕事)(その1) 膨張・圧縮仕事と熱のエクセルギー |
第12回 | エクセルギー(最大有用仕事)(その2) 内部エネルギー,エンタルピー,仕事,運動エネルギーおよび位置エネルギーのエクセルギー |
第13回 | エネルギー有効利用の原理(その1) 閉じた系のエクセルギー収支式と第二法則効率 |
第14回 | エネルギー有効利用の原理(その2) 定常状態流れ系(連続式プロセス)のエクセルギー収支式と第二法則効率 |
第15回 | 化学反応のエクセルギー変化 -化学エクセルギー |
その他
教科書 |
小島和夫 『エクセルギーを活かそう エネルギー有効利用の原理 』 培風館 2003年 第一版
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
小島和夫 『かいせつ化学熱力学』 培風館 2001年 第一版
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成績評価の方法 及び基準 |
講義中に出題する課題のレポート(出席状況調査を兼ねる)および最終講義において出題する課題のレポートによる総合評価 |
質問への対応 | 講義中・終了後またはE-Mailでも受け付けます. |
研究室又は 連絡先 |
物質応用化学科化学工学研究室(駿河台校舎2号館2階236B室)Tel: 03-3259-0822 E-mail: kurihara.kiyofumi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 12:10 ~ 13:00
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学生への メッセージ |