2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 | 有機合成化学特論 | ||
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設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 青山 忠 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | K55A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 現代の有機合成化学において触媒は欠かせないものであり、特に使用する触媒と反応の選択性が重要である。そこで不均一系接触水素化反応をテーマとし、使用する触媒と反応の選択制について理解することを到達目標とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
資料(英語文献を含む)を配布し、講義形式を基本とする。教員と学生とのバリヤーを無くし、できるだけ学生とのコミニュケーションをとりながら進める。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
学部レベルでの有機化学、物理化学を履修していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 資料を配布し、触媒の基礎(触媒反応とは、触媒反応と非触媒反応、均一系触媒反応と不均一系触媒反応、平衡反応における触媒の効果など)を解説する。 |
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第2回 | 触媒反応における、転化率、選択率につき例を示し説明する。選択率に及ぼす速度定数と転化率の影響について解説する。 |
第3回 | 触媒反応と無触媒反応における反応のエネルギー状態模式図を示し、不均一系触媒による触媒反応過程のエネルギー変化を説明する。 |
第4回 | 化学工業の発展と触媒の開発についての歴史をたどる。 |
第5回 | 不均一系触媒の電気的性質と触媒反応(水素化反応・脱水素反応・酸化反応・重合反応・異性化反応など)との相関を実例をあげて解説する。 |
第6回 | 不均一接触水素化反応(1): 触媒表面への分子の吸着におけるポテンシャルエネルギー変化から物理吸着、化学吸着を理解させ、それぞれの相違と特徴について解説する。 |
第7回 | 不不均一接触水素化反応(2): 化学吸着と吸着熱および吸着熱の測定方法(直接法及び間接法)について解説する。 |
第8回 | 不均一接触水素化反応(3): 金属触媒の物性が基質におよぼす効果(反応生成物の相違など)について解説する。 |
第9回 | 不均一接触水素化反応(4): 触媒と担体の組み合わせ、触媒の担持量、触媒の粒径などの反応におよぼす影響について解説する。 |
第10回 | 不均一接触水素化反応(5): 反応系中の触媒濃度の相違と反応性について例をあげ解説する。 |
第11回 | 不均一接触水素化反応(6): 反応温度、圧力、かく拌速度と反応性ついて例をあげ解説する。 |
第12回 | 不均一接触水素化反応(7): 触媒表面上の水素の状況(水素過剰状態と水素不足状態)と反応速度との関連について解説する。 |
第13回 | 不均一接触水素化反応(8): 触媒表面上の水素の状況(水素過剰状態と水素不足状態)と反応の選択性に係る要素(圧力、温度、触媒濃度、担持量、撹拌速度)との関連について解説する。 |
第14回 | 不不均一接触水素化反応(9): 溶媒物性(プロトン性極性溶媒、非プロトン性極性溶媒および誘電率)と生成物の立体選択性、立体特異性について、例をあげ解説する。 |
第15回 | 不均一接触水素化反応(10): 様々な官能基の水素化について有効な触媒を紹介し、授業全体を総括する。 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
干鯛眞信、市川勝 『均一触媒と不均一触媒入門』 丸善 1983年
御園生誠、斉藤泰和 『触媒化学』 丸善 1990年
西村重夫、高木弦 『接触水素化反応 有機合成への応用』 東京化学同人 1987年
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成績評価の方法 及び基準 |
受講態度(40%)、数回のレポート(50%)、質疑応答(10%)による。 |
質問への対応 | 授業中 |
研究室又は 連絡先 |
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オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
化学に対する興味や様々な知識を持って授業に臨んで欲しい。 |