2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 不動産科学専攻
設置情報
科目名 |
不動産ファイナンス論
不動産と金融-不動産の証券化
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設置学科 | 不動産科学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 植松 丘 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | N25B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 市場ではお金を使って交換が行われている。お金は、生活必需品との交換のために使われるが、「お金を殖やすため」にも使われている。これが「投資」である。「投資」というと株式と債券を連想する人が多いけれども、グローバルな投資の世界では不動産もこれらと並んで重要な役割を担っている。したがって、自らがこうした投資に参加しようとしまいと、不動産市場はグローバル金融による揺さぶりを受けることを甘受しなければならない。リーマンショック後の日本の不動産市場の急速な変化は、このことを端的に物語るものである。 本講義では、「投資」という金儲けのゲームの世界で、不動産がどのように考えられ取り扱われているのかを学び、われわれは今後どのように考え不動産と付き合っていくべきかを考えてもらうことを狙いとする。多くの具体的事例を紹介しながら、金融について全く知識がない者でも金融の面白さを理解してもらえる講義を行う。 |
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授業形態及び 授業方法 |
基礎知識については講義形式で行うが,理解度を高めるためゼミナール形式で質疑応答を多く取り入れる。 授業資料は,プリントを配布する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
金融や不動産証券化についての基礎知識がないものでも履修可能。不動産と金融とのかかわりは,インフラ整備など官民を問わず市場のあらゆる場面で密接に関連することになるので、都市計画や建築,環境,公共経済など多様な分野の人々の受講を求めます。 |
授業計画
第1回 | 世界では,不動産は株や債券と同じように投資のための道具として利用されている。日本の不動産ではどのような施設建築物が組み入れられているかを紹介することでその実態を知ってもらい,講座の到達目標を知る |
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第2回 | 不動産ファイナンス概論① 不動産の投資財としての特徴を学び,世界の不動産市場におけるプレイヤーを知ることで,不動産と金融とのかかわりの深さを知る。 |
第3回 | 不動産ファイナンス概論② 多彩な不動産証券化商品を生み出すためには,不動産に対する資金はどのように調達されているか,その理由は何かを理解する。 |
第4回 | 不動産ファイナンス概論③ サブプライムローン問題の世界経済への波及過程を理解する。 |
第5回 | 不動産証券化の種類と特徴 不動産証券化商品の種類と特徴,市場規模を理解する。 |
第6回 | 不動産証券化商品の組成① ストラクチャード・ファイナンス(仕組み金融)を学ぶ。不動産証券化の仕組みとなぜ仕組みが必要なのかを理解する。 |
第7回 | 不動産証券化商品の組成② ストラクチャード・ファイナンスを学ぶ。金融エンジニアリング(レバレッジ効果)について学ぶ。 |
第8回 | 不動産証券化商品分析① 不動産投資信託(J-REIT)、オープンエンドファンド、私募ファンドの商品特性について理解する。 |
第9回 | 不動産証券化商品分析② 不動産投資信託(J-REIT)、オープンエンドファンド、私募ファンドの商品特性について理解する。 |
第10回 | 不動産証券化商品分析③ ローン債権の証券化商品について理解する。不動産投資におけるローンの仕組みと証券化商品(CMBS)について学ぶ。 |
第11回 | 不動産マネジメント① 不動産証券化によって生まれた不動産市場の新しいプレイヤーの役割と意味を理解し、不動産投資のマネジメントを学ぶ。 |
第12回 | 不動産マネジメント②不動産証券化によって変った管理業のマネジメントビジネスへの転化と不動産鑑定評価とマネジメントとのかかわりを学ぶ。 |
第13回 | 開発型証券化 不動産開発と証券化について学ぶ。 |
第14回 | 課題の説明 |
第15回 | 課題の発表と解説 |
その他
教科書 |
社団法人不動産証券化協会 『不動産証券化ハンドブック2014』 社団法人不動産証券化協会 2015年
不動産証券化協会のご厚意により無償配布の予定
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
日本不動産投資顧問業協会/投資信託協会編 『アセットマネジメントの世界』 東洋経済新報社 2010年 第1版
「アセットマネジメントの世界」は投資ビジネス全般を,全く知識がない大学生用に書かれたものなので,不動産を金融とのかかわりの中で考えるのに便利である。
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成績評価の方法 及び基準 |
大学院の授業であるからテストは行わない。代わりにどれだけ積極的に授業に参加し貢献したかが成績評価では重視される。受身で講義を聴いているだけでは高い評価は得られない。授業資料は事前に配布するので,授業での質疑に対しては自分の意見が言えるように,準備をして積極的に議論に参加してもらいたい。成績評価は,課題,レポート,発表態度,受講時における積極参加度,を総合的に評価する。評価割合は、課題およびレポート60%,授業への貢献度40%。 |
質問への対応 | 講義終了時でも、メールででも随時受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
t-uematsu@chime.ocn.ne.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
「良いまちづくり」には都市計画,防災,建築計画,環境などの視点のほかに,金融市場で評価されることが欠かせないようになっているので,金融市場における評価の物差しを学んでもらいたい。 |