2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 数学専攻
設置情報
科目名 | 代数学特論Ⅱ | ||
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設置学科 | 数学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 平田(河野) 典子 | 履修期 | 年間 |
単位 | 4 | 曜日時限 | 水曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M33A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 楕円曲線論を学習する.群論や級数論や射影幾何をふまえて,代数学と幾何学と複素関数論の融合する美しい理論を紹介する.整数論への応用についても言及する. |
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授業形態及び 授業方法 |
黒板での講義およびレポート課題による学習 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
代数学,幾何学,複素関数論に興味があることが望ましい. |
授業計画
第1回 | シラバスの内容を確認して授業の計画を概説し,成績のつけ方や授業で用いる記号の定義をおこなう. |
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第2回 | 代数学と複素関数論の復習 |
第3回 | 射影空間(1) 定義と諸性質について復習する. |
第4回 | 射影空間(2) なぜこのような概念を定義すると便利であるかを考える. |
第5回 | 代数曲線(1) 定義を導入する. |
第6回 | 代数曲線(2) 諸性質について学ぶ. |
第7回 | 楕円関数(1) Weierstrassの楕円関数を定義を導入するための準備を行う. |
第8回 | 楕円関数(2) Weierstrassの楕円関数の定義を行う. |
第9回 | 楕円関数(3) Weierstrassの楕円関数の解析的な性質を調べる. |
第10回 | 楕円関数(4) Weierstrassの楕円関数と微分方程式との関連を調べる. |
第11回 | 楕円曲線の定義(1) 何のために考える概念なのかを歴史的に考察して定義をする. |
第12回 | 楕円曲線の定義(2) 楕円の弧との関連を述べる. |
第13回 | 楕円曲線の定義(3) 幾何学的な意味付けをおこなう. |
第14回 | Weierstrassの標準形(1) 定義方程式の説明を行う. |
第15回 | Weierstrassの標準形(2) 標準形の諸性質について述べる. |
第16回 | 群構造(1)楕円曲線の群構造について概説する. |
第17回 | 群構造(2)楕円曲線が群構造をもつことを実際に証明する. |
第18回 | 楕円曲線の幾何学(1) 種数について定義する. |
第19回 | 楕円曲線の幾何学(2) 楕円曲線が種数1のトーラスである事実を述べる. |
第20回 | 楕円曲線の構造と諸性質 (1) 楕円曲線におけるMordell-Weil群の定義を行う. |
第21回 | 楕円曲線の構造と諸性質 (2) Mordell-Weilの定理の主張を述べる. |
第22回 | 楕円曲線の構造と諸性質(3) 同種の定義を行う. |
第23回 | 楕円曲線の構造と諸性質 (4) 同種の諸性質について述べる. |
第24回 | 楕円曲線の構造と諸性質(5) Mordell-Weilの定理の証明の準備を行う. |
第25回 | 楕円曲線の構造と諸性質 (6) Mordell-Weilの定理を証明する. |
第26回 | 楕円曲線の応用 (1) 幾何学的応用について述べる. |
第27回 | 楕円曲線の応用 (2) 解析学的応用について述べる. |
第28回 | 楕円曲線の応用 (3) 代数学的応用について述べる. |
第29回 | 楕円曲線の応用 (4) 整数論への応用について述べる. |
第30回 | 理解度の確認を行う. |
その他
教科書 |
必要に応じてテキストを随時配付
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
J. W. S. Cassels (キャッセルズ) 『楕円曲線入門』 岩波書店
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成績評価の方法 及び基準 |
授業中に出す4回の課題に対するレポート内容の評価.各々25%として,4回合計で100%とする. |
質問への対応 | 随時 |
研究室又は 連絡先 |
最初の授業の際に周知 |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:00 ~ 13:00
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学生への メッセージ |
楕円曲線は代数,解析,幾何の真髄の融合した,歴史的にも深い意義のある非常に興味深い数学の対象です.とにかく面白いし,きれいです. 熱心に勉強する強い意志のある方を歓迎します. |