2015年 大学院理工学研究科 シラバス - 量子理工学専攻
設置情報
科目名 | 原子力エネルギー特論Ⅱ | ||
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設置学科 | 量子理工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 相澤・長峰・北山 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | R43B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 核融合および核分裂エネルギー利用の応用について解説する。核融合に関してはヘリカル系核融合閉じ込め装置を中心に物理的工学的な応用の解説を行う。原子力発電に関しては福島原発の事故や放射性廃棄物の問題、環境問題や地域社会の合意形成、技術者倫理など日本における原子力エネルギー利用の将来を見据えた解説を行う。 |
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授業形態及び 授業方法 |
プロジェクタ等を利用してわかりやすく行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
事前に原子力エネルギー特論Ⅰを習得していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | ●前期の復習とトカマク装置の概観 原子力エネルギー特論Iの復習をして基本的なトカマク装置の概説を行います。(相澤) |
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第2回 | ●ヘリカル系核融合プラズマの理論(1) ヘリカル系装置のプラズマ物理において磁気座標系の理解は重要で、その準備として一般曲線座標の解説から始める。(相澤) |
第3回 | ●ヘリカル系核融合プラズマの理論(2) 磁気座標系のなかでもヘリカル系の理論において良く利用されるBoozer座標について解説する。(相澤) |
第4回 | ●原子力発電構造材料(1) 冷却流体によるプラント構造材料への流力振動、腐食等の影響を事故事例を引用しながら解説する。 (北山) |
第5回 | ●原子力発電構造材料(2) 古くて新しい課題である沸騰水型原子炉のSCCの事例および中性子の原子炉構造材料への影響について概説する。(北山) |
第6回 | ●ヘリカル系装置における粒子輸送(1) 磁気座標系を利用したヘリカル系プラズマ粒子輸送の基礎ついて述べる。 (相澤) |
第7回 | ●事故と教訓 原子力発電に対する世界の不安と反対を引き起こしたスリーマイルアイランド、チェルノブイル、JOC、福島等の事故概要と教訓について紹介する。(北山) |
第8回 | ●原子力発電プラントの建設・運転・保守 原子力発電プラントの建設・運転・保守はどのように行われているか概説する。(北山) |
第9回 | ●ヘリカル系装置における粒子輸送(2) 磁気座標系を利用したヘリカル系プラズマ粒子輸送の応用について述べる。 (長峰) |
第10回 | ●核融合プラズマの加熱と電流駆動 詳細は別講義「プラズマ加熱特論」にゆだねるが、ここでは基本的な、ジュール加熱、中性粒子ビーム加熱、高周波加熱および電流駆動に関連したブートストラップ電流の概説を行う。(長峰) |
第11回 | ●原子燃料サイクル 日本の原子力発電はその当初から使用済み燃料内に生成した準国産エネルギー資源と言えるプルトニウムを再処理で取り出して再使用することを目標にして進められてきた。現在青森県六ケ所村で再処理工場が試運転の最終段階にある。新燃料のできるまでと使用済み燃料再処理によるプルトニウムリサイクルを中心に原子燃料サイクルについて紹介する。(北山) |
第12回 | ●放射性廃棄物の処理処分 原子力発電により発生する放射性廃棄物の種類と処理および処分方法を紹介する。特に重要な課題である高レベル放射性廃棄物の固化技術と最終処分について取り上げる。(北山) |
第13回 | ●核融合炉の炉設計と経済性 逆磁場ピンチプラズマ装置を例にとり経済性を考慮した炉設計の簡単なモデル計算を紹介する。(長峰) |
第14回 | ●地域や社会の合意形成 社会の進化にともない、原子力発電施設の立地に係る地域や社会の合意形成の内容も変わってきた。住民投票、コンセンサス会議、パブリック、パブリックインボルブメントなど、合意形成の手法について事例を紹介しながら、今後の原子力発電に相応しい合意形成の在り方について考える。(北山) |
第15回 | ●レポート提出 (相澤) |
その他
教科書 |
教科書は特に定めない。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
参考書は授業時に紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポートによる。 |
質問への対応 | メール以外随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
相澤 御茶ノ水校舎(旧法科大学院棟)10階 C1006室 E-mail: aizawa@phys.cst.nihon-u.ac.jp 電話03-3259-0790 北山先生については講義時に連絡する。 |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 14:00 ~ 18:00
木曜 駿河台 14:00 ~ 18:00
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学生への メッセージ |