2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 物理学専攻
設置情報
科目名 | 一般相対論Ⅰ | ||
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設置学科 | 物理学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 三島 隆 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L14A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 前世紀初頭、Einsteinによって重力現象は時空の幾何学として理解できることが示された。近年、Einsteinの重力理論(一般相対論)は、宇宙物理や素粒子論の研究を進めるための基礎理論の一つとして、重要性がますます高まってきている。本講義では、前半では、一般相対論の基礎についてその根幹となる原理や必要な数学的手法を説明し、それをもとにEinsteinの重力場の方程式を発見法的に導出する。後半部では、Einstein方程式の基本事項、重力波の扱い方の基本、強い重力源の周囲での物質の振る舞い方などを紹介する。また、進度に応じてより進んだブラックホールの物理や宇宙論などの進んだ内容も扱う。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業は基本的に講義による。適宜必要な資料プリントを配布する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
選択、特殊相対論と古典的な場の理論の基本事項を習得していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス 特殊相対性理論の基本事項 |
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第2回 | 等価原理:Nwetonの等価原理とEinsteinの等価原理 |
第3回 | 曲がった空間を扱うための数学(1):曲面上の微分幾何学:ベクトル場、計量、曲率 |
第4回 | 曲がった空間を扱うための数学(2):曲面上の微分幾何学:共変微分、平行移動と測地線 |
第5回 | 一般相対性理論とリーマン幾何学(1):ベクトル場と計量、共変微分 |
第6回 | 一般相対性理論とリーマン幾何学(2):測地線、粒子の運動方程式 |
第7回 | 一般相対性理論とリーマン幾何学(3):曲率テンソル、測地線偏差 |
第8回 | Einstein方程式(1):重力ポテンシャルとしての計量、エネルギー運動量テンソル |
第9回 | Einstein方程式(2):Einstein方程式の発見法的導出 |
第10回 | Einstein方程式の基本的事柄(1):初期値問題とゲージ固定、重力波の存在とゲージ自由度 |
第11回 | Einstein方程式の基本的事柄(2):重力波の物理的性質 |
第12回 | 重力波の放射とそのエネルギー(1):重力波の有効エネルギー運動量テンソル |
第13回 | 重力波の放射とそのエネルギー(2):重力波の放射(四重極公式)、例 連星からの重力波放出 |
第14回 | より進んだ重力物理への入門(1):ブラックホール物理、宇宙論、相対論的効果の観測などよりテーマを選択 |
第15回 | より進んだ重力物理への入門(2):ブラックホール物理、宇宙論、相対論的効果の観測などよりテーマを選択 |
その他
教科書 |
特に指定しない。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
Weinberg, S., Gravitation and Cosmology, Wiley, 1972, 1 edition
Straumann, N., General Relativity, Graduate Texts in Physics, Springer, 2013, 2 edition
佐々木節 『一般相対論』 物理学教科書シリーズ 産業図書 1996年 第1版
小玉英雄 『相対性理論』 物理学基礎シリーズ 培風館 1997年 第1版
佐藤文隆 『相対論と宇宙論』 サイエンス社 1981年 第1版
上記以外のものは授業中に指示する。また適宜資料を配布する。
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成績評価の方法 及び基準 |
主に出席を前提とした上で授業内容に関する4回程度のレポートによる平常点(60%)と最終レポート(40%)によって評価する。 |
質問への対応 | 講義終了後に受け付けます。また、それ以外の時間は通常船橋校舎にて受付けます。気軽にたずねてきてください。メイルでの質問も受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎1号館2階121A E-mail: 授業中に指示します。 |
オフィスアワー |
水曜 船橋 12:15 ~ 13:15 船橋校舎1号館2階121A
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学生への メッセージ |
質問は大歓迎です。どんなことでも遠慮なく聞いてください。 |