2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 不動産科学専攻
設置情報
科目名 |
税制金融特論
都市開発ファイナンスの本質を探る
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設置学科 | 不動産科学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 薄井 充裕 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | N46A |
クラス |
概要
学修到達目標 | REIT(不動産投資信託)やSPC(特別目的会社)などを使った証券化手法は、税制上 の優遇の仕組み(二重課税の排除)こそが本質である。また、プロジェクト・ファイナンス、アセット・ファイナンス、PFI、PPPなどの金融手法はいまや国、地方公共団体を含め不動産関係者の必須科目となっている。 このように、都市計画や都市整備のあり方を考えるうえで、税制・金融のもつ機能は重要である。一方、不動産の事業化や流動化に際して、毎年、さまざまな制度改正が行われているが、その政策立案プロセスを理解することで将来の都市整備動向を一定程度、予測することも可能である。 本講座では、以上の動向について概括するとともに、不動産科学における税制・金融のもつ意味を理論的、実証的両面からとらえ、ゼミ形式も取り入れながら多角的に講義したい。 |
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授業形態及び 授業方法 |
基本的に講義を中心とするが、税制・金融にかかわる個別テーマについて、受講者からのプ レゼン、批評なども随時行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
税制・金融について基礎知識がなくとも履修可能。但し、必須の項目については確実な習得 を目指す。都市計画や地域整備について多面的、旺盛な関心をもつ受講者を望む。 |
授業計画
第1回 | 1.講義の進め方と単位修得の方法 (各回のテーマと回数は講義の進捗と学生の理解応じて修正する) |
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第2回 | 2.税制関係 税制(1):税制への接近ー法人税を中心に |
第3回 | 税制(2):税制総論ー租税の歴史、国家と税制、税制の理論、日本の税制 |
第4回 | 税制(3):土地・住宅税制①ー総論 |
第5回 | 税制(4):土地・住宅税制②ー法人税:減価償却費 |
第6回 | 税制(5):土地・住宅税制③ー地方税:固定資産税、都市計画税の課題 |
第7回 | 税制(6):税制改正過程論①ー「法人実在説」と「法人擬制説」 |
第8回 | 税制(7):税制改正過程論②ー「公共性」論と税制 |
第9回 | 3.金融関係 金融(1):金融への接近ー最新金融事例集 |
第10回 | 金融(2):事業化手法総論ー空間構成論から時間構成論へ |
第11回 | 金融(3):PFIと事業化手法①ー事例編 |
第12回 | 金融(4):PFIと事業化手法②ー理論編 |
第13回 | 金融(5):PFIと事業化手法③ー応用編 |
第14回 | 金融(6):PFIからPPP、コンセッションへの展開 |
第15回 | 金融(7):プロジェクト・ファイナンス、アセット・ファイナンス、M&Aなど |
その他
教科書 |
宇沢弘文・薄井充裕他編 『都市のルネッサンスを求めて』 Economic Affairs-7 東京大学出版会 2003年 第1版
薄井充裕編著 『PFIと事業化手法』 (社)金融財政事情研究会 1999年 第2版
薄井充裕他編著 『都市開発と証券化』 日本経済新聞社 1990年 第3版
薄井充裕編著 『変わる日本の国土構造』 ぎょうせい 1996年 第2版
上記テキストは参考文献として活用。各回の講義資料はオリジナルなものを別に配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
経済企画庁経済研究所編 『社会資本の構造改革に向けて』 大蔵省印刷局 1997年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
出席に加えて、受講時におけるディスカッションなどをベースにゼミ形式での発表の質量を重視する。 |
質問への対応 | 講義時間を中心に随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
E-mail:mituusui@yahoo.co.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
税制・金融のもつ社会的な機能を基礎に、戦略的なテーマ把握から実務的な対応まで、必須 の知識をもち、認識力を高めることに力点を置いている。受講にあたって、税制・金融については、はじめて学ぶということで結構だが、毎回のテーマについては、各自が問題意識をもってが確実に習得し、理論・実践両面で大いに役立ててほしい。 |