2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 物理学専攻
設置情報
科目名 | 磁気流体力学Ⅱ | ||
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設置学科 | 物理学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 平野 洋一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L52C |
クラス |
概要
学修到達目標 | 磁気流体方程式において、微小変動成分の一次(線形)展開法とフーリエ展開法を用いて、プラズマ中の波動と不安定性について学ぶ。また磁気エネルギーの緩和理論を学び、磁化プラズマのエネルギー最小状態への緩和について理解する。さらに、太陽黒点生成とコロナの磁気再結合加熱の磁気流体的取り扱いについて学ぶ。 |
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授業形態及び 授業方法 |
講義 配布した講義資料をもとに、微小変位に対する線形化した磁気流体方程式の導出、プラズマの波動と線形不安定性の解析、およびそれらの物理的意味を示す。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
力学および電磁気学の基礎知識。磁気流体力学Iの受講が望ましい。予習については、配布したテキストの次回の講義予定のところをよく読んで、分からないところを質問できるようにしておく。講義終了後は速やかに講義中に学んだ箇所を復習して、不明な点は次回の講義で質問すること。 |
授業計画
第1回 | 磁気流体力学II(MagnetoHydroDynamics, MHD II)の講義内容の概要説明 磁気流体力学Iの復習と一次展開による線形化の概念の理解 |
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第2回 | 速度分布関数のボルツマン方程式からの質量と運動量保存に関する磁気流体力学方程式の導出1 ボルツマン方程式の0次、1次のモーメント計算と磁気流体力学方程式の関連性の理解 |
第3回 | 速度分布関数のボルツマン方程式からのエネルギー保存に関するMHD方程式の導出2 ボルツマン方程式の2次のモーメントの計算と磁気流体力学方程式の関連性の理解 |
第4回 | 磁気流体力学方程式によるプラズマ波動の解析1 微小変位の展開法とフーリエ展開を用いた大気中の音波の導出、位相速度と群速度の概念の理解 |
第5回 | 磁気流体力学方程式によるプラズマ波動の解析2 イオン音波、アルフヴェン波の導出と、その物理的特徴の理解 |
第6回 | 磁気流体力学方程式によるプラズマ波動の解析3 磁気音波の導出と、その物理的特徴の理解 |
第7回 | 磁化プラズマの自己組織化(エネルギー最小状態への緩和現象)1 磁気ヘリシティーの概念と、その時間変化の物理的意味の理解 |
第8回 | 磁化プラズマの自己組織化(エネルギー最小状態への緩和現象)2 ヘリシティー保存を用いた円筒磁化プラズマのエネルギー最小状態への緩和の理解 |
第9回 | プラズマの磁気流体力学不安定性 微小変位の展開法とフーリエ展開を用いたドリフト不安定性の解析法の習得 |
第10回 | プラズマの磁気流体力学不安定性解析のために必要な磁気流体力学平衡 前期に学んだ磁気流体力学平衡状態の、磁気流体力学不安定性の観点からの理解 |
第11回 | 円筒プラズマの磁気流体力学不安定性の解析1 ソーセージ不安定性とキンク不安定性の定性的解析法の習得 |
第12回 | 円筒プラズマの磁気流体力学不安定性の解析2 微小変位の展開法とフーリエ展開を用いた、安定性解析の方程式の導出とその理解 |
第13回 | 円筒プラズマの磁気流体力学不安定性の解析3 ソーセージ不安定性とキンク不安定性(クルスカル、シャフラノフ限界)の安定限界の導出 |
第14回 | 太陽黒点の生成とコロナの磁気再結合加熱 太陽黒点の生成と磁気再結合による磁気エネルギーの熱エネルギーへの転換のMHD的理解 |
第15回 | 磁気流体力学方程式の一次展開による線形化を用いた解析法について、その要点をまとめ、具体的な応用について理解を深める。具体的な課題について問題を示しその解法を検討する。 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
宮本健郎 『核融合のためのプラズマ物理』 岩波書店 1997年
B.B. Kadomtsef 『Hydromagnetic Stability of a Plasma』 Review of Plasma Physics Vol.2 Plenum Press 1966年
S.I. Branginskii 『Transport Process in a Plasma』 Review of Plasma Physics Vol.1 Plenum Press 1965年
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成績評価の方法 及び基準 |
3件程度の個別の課題についてのレポートの結果を総合的に判断する |
質問への対応 | 授業中、ならびに授業終了後の質問を歓迎する。 それ以外の場合には、オフィスにいることが少ないので、メイルによる質問に対して最も確実に対応できる |
研究室又は 連絡先 |
研究室およびメールアドレスは授業中に指示する |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |